漂泊の王の伝説

制作 : Laura Gallego Garc´ia  松下 直弘 
  • 偕成社
3.87
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本棚登録 : 129
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035404804

作品紹介・あらすじ

砂漠の王国、キンダの王子ワリードは貧しい絨毯織りの詩によって、夢と名誉をうばわれてしまう。憎しみにかられ、ワリードはその男に難題をもうしつける。人類の歴史をすべて織りこんだ絨毯をつくれ、と。それは、成しとげられない命令のはずであった…。スペインのバルコ・デ・バポール児童文学賞にかがやき世界八カ国で翻訳された、傑作歴史ファンタジー。小学校高学年から。

感想・レビュー・書評

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  • 砂漠の王国キンダの王子ワリードは、自分こそ詩の名人で並ぶものはないと考えていた。しかし、貧しい絨毯売りによって夢と名誉を奪われたことから、憎しみにかられたワリードは絨毯売りに難題を押し付ける。

    ワリードは自分の罪に気づき、「漂泊の王」として砂漠に出て、あの男の絨毯を取り戻す旅に出る。

    「人生は必ず、その人がしたことをしたように返してくる」

  • 「外国の本っておもしろい! ~子どもの作文から生まれた翻訳書ガイドブック」の「3. ファンタジー・冒険」で紹介されていた10冊のうちの1冊。

  • 初石中

  • イスラム以前のアラビア、うぬぼれた王子が、嫉妬から災厄を王国に招いてしまう。何もかも無くした王子は、裸足で歩き始める。

    ゲド戦記的なイニシエーションストーリー。より華やかで、ファンタジーあり、ロマンスあり、冒険あり。素早い物語運びで、一気に読ませる。

    ドラマティックすぎるのと、消化不良的なエピ(赤いターバンの老人、歴史の絨毯、ジンたちなど)が気になるけど、とても面白く、ハッピーエンドで読後感も良い。

  • タイトルと紹介文からして、冒険物なのかなぁと読み始めたら、精神に重きをおいたファンタジーでした。
    楽しみにしていた砂漠の描写があまりなかったのは残念でしたが、よかったです。
    強い嫉妬は身を滅ぼす。元から持っていた長所も失われ、過ちを犯す。でも例えしてはいけない過ちを犯しても、猛省と努力で報われる日がくる。あるいは来ないかもしれないが。そんな風に受け取りました。
    やはり実体験に勝る創作はないという事、辛い状況がかえって創作意欲を沸き立てる事も再確認させられました。
    絨毯織りは織りたくて織った――勇気づけられる真実でした。

  • 「武士道シックスティーン」のあとがきで、面白いと紹介されていたので読んでみたけど・・・つまらなかった・・・。
    ライトノベルというよりは児童文学。
    文体も子供向けだし、そもそも見た目も心も美しく誰からも愛されていた王子が、あっさりと嫉妬の鬼となってしまうのが納得いかない。自制心も何もなく、本当にあっという間に嫉妬にかられまくってるんだもの。
    ちょっと残念でしたが、読んでて気持ち悪いとか後味悪すぎとかいうわけではないので、★2つ。

  • キンダ王国の王子は、心も顔も美しく、才能に溢れていた。王子は詩が好きだった。王子が国で一番の詩人であることを証明するために、キンダ王国で詩のコンクールが開らいたが、貧しい絨毯おりに優勝の座を取られてしまう。嫉妬に駆られた王子は、絨毯おりに無理難題を課せた。絨毯おりは史料編纂を終え人類の歴史を全て織り込んだ絨毯作りを終えて死んでしまう。
    王子は後悔し、盗まれた絨毯を探しに旅に出る。
    絵に描いたようなプリンセスでも暗い部分を持ち合わせ、それに抗えず非道なことに走ってしまうきとで、人間の弱さや愚かしさを感じる。しかしその一方でいつでも人間はやり直せることや愛や真を知れば強くなることもおしえてくれる。

  • まるでアラビアの語り部が紡いだかのような情感を豊かにまとった作品。才気溢れる若き王子ワリードの過ちと悔恨、そして成長の物語。

    大人向けの小説のような設定の緻密さや、ストーリーの壮大さはないけれど、大人なら1時間とかからずに読み終わる本がこれだけの読後感を残すというのはすごいことだと思う。そして、その読後感は児童書らしくとても爽やか。

    児童書を読むということは本当に楽しい。ほんの短い時間で読める割に、大人向けの本にはないおもしろさを感じることも多いし、読んでいるのが児童書だという意識があるからか、あまり余計なことを考えずに読めるのが逆に良いのかもしれない。しかし、最近じゃ電車の中で児童書を読むことにもまったく抵抗が無くなってきたな・・・。

  • 砂漠の王国キンダの、心の美しく、民に対しても寛大で品格も優雅さもあり、戦士としてもすぐれていた王子ワリード。詩人でもある王子はウカーズで開催されるコンクールに出たい。王から、この国で一番の詩人だと証明できたら、ウカーズに行ってもよいと。
    そのために、キンダ国でコンクールを開催したが、「アミール・イブン・ハンマード」というみすぼらしい男が優勝してしまう。翌年も、その翌年も。
    プライドを傷つけられた王子は、その男に難題をもうしつける。

    後悔した王子は、その男の作った絨毯を探し求める旅にでる。その先々で出会う不思議な縁。

    どこか物足りない部分があります。星5つにはできない。
    しかし、この絨毯織りの作った詩を、聞きたいですね。

  • 砂漠の王国、キンダの王子ワリードは美しい「詩」を作る才能があった。
     しかしコンクールで優勝すると思われていた王子を破ったのは貧しい絨
     毯織りの男だった。三度連続でその男に敗れた王子は、憎しみにかられ
     その男に難題をもうしつける。人類の歴史をすべて織りこんだ絨毯をつく
     れ、と。それは、成しとげられない命令のはずであった…。

     いや~面白かった~♪
     憎しみのあまり、自分を見失い、結局自分の国も滅ぼしてしまい、流浪
     の旅に出る王子。罪悪感に苛まれた王子は盗まれた絨毯を取り返して
     亡くなった絨毯織りの息子たちに手渡そうとするのだが。
     何度も挫折しながら、ついに目的を叶える・・・。

     そして最後の最後に王子はすばらしい「詩」を作ることが出来たのだけど
     そのとき、「そなたの師はどなたかな?」と聞かれ王子は
     「人生でございます」 と答えるのだ。ちょっとじ~んとしてしまった。
     自分自身との葛藤、絶望、支えてくれる人々、そして人間としての成長
     本当に哲学書を読んでいるようでとても児童書とは思えなかった。
     児童書、恐るべし。やっぱり児童書っていいなあ・・。

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