二分間の冒険 (偕成社の創作)

著者 :
  • 偕成社
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本棚登録 : 566
感想 : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036352500

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。
    この本を一気読みできた時間は本当に一瞬だった。
    心地よい陶酔感を味わった。本の醍醐味。

    言葉に無駄がなく、展開は予想を越えてくる。

    時間がテーマの作品で、いきなりけっこう怖い部分が来る。
    掛け算知ってる?のところ、なんだかゾッとしてしまった。
    少ないヒントから冷静に切り崩して、竜との戦いと、ダレカの謎に挑んでいく。
    主人公、悟は賢い。

    岡田淳さんの本は初めて読んだけど、すごく面白かった。他の作品も読んでみたい。

  • 再再読くらい。
    初めて読んだのは、小学校高学年の時。
    親に連れて行ってもらった図書館で借りた時の風景をぼんやりと覚えている。
    表紙の恐竜が不気味で、当時文字数も多く分厚いと思ったけれど、意外とすんなりと読めた。
    薄暗い少しおどろおどろしい不穏な世界の中で物語が進んでゆき、少し怖いと感じていたように思う。
    四年生頃だろうか。

    再読は割と最近。数年前?
    懐かしさと、やっぱり岡田淳さん面白いよなーと思いつつ読んだ、と思うけれどあまり覚えていない。
    そう、詳細をあまり覚えていなかったため今回再再読したわけだが、記憶が曖昧だった故に、黒猫ダレカが言った『いちばん確かなもの』が何か全く分からず、図らずもネタバレなしで最後まで物語を楽しめてしまった。
    そうか、竜が確かなものなのか、な?と思いながら、そうか、かおりかもしれないな?なんて思いながら、最終的には、あ、そうか、それもそうだよな、と提示された答えに納得して終わった。とても単純な読者である。
    単純ではあるが、結局『いちばん確かなもの』はソレでしかありえないよな、と思う。まぁ、ダレカがソレになっている、という点に少々疑問は残るが…。

    岡田さんの設定する世界のルールは少し独特で、今までにもありそうな設定なのに、それでいて全く違うものになっている。児童書だから優しい世界かと思えば、そうでもなくて時々ひどく残酷だったりするところも、あるいは魅力かもしれない。
    どの話も、主人公たちが巻き込まれた不確定な世界の中で、その世界のルールやしきたりを謎解いて行ったり、自分たちなりのルールや考え方を確立していくところが面白い。
    こちらはそれを読みながら、そうか、そうかもしれないなと納得したり、いやでもよくわからないな、と思ったりする。そして自分がこの世界に巻き込まれたら?と想像することは、それこそがファンタジー世界を楽しむ読書の在り方の一つのような気がする。

    今回読んで思ったのは、岡田さんの話の多くは、「仲間との協力が強い」ということを嫌みなくさらりと盛り込んでいるということだ。
    夢の世界でいばらの蔓が伸びまくる話(タイトル…)も、『びりっかすの神さま』も『ムンジャクンジュ』も、そういうことが話の中に入ってくる。
    やはり、小学校の先生をされていたからかな?
    シンプルで、とても大切なことだと思う。

    でも別世界トリップ小説としては、個人的には『光の石の伝説』の方が面白かったかな。

    自分の価値観を自分でしっかり持つということ、常に考えるということ、仲間と協力するということ、そんなことを考えさせられる読書だった。

  • たった二分間で冒険?信じられないかもしれません。でもこれは、六年生の悟に本当におこったこと。体育館をぬけだして、ふしぎな黒ネコに出会った時から、悟の、長い長い二分間の大冒険が始まります。昭和六十年度うつのみやこども賞受賞。小学上級から。(Amazon紹介より)

    何かの映画で「誰しも自分のことが一番わからないんだ」という台詞を耳にし、それが印象に残っています。最近も、自分自身が精神的に追い詰められていることに気づけていませんでした。一番近いけど、一番見えない存在、それが自分自身だと思います。この物語は、そんな自分自身を確かな存在として自覚する物語です。見えなくても、わからなくても、結局のところ自分が生きていく上で中心なのは自分自身です。自分自身が何者か、自分自身は何をしたくて、何をしたくないのか。それを考え自覚することが生きる上で大切なのだと思いました。

  • 6年生の悟は、体育館の会場準備の作業をサボりたくて、落ちていたとげぬきを保健室に届けに行くが、その途中出会った黒猫の「見えないとげ」を抜いてやったために、別の世界へ送られてしまう。

    時計で計れる時間と感じる時間とは違う。実際に経った時間は2分でも、その間に何年分の経験を収め込むことができる話。

    正直言って岡田淳は苦手です。表面的にはおもしろおかしいけれど、メッセージがよくわからないから。
    それでも楽しめたらいいのかも知れませんが、よっぽど楽しめないとなんか損した気がしてしまうのです。

  • 小学生の男の子が別の世界で「たしかなもの」を探す旅。自分、仲間、時間…。結局自分でしかないけど周りに仲間がいてこそ自分が形作られて。思っていたよりもすごく読みやすくてすぐ引き込まれて一気読み。おもしろい。いやあ良質。こういう物語を手渡したい。

  • 初版の1985年にはすでに大人になっていたので、今まで出会うことなく過ぎてきた本。でも本屋の棚で強烈に心惹かれて購入。
    今の私にとって必要な本だったと思う。
    二転三転する展開や、竜、剣、戦い、謎の老人など、ファンタジーの要素が満載で、非常に勉強になる。
    それだけでなく、いつの時代にも通用する、「協力し合う心」とか「自尊心」「自分を大切にする心」を、押し付けがましくない形で読ませてくれる。
    竜の館までの旅や、戦いの様子などは、胸がワクワクするような冒険で、現実の世界へ悟が戻ってきたときには、読んでいる私まで時間を超えたような気がして、めまいがした。
    時計の針が教えてくれる時間だけが時間だけではない。たった二分間でも、遠く深く旅することができるのだ。簡単な答えに満足せず、逃げ出さず、粘り強く思索の森へ入り込むことが成長の一歩でもある。
    竜の出すなぞは、スフィンクスの謎のようだ。

  • 兄が自分の一番好きな本だと言う意味が分かる。
    どんどんページをめくりたくなる、世界観に引き込まれていく。
    子供の時にこの本に出会いたかった。

  • 最後まで結末が想像できずにドキドキが続く物語。読み終わった後、「とにかく読んでみて!!」と激しく勧められました。よほど面白かったみたいです。

  • 今更ながら読みました。。巷に溢れるステレオタイプの異世界トリップしか知らない子どもたちに読ませたい。

  • ファンタジーな展開を期待して読み始めました。結果、面白かったです。岡田センセイ珠玉の一冊。映像化しても十分楽しめそうな気もします。突然の冒険というシチュエーション、今でも憧れます。

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著者プロフィール

岡田淳:1947年、兵庫県生まれ。38年間小学校の図工教師を務め、その間から児童文学作家として、また、絵本、マンガ、翻訳などさまざまな分野でも活躍。『放課後の時間割』で日本児童文学者協会新人賞、『雨やどりはすべり台の下で』で産経児童出版文化賞、『願いのかなうまがり角』(いずれも偕成社)で同賞フジテレビ賞、『扉のむこうの物語』で赤い鳥文学賞、「こそあどの森」シリーズ(ともに理論社)で野間児童文芸賞など、受賞作多数。ほかの作品に『図書館からの冒険』(偕成社)、マンガ『プロフェッサーPの研究室』(17出版)、絵本『ヤマダさんの庭』(BL出版)、エッセイ『図工準備室の窓から』(偕成社)など。

「2021年 『チョコレートのおみやげ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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