アサギをよぶ声

著者 :
  • 偕成社
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本棚登録 : 185
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036358106

作品紹介・あらすじ

女性でありながら戦士になりたい少女アサギ。彼女の父も勇敢な戦士だった。素直な語り口で一人の少女の成長を描く長編ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 最初からどうしてもこれをやりたいと思って、自分の好きな道を見つける子も、いるだろう。でも、もしかしたらアサギのように、親の反応がその子の方向性を決めていることもあるんじゃないかと思う。
    親がみんな強いわけじゃない。自分自身が誰よりもかわいいと思っている親だっている。
    そこをまっすぐ書いてくれているのも、うれしい。
    自分の出口を自分で必死に模索してあがくアサギに強く共感する。

  • 女のみの家であるため、割り当てが少ないことをいつも母に愚痴られるアサギ。その愚痴をきいているのが嫌で、つい「戦士になりたい」と言ってしまった。戦士になるには、弓で男の子に勝つ必要がある。弓と矢をつくるところから始めるが、なかなかうまくいかず……。
    従来通りでうまくいかないのであればどうすればよいか、そしてうまくいかなかったらどうすればよいか。普通の物語であれば「罰を加える」「あきらめないでがんばる」ところをひねったところが面白かったです。

  • なかなかに少女の成長物語。
    大人の土俵で勝ち上がったのに、大人のごり押しで戦士になれないのが悔しい。
    でも、戦い方を覚えたアサギは、あきらめないと思う。
    おさるが気になる

  • ちょっと期待しすぎたかも。
    当たり前だけど児童書でした。
    いや、これでは本好きな子供には「なんか浅いなあ」と思われてしまうと思う。

  • 自分の道は自分で切り開け!という強いメッセージを感じました。

  • 古代(狩猟の時代から村が形成されてきたころ)の日本、設定でしょうか。

    アサギの村では十二歳になると、女の子は女屋に、男の子は男屋に入る決まりになっていた。
    アサギは母子二人暮らし。村のはずれに住んでいる二人は、昔のある事件をきっかけに、差別されている。
    家に男の子がいないので、配給も少ない。
    アサギは十二歳になるが、女屋に入れるかもわからない。男の子なら、男屋に入って戦士に選ばれるため修行し、戦士になれれば配給も多くなる。
    女の子であるために、母からいつも愚痴を言われているアサギは、
    ある時、掟をやぶってハヤという戦士から弓の指南を受ける事にした。戦士になる試験は弓当てだからだ。
    アサギとハヤの秘密の特訓。
    弓すら持っていないアサギは、それを手に入れるところ、作るところからはじめる。


    アサギの父にまつわる 村の悲しい事件、
    アサギが生きて行くために努力し、また、思わぬアイディアで人生を切り開いてゆこうとする姿がいい。

    ラストは・・・
    このラストは、続きが読みたくなるなる!
    小学校高学年〜

  • イラストが素敵です。

    出口が欲しい。
    心の底からの願い。
    アサギの必死さが、心を打つ。

    が、あの猿は結局なんなのかなあっとちょっと疑問。
    いや、なんかいきなり友達?的な関係になっていたような・・・・。
    怪我したのを助けた、とかゆーならまだしも、ちょっと手当したくらいの
    ような気が・・・・。
    まあ、同じひとりもんどうし心通わせるって感じなのかなあ??

    結局戦士にはなれなかったわけで、ええっ?そーゆー展開なんだ?
    っとちょっとびっくりしたのだが、
    なんだかここからまたなにか始まるような気配。
    外の変化もあるし、アサギがこのまま女屋に行って村の仲間になっていく
    という未来はないような気もする。
    それでもそうなったらそうなったでアサギは強く生きていきそう。

    彼女の父の話は悲しいものだが、
    間違えた理由が「声が聞こえない人だったから」とゆーのが残念。
    腕もあり、いい人でもあったけど、所詮物事を一辺倒からしか見られなかった、ってこと?ちょっと厳しいな。
    でも、大抵の人は声が聞こえないもんじゃないか。

    だからこそ、流される。
    そして、その先に、幸福もあれば、悲劇もある。

  • 村の外れ者として、母と二人で暮らす少女アサギは、自分に冷たい母に見直してもらうため、もっといい暮らしをするため、村の戦士ハヤに弓の稽古をつけてもらい、戦士を目指します。
    女はひとりも戦士になったことのない村で、戦士候補の少年たちを抑えて一位の成績にならなければ戦士になれないと言われ、少年たちと違って弓や矢じりの配給もない中、知恵と努力で弓の腕を上げていくアサギ。
    村人から忌み嫌われる父の謎などを絡めながら、ついに村一番の弓の腕を示し、アサギの努力する姿が母の胸を打つ、という話でした。
    自然の中でひとり知恵を絞って励むアサギの姿は清々しく、単調ではありますが面白い話でした。
    しかし、だからこそ終わり方が腑に落ちません。
    理性ではこういう終わり方もアリだと理解できるのですが、感情で納得ができません。
    これは好みの問題かもしれませんが、この終わり方で読み手を非常に選ぶ作品になってしまっていると思います。
    個人的には読後感が不快に感じるほどでした。
    途中が面白かっただけに、なおのこと失望感が強くなってしまいました。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • アサギの村では十二歳になると男の子は男屋に入り“戦士”になる修行をし、女の子は女屋に入り結婚の準備をする

    「おまえが男だったらよかった」

    母の口ぐせに気がつまったアサギは、勇敢な戦士ハヤに問いかける

    「女は戦士になれないのですか?」

    ハヤに戦士になる手ほどきを受け、厳しい訓練を積むアサギ

    いよいよ戦士になる若者を選ぶ秋祭りの日がやってきた

    《素直な語り口で一人の少女の成長を描く長編ファンタジー》
    『アサギをよぶ声』三部作の第1巻、2013年6月刊

    戦士だった父の秘密、アサギを助ける小猿、アサギに聞こえる声……物語のしかけは続編へ

    『アサギをよぶ声 新たなる旅立ち』2015年9月
    『アサギをよぶ声 そして時は来た』2015年11月

    そして後日譚
    『闇に光る妖魔 アサギのよぶ声』2021年6月

    カバーには決意を内に秘め口を真一文字に結ぶアサギの立ち姿
    スカイエマが力強く描き出すアサギがかっこよくて魅力的

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著者プロフィール

森川 成美
東京都生まれ。「アオダイショウの日々」で第18回小川未明文学賞優秀賞。『マレスケの虹』(小峰書店)で、第43回日本児童文芸家協会賞。そのほかの作品に『さよ 十二歳の刺客』『はなの街オペラ』(ともにくもん出版)、「アサギをよぶ声」シリーズ、『ポーン・ロボット』(以上、偕成社)、『夢の発電って、なんだろう?』『光るマウスが未来をかえる』(以上、講談社)、『てつほうの鳴る浜』(小学館)など。

「2023年 『かわらばん屋の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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