- Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036101504
作品紹介・あらすじ
図工室をおとずれるふしぎなお客たちに図工の先生がかたってきかせるきみょうなおはなし6話です。小学4年生から。
感想・レビュー・書評
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図工教師のぼくのところには、いろいろな動物や昆虫たちが遊びに来るんだ。だからぼくは彼らに学校の子供たちの話を聞かせるんだ。
指遊びをしていたら体が宙に浮いてしまった『フングリコングリ』、
不思議な呪文で透明人間になり、裸の付き合いでますます絆が深まったクラスのお友達『むぎゅるっぱらぱらぴれふぎゅるっぱん』、
かっくんに膝カックンされたらみんなが笑ってしまう『かっくんのカックン』、
カエルが持っていた壺から願い事が出てくる『壺に願いを』、
クラスでハプニングが起きた瞬間に生徒たちは隣の生徒の気持ちと同化する。少しだけ人の気持ちを考えたら平和になる『フルーツ・バスケット』、
鍵を締め忘れた図書室から登場人物たちが抜け出してしまう『なんの話』
聞いたみんなは「おもしろかった」って言ってくれる。
<ほんとうのことじゃない話をおもしろいと思ったとき、ほんとうのことがそこにうまれるんだ。
おもしろいと思ったら、心ひかれたら、そこに、きみにとって本当のことが生まれるんだよ。P133、P135>
ぼくたちは自分の人生の主役をしながら、周りの人の人生の脇役をしている。それぞれにお話がある。
そんなお話をしてそれを喜んで聞いてもらう、こんな幸せなことがある?
これは面白かったですねえ。。。(←余韻に浸っている)
ファンタジーと現実が自然につながり、豊かな想像力とお話の喜びを感じます。
お話も面白いし、お話をするという楽しみも感じて、笑いながら読み進めました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お・も・し・ろ・い!!!!!
岡田淳さんの本が大好きで、先日も小学校の図書室に入れてほしくて、先生に嘆願してしまいました。
どれを入れてもらうかにも悩み、『ムンジャクンジュ』もいいし、でも『びりっかすの神さま』は外せないし、『光の石の伝説』も面白かったし…と悩みました。
そして今回初めて読んだ『フングリコングリ』…期待に違えず面白かったです。
岡田節が炸裂していて本当によいなぁ。
5・6年生と一緒にフングリコングリをしてみましたが、女の子はすぐに器用にやり始めるのに、男の子の不器用なこと!
早々に諦めて手をお膝に置いてしまう子もいて、可愛らしいやらなさけないやら。あれくらいの年齢では特に、女の子の方が比較的なんでも器用にこなしてしまうものですね。
フングリコングリの話や透明人間の話をして、とってももりあがりました(私が)。
この本は光村の小学5年生の教科書に掲載されているのですが、中学年からでも楽しめると思います。
字も大きめで、イラストもあり、短編が6つ入っているので、本が苦手な子にもおすすめ。
透明人間の話で、先生が子どものために決意するところや、ラストのほっこりする展開が心にグッときました。
最後の話だったと思うけれど、見回りに来た教頭先生のセリフも、とても深くてよいです。
駆け足で読んだので、またゆっくり読んでみたいです。 -
図工室を訪れるふしぎなお客たち。皆お話を聞くのが好き。図工の先生はそんな彼らに学校の不思議なお話をする。
「ねえ、ひま?」という声に戸をあけると、はいってきたのはネコだった。ヒトの気持ちはわからないね。そんな大人びたことを言うネコに先生はヒトがヒトの気持ちをわかっちゃう話を話し始めた。題名は『フルーツ・バスケット』。
ほのぼの面白い。なんていうか、総てにおいて良くできています。フルーツ・バスケットも膝カックンも懐かしい遊びで、大人が読むとノスタルジックな気持ちになります。膝カックンのお話なんて読んだことなかったです。子どもが読むと、知らなかったあそびをやってみようという気持ちになるかもしれない。
先生に会いにくるお客さん、それは虫だったりは虫類だったり。彼らもとっても可愛いです。「でも…。」ってすぐ言っちゃうヤモリがね、可愛いすぎる!ファンタジーとリアル系の境目みたいなお話です。
そしてジワリと沁み込むいい言葉がたくさんあります。岡田淳さんにハズレなしですね。 -
小学校で図工の先生をしている「ぼく」が、図工室を訪れるお客たちに語って聞かせる物語。
「フングリコングリ」「むぎゅるっぱらぴれ、ふぎゅるっぴん」「かっくんのカックン」「壺に願いを」「フルーツ・バスケット」「なんの話」の6話。
岡田さんの作品大好き(´∀`)
『選ばなかった冒険』みたいながっつりファンタジーも良いですが、こういうSF(すこしふしぎ)な話も岡田さんらしいと思う。
1~6年生の子どもたちの奇妙な体験。
指遊びをしていたら体が宙に浮き上がったり、黒板に書いた呪文を唱えて透明人間になったり、膝カックンに特別な力があることを発見したり。どれも素朴なお話。
その素朴さの中に、途方もない夢を感じた。
指遊びとか膝カックンとか、大人になるとそういう遊び自体あまりやらないし、ましてや宙に浮くなんて「ありえない」と切り捨ててしまう。
でも、小さい頃の私にとって、指遊びで宙に浮くことは「もしかしたら起こるかもしれない」ことだったわけで。
単純なものの先に、でっかい可能性があった。
この本を読んでいると、そうした小さい頃の感覚が戻って来て、懐かしいような、目の前が開けたような気持ちになる。
「むぎゅるっぱらぴれ、ふぎゅるっぴん」なんて、タイトル見ただけでうれしくなっちゃう。
透明になった子どもたちが、素っ裸で運動場を走り回る。そして足の裏に触れる土や、体中をなでる風の感触を感じる…。
なんて奔放で、開放的で、自由なんだろうと思った。
時折、ハッとさせられる言葉も出てくる。
昔話の登場人物に「あなたはどんな話のどんな役をしているのか」と訊かれる等。
本書の読者対象は小学生だけれど、私だってこの質問に上手く答えられる自信はない。
(その点、教頭先生の答えは素晴らしい)
「ほんとうのことじゃない話を、おもしろいと思ったとき、ほんとうのことがそこにうまれるんだ。」
「ぼく」がヤモリに言った台詞。この言葉が、本書を一番的確に表しているんじゃないかと思う。 -
おもしろい!
これはいいお話ばかり^^
親指と人差し指を交差してく手遊びフングリコングリで体が浮かんじゃう話が楽しすぎる
これはやってみたい
魔法の呪文で透明人間になる話も超おもしろい
ひざカックンでみんな笑顔になる話もすごいし
遅刻の理由がおもしろすぎる壷に願いをもすごい
心が一瞬入れ替わって友だちの考えがわかるフルーツバスケットもおもしろい
図書室からキャラクターたちが抜け出した話もおもしろい
「自分は自分の人生の主役で、他の人生の脇役もやってる」
なるほど!
おもしろい話ばかりでした。
すごいな〜 -
おもしろい!!
私の膝で泣いてる子どもに「フングリコングリって知ってる?こうやるんだよ!」って教えたら、吹き出した!「泣いてたんじゃなかったん?」「だって、ママがおもしろいことするから・・・!」だって(笑) -
こういう、空想と現実の堺がないような、空想を当然のことのように書く話好き。
ただ、『フルーツバスケット』て話で、いくら麻希のために一回何かしてあげたからって、黙って鉛筆を借りようとする裕一の行動は咎められないんだ、て思った。
麻希の言い方はキツかったけど、黙って鉛筆取られそうになったら、誰だって、何してんの?て思うよね。
そこだけが、この本の中で納得いかなかったな。 -
本当のことじゃない話
でも、聞いた後、心が温かくなる
ぼくは、ぼくの人生の主役をしながら、
周りの人の人生の脇役をしています。