- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035401704
感想・レビュー・書評
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とってもとっても好きな作品。
とっても考えさせられる内容で、何度も何度も読んだ。
この偕成社ワンダーランドシリーズはお気に入り。 -
子どもが主人公の童話。変に説教くさくないのがよい。大人が読んでも十分面白けど、子ども時代にぜひとも読みたかった。
テレビゲームの中に迷い込んでしまった少年少女の物語なのだけど、何通りにも解釈ができるというか、何について書かれていたかと問われたら、読者それぞれに違うことを答えるだろうという物語である。
一方で、あれこれ解釈を加える前に、圧倒的に没入してしまうような、どきどきわくわくが盛り込まれた冒険譚でもある。子どものときに読んだら、一生ものの読書体験になったのではないかな。「はてしない物語」を読んだ少年のように。
生きることの辛さも知った大人としては、ゲームの中に入るのも、この世にオギャーと生まれるのも理不尽なところは似ていますね、という雑な解釈を1つ与えて満足してしまった感がある。その解釈で読み進めても、最後は爽快であり切なくもあった。
他にも色々な読み方ができるので、読書会のテーマによいと思った。 -
面白い。そして、戸惑いや足手まとい感がリアルで深い。昨今の異世界トリップものの全能感やお気楽モードに不快感を覚えていたので、嬉しい。
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実は読むの2度目。
岡田淳作品を読み始めたきっかけの本。
自分が通っている学校が、急にゲームの中のダンジョンのようになっちゃうってのがドキドキ。
しかもそっちの世界と現実世界を夢の中で行き来しちゃう。
学校通ってたら、もしかしたらこの学校も急に・・・って想像してビビったりしてたかも。
高学年向けだから、撃たれたりしたら死ぬんだよねぇ。
向こうの世界で死んでも、向こうの記憶を無くして、
元の世界に戻るだけなんだけど、それでもはっきりと死ぬって事を書いてるのは低学年向けとは違うなと。
中盤から徐々に向こうの世界の秘密がわかり始めるんだけど、いろいろ考えさせられる。
最初のちょっと浮かれてた感じはどんどんなくなって、
厳しい現実と向き合わなきゃいけなくなってきて・・・
おススメの児童書の1冊。 -
「二分間の冒険」と似たようなファンタジーを期待して読んだところ、ハードさにびっくりでした。拳銃、ナイフ、血、死体、別の世界で子供たちが殺し合い...。もしあらすじをきちんと読んでいたら小1男児と小3女児(ただし年度末)への読み聞かせには使わなかったかもしれません。しかし結果的には、子供たちも受け止めて楽しめる範囲でした。「今まで読んだ中では出てこなかったような戦いで、怖かったけど面白かった」と口々に言っていました。こうなんじゃないかな、こうすればいいのに、と、それこそ登場人物と一緒に冒険しているようになって頭を使って楽しんでいました。そうして子供たちも楽しみましたが私にとっても文句なしの面白さでした。きっと映画化したら大人も楽しめる、というか大人向けに面白い映画になると思います。謎があって、テンポのいい冒険、アクション、驚愕の事実があって、友情とか愛情とか献身とかみたいなものがあって、メッセージもある。これらが実にうまく配分されていて大成功をあげています。
メッセージは、必ずしも明確にひとつのメッセージが主張されているわけではなさそうですが、子供の心にうまくひっかかるような形でいろいろと考える材料が提示されていて、きっと小学校で子供たちに感想文を書かせたらそれぞれの子が違うところについて感想文を書いてくると思います。子供たちがテレビゲームの中で何気なく体験している殺し合いがもし本当にあったとしたらどんなことか、そういった普段想像していないことを想像してみること、記憶が人にとってどんなに大切か、役割でしか人を捉えない人間関係の寂しさとその逆の接し方の温かみ、とか。
これは読んで良かった。お勧めです。 -
本嫌い&ゲーム大好きの次男があっという間に読み終わり、「ママも読んで!」というので、読んでみた。
表面的にはゲームの世界がそのまま小説になったものなのだけど、「ゲームの中での死」は「忘れられてしまうこと」を意味しているなど、とても奥が深い。
3年生の息子は、どこまで理解できたのかな。
大きくなってまた読み直してくれるといいなあ。 -
小学生の頃大好きだった岡田淳先生の小説。
俺は普段作家のことを先生付けで呼ぶことはないけど、岡田淳先生だけは別。ってのも、岡田淳先生は、西宮市の小学校で図工の教員をやっているのだ。岡田淳先生の本を読み漁っていた小学低学年の俺は、母親を利用して実際に岡田淳先生に会いサインをもらうなどしていた(自慢)。
でまぁ、この『選ばなかった冒険』ですよ。
ひさしぶりに読んだけど、面白い。
小学六年生のあかりと学は、ひょんなことから異世界へと入り込んでしまう。そこは、RPGを模したゲームの世界だった。
小学校の廊下がそのままRPG(おそらくウィザードリィをモチーフにしている)のダンジョンになり、銃を持ってモンスターと戦うという小学生男子にとってはこの上なく興奮させられる設定。銃の扱いや忍び足の特訓など、要所要所のトピックスがリアリティを演出する。また、セガールみたいなプロの傭兵、美人な女戦士などのnpcに加え、学たちを手助けしてくれるモンスター、フクロハリネズミのハリーなど多様なキャラクターが表情豊かに登場する。
ヴァーチャルな世界を現実として生きざるをえなくなった主人公たちの心情を通して、生の実感というテーマを描く。
あわよくば、もう少し敵側(闇の王)についても書いてほしかったところ。 -
小学生の頃に恐いもの見たさと言うか、何だか不気味だと思いつつのめり込んだ本で、読みながらイメージした映像を今でも思い出せるくらい何故だか印象に残ってる話。これを読んだときに、忘れられるってやるせないなぁと初めてしみじみ思ったかもしれない。
著者プロフィール
岡田淳の作品





