人魚の島で

  • 偕成社
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本棚登録 : 63
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (101ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036310807

作品紹介・あらすじ

ぼくが人魚に会ったのは子どものときだ。浜べでひろった人魚のくしを手に待っていると、人魚はすぐそこまで近づいてきて、ぼくの名を呼んだ。「ダニエル。」島に暮らす孤独な少年は、人魚からもらった古い小さな鍵に守られて、大人になっていく。ニューベリー賞作家がおくる海の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 祖父と暮らす孤独な少年は人魚に出会って手紙を書く。嵐は沢山の命を奪っていくけれど少年には人魚の鍵が有った。少年の孤独は親交を深めた祖父を喪失することで深まる。両親も居ない。屋根裏に彫られたアンナの名前と祖父の遺した写真。人は簡単に死んでしまうけれど死んだらどうなるのだろう。少年の出会った人魚の正体は分からない。でも不思議な存在が一人の子供の心を守ったのだと思うと居てほしいと思う。

  • 孤独な少年が幼い日に出会った人魚は誰だったのか。孤独だと思っていても、事実そうであっても、ほんとはそうじゃないのかもしれない。私の知らないところで見守っていてくれる誰かがいるのかもしれない。そんな風に、実証主義的で自己中心的な自分をふと省みさせられるようなお話。静かできれい。

  • たんたんと、不思議な話が進んでいくのだけれど、妙に心地よいテンポ。翻訳なのだけれど、あまりそれを感じさせないというか。絵もあってます。

  • 静かで素敵なお話。
    人魚にあった男の子がだんだん大人へなっていく。

  • 遠くへ行きたいと夢見ていた子が、
    足元を見る理由。

    私はなぜいつまでも、
    遠くへ遠くへなのだろう。
    近くに何も見つけられないのだろう。

  • ミニ・アニメ名作劇場になってもらいたいお話。
    絵で大きく印象の変わるお話だと思う。ほのぼのした絵は嫌いじゃないです。
    少年が自分の居場所を見つけ,成長していく物語。ほとんど会話文がなく,静かに少年の心情とストーリーが語られる。印象深くホッと心温まる物語。
    表紙や本の作りは一見幼年向けだが,小学校中学年くらいから大人まで楽しめると思う。

  •  小学生の頃読んだものが、転居先の区立図書館で目に付いたので思わず借りてしまった。
     嵐の夜の描写が記憶に残っているままだった。人魚にもらった鍵は少年を島に馴染ませ、少年は島で生きていく決意をする。
     素朴で良いお話だと思う。

  • ここにレビューを書きました。

    http://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/3dcb501ebc9c094f49a810240e59ed4d

  • 小さな島に祖父と暮らすダニエルは、子どもの時海辺で人魚と出会った。人魚にもらった不思議な力を持つ古い鍵に守られて大人になっていくダニエル少年。孤独を通り抜けて人と出会い、20歳になったダニエルは人魚の正体を知ることになります。短いけれど、やさしく心に残る一冊。

  • えーっと、児童書、もしくは絵本、でしょうね。内容を説明するのは野暮なので、カヴァー見返しから。 ぼくが人魚に会ったのは子どものときだ。 浜べでひろった人魚のくしを手に持っていると、 人魚はすぐそこまで近づいてきて、ぼくの名を呼んだ。「ダニエル」。 島に暮らす孤独な少年は、人魚からもらった 古い小さな鍵に守られて、大人になっていく。以上です。他愛ない、といえばいえそうだけれど、「海の物語」として、好きだ。

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著者プロフィール

1954年、アメリカのヴァージニア州に生まれる。
大学卒業後、図書館員などを経て本書を発表し、コールデコット賞オナーを受賞する。絵本、詩、幼年童話、小説などで、幅広く活躍。『メイおばちゃんの庭』(あかね書房)で1992年ボストングローブ・ホーンブック賞、93年ニューベリー賞を受賞。ほかに『ヴァン・ゴッホ・カフェ』〈小石通りのいとこたち〉シリーズ(以上、偕成社)『名前をつけるおばあさん』『ゆき』(以上、新樹社)などがある。

「2012年 『わたしが山おくにすんでいたころ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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