安房直子コレクション 5

著者 :
  • 偕成社
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本棚登録 : 98
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035409502

感想・レビュー・書評

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  • 異形のモノと人は本当に愛しあえるのだろうか。それは安房直子のもう一つのテーマだそうだ。境界線でとまどう恋人たちの強熱と悲しみを描いた物語をあつめた中編作品集。

    愛ゆえに自ら異界へ行ってしまう人の、どうしようもない強い想いと憧れ、その切なさが胸に迫ってくる。
    異界で住むことを選んだあと、故郷を忘れることができずに家族を棄てて人間界へ戻ってくるものもいる。異界のモノが愛ゆえに人の姿になり、こちらで暮らすことを選択するものもいる。
    さまざまだが、どの話も美しく切ない。

  • 今回も素敵なお話ばかりでした。動物との恋愛ものという一風変わったお話で、新鮮な感じでした。

  • べにばらホテルに泊まってみたい。お代は人のお金なのかな?熊の火だけが悲しい別れになっちゃったね(/_;)なんか、人が別の世界を拒んじゃう終わりは悲しいなあ。やっぱり男の方が度胸が無いのかしら(´・ω・`)

  • 恋愛ものです。
    そして、見事なほど全部、異類婚のお話です。5話全部。

    このあたりの感性が、わたしを惹きつけるんだろうなぁと思います。
    まあ、もっといろいろな恋人達の作品はあるんだから、わたしと感性があったのは、安房直子さんではなくて、編者の人かも(笑)

    それでは、1話ずつの感想です。

    天の鹿
    鹿と少女のお話です。

    少女の父親は、猟師で鹿撃ちの名人です。

    でも、鹿がこの家の人にもっているのは、不思議と恨みとかそういうのではないんです。ただ、おぼえていてほしい。そんなことを思っているという。

    なんだろう。怖さも、とこかにちょっとあるのですが、それ以上に、自然の持つ懐の深さみたいなものを感じさせられます。

    熊の火
    若者と熊の娘さんの話。
    動物の方が女の子の話もありますが、熊というのはけっこう珍しいかも。

    これは、もう戻れないという感じの強いお話で、ちょっと「きつねの窓」を思い出しました。

    孤独の陰に、ファンタジーがあります。

    あるジャム屋の話
    若者と鹿の娘さん。
    この鹿の娘さんが、絵が上手だという。

    椅子にこしかけている牝鹿ってどんなんだ?どんどん、擬人化が進んでいるようでいて、でも、鹿の形をしているようで…。
    だって、人間にならないといけないんですからねぇ。

    「鹿のまんまで、よかったんだよ。」

    と、この言葉にたどり着くためのお話だったんだと思います。

    鳥にさらわれた娘
    これはなんだか、遠野の昔話を思わせるような話です。

    鳥にさらわれて、逃げ帰った娘。
    でも、鳥の優しさもしっていて、自分から戻っていく。

    まわりから見れば、魔物にかどわかされたように見えますが、本当の幸福は、自分自身にしか見えません。

    べにばホテルのお客
    かわいい話です。

    以下、ネタばれありです。
    http://asobo.littlestar.jp/rin/2005/08/24/%E8%A6%8B%E4%BA%8B%E3%81%AA%E3%81%BB%E3%81%A9%E3%81%AE/

  • [ 内容 ]
    恋をめぐってのファンタジー5編。

    [ 目次 ]


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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「天の鹿」「鳥にさらわれた娘」「べにばらホテルのお客」など、恋をめぐってのファンタジー5編と、作品理解の助けになる単行本未収録のエッセイを巻末に収録。

  • 「天の鹿」と「あるジャム屋の話」は印象深いです。<BR>
    どちらも「私も行って見たい!」とか「私も食べてみたい!」と思わせるくらい、深く想像してしまうほど、ストーリーに引き込まれました。<BR>
    「あるジャム屋の話」は、内容も文章もすごくきれいだなと私は読んでいて感じました。

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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