安房直子コレクション 4

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035409403

感想・レビュー・書評

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  • ひょんなことから異界に招かれ、そこで大切なものを得て帰ってくる主人公を描いた作品集。

    『丘の上の小さな家』異界へ、レース編みを習いに行っていた数時間は、じつは40年が過ぎていた。逆に『三日月村の黒猫』では不思議なボタンの技を習得していた長い年月はたったのひと月。
    美に魅せられ異界へ行き、失ったものと得たものの重さを考え切なくなる。異界の手仕事の技の美しさに目を見張る。
    『ハンカチの上の花畑』の菊酒を作る小人たちの描写も、発酵の不思議に惹かれる私の壺にハマった。

  • 今回も良かったです。「ハンカチの上の花畑」が一番面白くて、童話ということも忘れるくらいドラマチックな世界観に夢中になりました。安房さんの短編も好きですが、個人的にはこれくらいの長さのほうがじっくり読めて楽しいです。

  • ほとんどの話はわりとすぐに帰れるのに、なかなか帰れなかったレースの学校。何もかも捨てるつもりで行ったわけでもないだろうになあ。神業の腕になるのと、お母さん上手くらいで留まるのと、選べたならどっち選んだの、かなちゃん?

  • ハンカチの上の花畑
    タイトルから、「知ってる話だ」と思って読んだら、全然、展開が違っていました。
    よく思い出してみると、きっとわたしが思っていたのは、「北風が忘れたハンカチ」だったのだと思います。

    ちょっと、こわい話ですよねぇ。
    でも、あんまり、「欲をかいてはいけません…」とか、「嘘をついてはいけません…」とか、教訓めいた感じではありません。
    奥さんが、小人たちにプレゼントするとなんかも、自分の欲ではなくて、すごく自然な感じです。

    でも、自然の流れとして、そうなってしまうんだなぁ。そういう風にできているんだなぁ。と何となく思ってしまうお話です。

    素敵なマイホームにあこがれる気持ちなんかは、きっと、作者自身も思っていたんだろうなぁと…しみじみしてしまいます。

    ライラック通りの帽子屋
    これは、好きなタイプの話ですねぇ。
    そして、のキレイに行って帰ってきます。

    若い頃のお父さんとお母さんのエピソードが、なんとも、素敵です。

    その気持ちを忘れずにいられるといいのですが……。

    丘の上の小さな家
    なにかを手に入れるためには、なにかを手放さなければならない。
    たとえばこの物語の中では、手放さなければならなかったものは、「時間」。

    でも、どちらの選択がよかったかは、わかりません。
    そして、わたしたちは、今の選択を生きていくしかない。

    それならばやっぱり、今の選択に肯定的でありたいけれど……。

    最後は、オチになってないと思います。
    でも、ちょっとわたしは泣いてしまいました。

    また、安房直子の作品の中で、好きなのが増えた。

    三日月村の黒猫
    今回の本は、「異界」がテーマの話を集めてあるわけですが、職人さんのというテーマも、けっこう大きい気がします。

    童話自体が、職人さんを主人公にすることが多いということもあると思うのですが、人にできないことをやれる職人さんは、どこかに秘密をもっているような気がするのかもしれません。

    これも、「丘の上の小さな家」と同じように、異界にいって技術を習得して、習ってくるお話です。
    そして、そのために、選択する。

    実は、最後のオチは、この物語にとって必要ないのかもしれない。そう思うぐらい読んでいる間、不思議な時間がもてるお話でした。

  • ライラック通りの帽子屋がお勧めになっていました。(書評?)帽子屋の話、面白かったです。昔に書かれたお話だったんですね。

  • 確か小学生くらいの時に頂いた本。どの話も大好きで、思い出すだけでわくわくします。静かにやわらかい

  • どの話もかわいくて、安房さんのファンになった1冊。

  • 安房直子さんのファンタジーってどうしてこんなに素敵なのでしょう!この本には4つのお話が入っています。どのお話も読み終わるとしばらく「ほ〜っ」っとしてしまいます。
    特に「丘の上の小さな家」と「三日月村の黒猫」がとても良かったです。もっともっと、安房さんのお話が読みたいです。

  • ほんの少し、と思いながら踏み入れたその先の世界は、不思議で恐ろしく、妖しい場所。

  • [ 内容 ]
    「ライラック通りの帽子屋」「三日月村の黒猫」ほか、幻の世界を描く長編と中編4編。

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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