あの世からの火 (偕成社の創作―直樹とゆう子の物語)

著者 :
制作 : 司 修 
  • 偕成社
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本棚登録 : 19
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036355006

感想・レビュー・書評

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  • 直樹とゆう子の物語の最終巻。太平洋戦争の終戦時に朝鮮から引き上げてきたみすずさんの体験談を中心とした物語。

    悲惨なことは多々ありますが、それは「人」の問題というより、それを引き起こした「時代」であるとも思えるし、ひいては、それを招いた「国」の問題でもあるように思えます。
    でも、そんな「国」を作ってしまったのは「人」ですから、やはり、一人ひとりの良識と選択が、のちの運命を作っていくのかもしれません。

    今の「選択」が、のちの「国」と「時代」を作る。
    「今」が「戦前」なのです。
    そう思うと、人の選択には重い責任が発生しますね。

    『ふたりのイーダ』からの年月を思うと、直樹の成長ぶりが頼もしく、嬉しい。

  • ゆう子がテープお越しをするという設定で、朝鮮から引き上げてくる女性の体験記を語る。私自身はこういう語り口の時、流行り言葉が使われていると出版されてからの時間の経過を感じるので苦手です。物語は読ませる力があるものだと思います。こういう体験をした人が日本にも他の国にもいることは、子どもも大人も知っていいくべきだと思います。

  • ★あらすじ
    中学3年生になったゆう子は、花姫の山荘の管理人・みすずさんが語ったテープの起こしを、ルポライターの母からアルバイト感覚で請け負う。
    みすずさんは、不思議な体験を数多くしている人なので、ゆう子的にはそっち方面の話を期待してのことだった。
    しかしそのテープに入っていたのは、みすずさんが終戦時に、子供3人を連れて朝鮮から引き揚げて来たときの、過酷な体験談だった。

    ★感想
    大陸からの引き上げのという事実に初めて出会ったのは、藤原てい『流れる星は生きている』を読んだ小学生の頃でした。
    もちろん愕然としました。ホントにもう、読んでてつらくて悲しくてorz
    この本も、ホントつらいんですが『流れる…』よりは幾らかキツくなかったです。
    それはみすずさんの淡々とした語り口のせいもあると思うんですが、大戦中に日本の一般民衆が行った、朝鮮半島の人々に対する罪を、みすずさんがしっかりと認めて受け止めているからじゃないかと思いました。酷いことをしたのは、軍だけじゃないんだよね…
    忘れちゃいけないことだよな、と改めて肝に銘じました。

  • 「直樹とゆう子の物語」。実はまだ読んでいない。

    この作品で完結するという「「直樹とゆう子の物語」は、自分の子どもが大きくなったら絶対読ませたい本である。

  • (2001/8/11(土))

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著者プロフィール

1926年東京生まれ。児童文学作家。戦時中の1943年、童話『とかげのぼうや』を執筆。戦後、坪田譲治に師事し、1951年に『貝になった子供』を出版。1955年、瀬川拓男と結婚後、ともに民話の採訪に取り組み、共著『信濃の民話』『秋田の民話』を皮切りに、民話の採録・再話をつづける。
『龍の子太郎』(国際アンデルセン賞優良賞)、『ちいさいモモちゃん』(野間児童文芸賞)以降のモモちゃんシリーズ、『いないいないばあ』以降の「あかちゃんの本」シリーズや「あかちゃんのわらべうた」シリーズ、『朝鮮の民話』全3巻、『私のアンネ=フランク』(日本児童文学者協会)、『あの世からの火』(小学館文学賞)など著書多数。民話に関する著作に『昔話十二か月』全12巻、『現代民話考』全12巻、『現代の民話』など。

「2014年 『民話の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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