- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036347506
作品紹介・あらすじ
弱肉強食の食物連鎖のうらには、「下りの食物連鎖」ともいうべき「腐食連鎖」が存在し、途切れることのない自然の循環を支えています。その中で大きな役割を担っているのが、ウンコ。だれかのウンコは、かならずだれかの命に役立っているのです。そんなウンコがつくりだす生態系(エコロジー)を「ウンコロジー」と名づけ、その自然の中での役割と大切さに目を向けます。
著者の伊沢正名さんは、なんとノグソ歴45年! 後半では、実際のノグソを掘り返して調査した記録を見ながら、野に放たれたウンコにどんな生きものたちが集まり、そしてどのように自然に還っていくかをわかりやすく紹介。また、日本におけるウンコ処理の歴史についてもおさらいしながら、ウンコを通してわたしたちの未来について考えます。
感想・レビュー・書評
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排泄物を学問にしているなんてという興味から手に取りました。
しかし、すごい!筋金入りの学者魂!
食べて、排せつする、それを他の生物が食べて、、、しかし、呼吸も植物の排せつ(酸素)を私たちが吸っているという、世の中は循環しているのだなーと。
災害時に最も困ることの一つとして排泄があると書かれている。
災害対策の一つとして、ノグソをするということも考えておいてもいいかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元キノコ写真家による、ウンコについての様々な正しい知識とノグソの観察経過
一般的な知識としての食物連鎖は生食連鎖だけであり、腐食連鎖が軽視されている。
ヒトの排泄物は菌類のエサとなって共生社会をつくっていたとは目から鱗である。
食物網という言葉もなるほどと思わされる。
ウンコに対して否定的なイメージが付いているが、それこそが否定されるべきであり、
自然や社会や概念に関する考え方を改めるきっかけとなりそう。
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中身は知ってることが多いのですが、やはり実践されていることと、うんこをここまで観察したことはやはりすごいなぁと思います。循環とか生態系とかを身近に考える最初の一歩に最適だと思います。なんとかし尿も循環させたい…
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私的2020年ベスト5の1冊。
伊沢先生のコケ講演会観察会に、宮崎で参加して以来の師匠です。ニュージーランド -
20200706 図書館で借りた
20200813 予約
20200825 読了
『ウンコロジー入門』を読み終えた。
1974年から始めたノグソ生活。
平成になってからトイレを使ったのは16回という著者。
この人のウンコに対する情熱はすごい!
何しろ野糞をして、そのウンコが分解されて土に還るまでの観察をする。
それだけでは飽き足らず、そのウンコの香りだけでなく『味』まで確かめてしまうのだから!
しかもその感想は、うまみ、コクがある!とまでいうのだから驚き。
怖いもの見たさで、こちらまで『味見』してみたくなってしまう。
生き物は、必要なものを取り込んで、不要なものは自然に返す。
ヒトだけが、自然から取り込めるだけ取り込んで、不要なものさえ返さない生き物だという言葉には『なるほど、そう言われるとその通り』と思った。
ウチにある井沢さんの本を読み返してみよう。