ペッパー・ルーと死の天使

  • 偕成社
3.18
  • (2)
  • (4)
  • (6)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 47
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035405207

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ペッパー・ルーは、生まれた時に信心深い伯母から「14歳で死ぬ」と
    告げられ、家族は皆それを信じて今まで暮らしてきた。

    14歳の誕生日をむかえたペッパーは、せまり来るであろう死の天使を、
    ただ待っているのが耐えられなくなり、外に出かけた。
    船長で、ちょうど帰港していたペッパーの父親は、ペッパーの死から
    逃げるように酒屋で酔いつぶれていた。
    ペッパーは父親の上着と帽子をとって、父親の乗るはずだった
    ロンブラージュ号にもぐりこみ、自分は船長だと言って船を出航させた。

    死の天使から逃れたのも束の間、荒くれ船員のロシュがペッパーを
    追いかけているうちに船倉に転落し、死んでしまった。
    ペッパーは自分が死ぬはずだったのに、と心を痛めた。

    実はロンブラーシュ号は、保険金目当てに船を沈めるための航海をしていて、
    ペッパーは自分が死ぬ番がとうとう来たと考え、船長として
    船と共に沈むことにした。
    世話係のデュシスと最後まで船に残っていたが、やがて気を失い、
    気付いた時には他の船に乗っていた。

    マルセイユの港で船を降りたペッパーはデモ隊にまぎれ、
    昼食に立ち寄ったデパートの惣菜売り場で、どさくさにまぎれ、
    働くことになった。

    デパートでは問題を起こして逃げ、その後ペッパーは新聞記者見習い、
    農場の手伝い、病院に入院、メッセンジャーボーイと、
    次々に問題を起こしながら居場所を変え、死の天使から逃げ続けたのだった。

    大勢の人から追われながら、死の天使からも逃げながら冒険を続ける
    ペッパーの運命は変えられるのか?

    あっちこっちからからみつく人間関係が面白かった。

  • おばさんの話によれば、ペッパー・ルーは、生まれたときに「14歳までに死ぬ」と予言されていた。死ぬことばかり聞かされて育てられたルーは、14歳の誕生日、父のふりをして船に乗り込み死の天使から逃げ出した。けれども行く先々で災難に見舞われ、人に追われて、逃げても逃げても死の天使の影がつきまとう。ペッパー・ルーは逃げ切れるのか? そもそも本当に市の天使は彼を捕まえようとしているのだろうか…。マコックランらしい波乱万丈ドタバタ大忙しの物語。ペッパー・ルーの純真さが感動を呼ぶのです。

著者プロフィール

1951年生まれのイギリスの作家。『不思議を売る男』で88年にカーネギー賞、89年にガーディアン賞を受賞。2004年に『世界はおわらない』でウィットブレッド賞児童書部門受賞。18年には『世界のはての少年』で二度目のカーネギー賞受賞という快挙を成し遂げた。

「2022年 『世界のはての少年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジェラルディン・マコックランの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×