安房直子コレクション 3

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035409304

感想・レビュー・書評

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  • 代表的な連作短編集。野山に棲むものいう動物たちと人との交流を描く。

    安房直子さんのおはなしは、色彩が鮮やかだ。色に惹かれ、色に興味があるのだなと感じる。おはなしが絵画的だ。
    安房直子さんは作品を書くときは、一枚の絵を視覚化されたものを思い浮かべ、その後からイメージを言葉を使って描き上げてみたいという焦熱が沸いてくるのだそうだ。なるほど。だから情景が鮮やかに立ち上がってくるのだと分かった。
    『きつねの窓』桔梗の青、『空色のいす』白いハンカチの上に集める空の青、紅ばらの赤、『青い花』紫陽花と傘の色。目の前に美しい色の世界が広がる。

  • きつねの夕食会
    最初、読んだ時は、オチは好きだけど、できはどうだろう?

    というような感想でした。
    けっこう、好きなオチではあるけど、電気屋さんがでてきたところあたりから、もう読めていたし…。

    でも、子どもたちの前で声に出して読んでみて、ちょっと、印象がかわりました。

    安房直子さんの作品って、どれぐらいの年齢の読者に向けて書かれているのかわからないところがあるのですが、この作品は、かなり明確に、「子ども」を意識して書かれているような気がしました。

    子どもはねぇ、すごく楽しく聞いていました。

    ねこじゃらしの野原 とうふ屋さんの話
    小さい小さいところにも、丁寧な世界があるんだよというそんな感じの連作です。
    オチといえるオチはないんだけれども、妙に、ふむふむとうなずいてしまうようなお話です。

    山の童話 風のローラースケート
    「ねこじゃらしの野原」は、人物を中心に広がっていく連作でしたが、この「山の童話 風のローラースケート」は、世界が広がっていく感じでつながる連作です。

    安房直子の作品は、わりと1話完結のものしか読んだことがないので、これは、すごく興味深かったです。

    森の優しさ、ふところの深さだけではなくて、森野怖さみたいなものもちゃんと書かれていて、それが、また森の風景を魅力的にしています。

    特に「花びらづくし」は、出だしから、思いがけないラストまで、すごいドキドキしました。

    陰と陽の両方が、しっかりと入っているファンタジーというのは、素晴らしいものです。

  • 動物たちとの、ほのぼのとした接触、かわいい!

  • 1,2巻に引き続き安房さんらしい作品でした。動物達がほんわかしている話が多くて好きです。安房さんの作品を読んでいると、いかに色んな食べ物にワクワクしていたり、グルメな方だったか分かる気がします。

  • 「小さなつづら」が可愛かった。冬の間、のんびり出来るといいね。生き物の夢だよなあ。あったかいとこで美味しいもの食べて、ぬくぬく過ごすのって。人と他の生き物との間って、ほのぼのしてたりちょっと怖かったり、間合いが難しいわ〜(+_+)「すずめのおくりもの」小さいおいなりさん、もらいたいな〜^_^

  • 冒頭の1作品以外は
    お豆腐屋さんの亭主
    お休み処の夫婦を主人公とした連作。

    とっぴょうしもない=子ども向け、という不思議は結末が多かった気がする。(めんこの話とか。。恐い。。)
    短い話が多いので、お子さんがいる家庭は寝る前に1作品ずつ。。。と読み聞かせるのが楽しいかも。

    巻末のエッセイでは、安房さんオススメの作品が色々紹介されていて、そちらの方が気になった。

    きつねの夕食会

    すずめのおくりもの
    ねずみの福引き
    きつね山の赤い花
    星のこおる夜
    ひぐれのラッパ
    ねこじゃらしの野原

    風のローラースケート
    月夜のテーブルかけ
    小さなつづら
    ふろふき大根のゆうべ
    谷間の宿
    花びらづくし
    よもぎが原の風
    てんぐのくれためんこ
    私のファンタジー

    読むことと書くこと
    私の宮沢賢治
    宮口しづえさんの本の魅力
    誰のために

    ≪おすすめ紹介≫
    アンデルセン、グリム、アラビアンナイト
    遠野物語
    宮沢賢治童話集
    世界むかし話集
    三好達治詩集
    斉藤隆介短編童話集(滝平二郎さんコンビの人!!読み返したい。。)
    有吉佐和子
    水上勉
    芝木好子
    三浦哲郎
    宮尾登美子「一弦の琴」「序の舞」
    宮口しづえ「ゲンと不動明王」「山の終バス」「箱火ばちのおじいさん」「胸にともる灯」「木曽の街道端から」

  • 不思議ばなし満載の本です。
    子どものころから動物とお話ができたらどんなにいいだろうって・・・よく思ってました。
    登場する人間、お豆腐屋さんも、峠の茶店の人たちもみんないい人ですね。
    小学生のころに戻ってもう一回読みたいなあ。

  • ●読書録未記入 2009.07
    「すずめのおくりもの」稲荷ずし

  • 安房さんは私の神様です。

  • 「風のローラースケート」「きつねの夕食会」「ねこじゃらしの野原」「すずめのおくりもの」など、ものいう動物たちと人との交流を描いた作品15編と、作品理解の助けになる単行本未収録のエッセイを巻末に収録。

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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