あの庭の扉をあけたとき

著者 : 佐野洋子
  • 偕成社 (2009年4月1日発売)
3.97
  • (8)
  • (15)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
  • 本棚登録 :70
  • レビュー :13
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036430505

あの庭の扉をあけたときの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • やっぱり佐野洋子さんはただものではない。

    一言でいうと、近所のおばあさんと5さいの私の交流。

    でもこのおばあさんというのが、なかなかでして。
    「おばあさん」というと、その言葉がまとう、
    ある種の柔らかみやら甘さのイメージを裏切る、
    とんでもない強情もの、ばさばさとドライ。
    でありながら、瑞々しい感性。

    「私」が垣間みるおばあさんの子どもの頃の峻烈なエピソードは、
    読者の脳裏にも同様に鮮やかなイメージとなって残る。

    5さいの私も可愛らしくなんかなくて、
    父親との会話がなんともいい。

    ラストはちょっと蛇足な気もするが、
    平明な言葉で描かれた深い児童文学。

    装丁、フォントをもうちょっと工夫すれば、
    小学生の手に取る本になると思うと、
    すこし惜しい気がする。

    本に携わる人が丁寧に紹介すると
    子どもに読んでもらえると思う。

  • 直接顔をあわせると、言えないことってあるよね。

    強情というのも、相手によるようです。
    すくなくとも、女の子はおとうさんに対しては強情ではない。

    女の子が強情なのは、おばあさんに対してだけです。
    怖いなんていわない。
    寂しいなんていわない。
    会いたいなんていわない。
    なぜ素直になれないのか。
    女同士だから?

    でも、女の子が一番分かり合えたのも、やはりおばあさん。


    佐野洋子さんの作品の、女性と女性の関係は、年齢に関わらず、一筋縄ではいかないみたい。

  • 「わたしは七十になったけど、七十だけってわけじゃないんだね。生まれてから七十までの年を全部持っているんだよ。」-『あの庭の扉をあけたとき』

    ああ、この話は、無防備に読んではいけません
    何故なら昔をどうしても、思い出してしまうから

    庭があって
    柿の木があって栗の木があって
    柘榴も梅の木もあって
    春は松明で八重桜の毛虫をじりじり燃やして
    秋は枯葉をぼんぼん燃やして焚き火して
    栗を焼いて芋を焼いて
    柿の木のてっぺんまで登ったら町中が見えて
    遠くに消防署のやぐらも見えて
    枝が折れて地面に落ちて息ができなくなって

    近所の家にお風呂をもらいに行ったこと
    上棟式にお菓子を拾いに行ったこと
    夏は雨戸を開けて夜風を入れて寝たこと
    風邪をひいてストーブの上の盥の蒸気を喉にあてたこと
    子犬を拾って育てたこと
    螳螂の卵が孵化したこと

    自転車の練習をした砂利道
    凧を上げに行った高台
    好きな子の家の近くを通るときの自分
    誰もいない家に帰って鍵を明ける自分
    何故だかみんな、白黒写真になって

    忘れたわけではないんだな
    忘れるはずがないんだな

  • 2014 6/15

  • 幼少の思い出話が物語みたいになってるのには弱いのだ

  • やはり佐野さんはちょと変わってる。
    そう思った一冊。
    主人公ようこちゃんは佐野さんのようです。

    お父さんと散歩していると大きなお屋敷の庭におばあさんがいました。
    すごく強情で無愛想なおばあさん。
    ジフテリアにかかり入院したようこが見た夢とおばあさんのむかしが繋がって、ようこは不思議な体験をします。
    悲しかったおばあさんの過去、不思議な体験が気持ち悪くて怖かったようこは
    13歳になってやっとおばあさんに会いに行きます。


    乱暴だなあと笑ってしまう言葉遣いがあるので、大人は心配するかもしれない。

    そしてなんとなく、これは大人が読んだほうがよいような気がする。
    言葉遣い云々とかはさておき、昔子どもだった人のための物語と思う。
    対象は児童だが一般向きだ。

  • きょう借りてきて先ほど読了。佐野洋子さんの読み物ははじめてかな。
    空白の部分の空気感が、すごいなぁと思う。ぎゅぎゅっとつまっているわけではなくて、でもただよっている何かはあって。どうでもいいなかからことばになったものが文になっていて、それはほかのことばでもよかったのかもしれないけど、やっぱりそれでなくてはならなかったんだろうな。ほかのシーンを描いてもよかった。ほかの話題を選んでもよかった。でもこのひとつひとつを選ばなければ、このおはなしにはならなかった。
    一貫した強情っぷりと、突き抜けた爽やかさをともに感じる。

  • おばあさんと女の子の不思議な話。
    おばあさんの70歳になったけど私は70歳だけでなくてその時々の私をもっているという台詞がとても印象的でした。そう考えると年をとるのも悪くないなって思いました。

  • わたしは、70になったけれど、70だけってわけじゃないんだね。

    70までの全部の歳をもっているんだ。


    歳を重ねるって、、変わり続けるというよりも、そういう色んな

    自分を抱えているということだよなぁ、、はっとしました。

    すっと異世界に連れて行かれているのに、既視感のようなものが

    あって、臨場感のある描写。佐野さんの本は読み終わっても

    何かが心に残っていくなぁと思います

  • 傑作!

全13件中 1 - 10件を表示

あの庭の扉をあけたときのその他の作品

佐野洋子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マージェリィ・W...
湯本 香樹実
佐野 洋子
柏葉 幸子
にしまき かやこ
ばーじにあ・りー...
アクセル ハッケ
エルヴェ・テュレ
酒井 駒子
瀬尾 まいこ
トミー=アンゲラ...
ヨシタケシンスケ
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印

あの庭の扉をあけたときはこんな本です

ツイートする