アルフレートの時計台

  • 偕成社 (2011年4月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (154ページ) / ISBN・EAN: 9784036430802

みんなの感想まとめ

不思議で切ない物語が展開される中、主人公はかつての街や友人との再会を通じて、心の奥深くにある思い出と向き合います。時空を超えたファンタジーの要素が、まるで夢の中のように淡々とした時間を作り出し、読者は...

感想・レビュー・書評

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  • 静かな優しい描写。
    舞台となる町の様子が目に浮かぶようだった。
    不思議な時計台の中で、時空を超え二人が出会う。
    この二人とは……(内緒)
    何が起こったんだろう?待てよ待てよ…と頭を整理する必要があった。

    二人は賢い。
    お互い相手が誰か気づいても口にしない。
    いざ時計台を出る時の覚悟はどうだったのだろうか。
    きっと本当の永遠の別れで、もう二度と会えないと分かっているのだから。それとも後で気づくのか。

    別れという運命は決まったものであり、それに向かって突き進むしかないのか。
    時計台の中でのように時を止めることってできないものなのだろうか…。
    後から切なさや悲しみがじわじわと来た。

    ー4/25再読にて追記ー
    時空を超えた、変わらない永遠の友情も確認できた。なんて優しく切ないのだろう。
    本当は、もっともっと深いところまで気持ちを揺さぶられたかった。こう思ってしまったのは、本書が児童文学だからだろうか。
    子ども時代に読んでいたら、私はどう感じただろう。その頃に出会いたかった本。

    その他
    表紙、目次のデザイン、挿絵も物語の雰囲気が出ていて、しかもオシャレでとても良い☆
    児童書が楽しいのは、挿絵もあるからかなと思っている。

  • ドイツ文学者である斉藤洋のど真ん中という作品。
    イェーデシュタット三部作の第二だが、単独でも十分読める。
    第1作の人形劇もよかったけれど、今回の作品はさらに自分の好みに合っていた。
    児童書ではあるが、大人読者にはよりグッとくると思う。

    淡々とサラサラ流れる文体に、時間と街と邂逅を見事に散りばめて琥珀のように美しい小品の中に留めている。
    作者の手腕がここに凝縮されている。

    たまたま小学生の息子と同じ作者の『風力鉄道に乗って』を再読している最中にこの本を読んだが、あの斉藤洋が、風力鉄道をはじめとする大半の作品にはある、シュールなユーモアをいっさい排除してこの本を書いているんだよなあと、改めて驚かされた。


    三部作は同じ街を舞台にしており、登場人物も一部は共通らしい。
    本書の最初に一部作目の主人公が出てきたので、本書の最後に出てきた女性が三部作目に登場するということかな。

    作者はホフマンの研究をしているときいたが、ホフマン未読の私には、同じ独文でシュトルムの小説を思い出した。
    独文の良いところを日本語で表すとこうなるのかな。
    この懐かしさ、優しさ、シンプルな言葉と、素朴な日常で織られた作品を母国語で味わえる幸せを思う。

    アルフレートは頭がいいけど、独善的で子供っぽいところもある。
    萩尾望都タッチで顔がイメージされてしまう。
    ちらっと出てきた現代の小児科の患者の男の子は伏線だったのかな。
    再読したらさらにいろんな仕掛けがありそうな一冊で、これ自体もカラクリ時計のようだ。

  • 2026.6.10市立図書館
    「ドローセルマイアーの人形劇場」に続くイェーデシュタット三部作の2作目。ふしぎで切ない物語だった。時空を超えたファンタジーで、「トムは真夜中の庭で」をちょっと思い出す。

    物語の序盤で主人公がドローセルマイアーの人形劇場に出会い(再会し)エルンストと話をする。一人前になったエルンストも興行でこの街に戻ってきているのだなと勝手に感無量になる。
    主人公がそのあとで自分がもと住んでいた地域を訪ねていこうと思いたったのは、そして思いもよらぬ不思議な再会が実現したのは人形劇場効果なのかもしれないな・・・

    「きょう幼稚園をずる休みした子は、一生後悔することになる。ドローセルマイアーの人形劇を見なけりゃ、だれもおとなになれない」と口上するドローセルマイアーの人形劇場に私もいつか出会ってみたいとけっこう本気で願う。

  • 2011/10/21読了
    2024/12/03再読

    久しぶりすぎてぼんやり面白かった記憶しか残っていないまま再読。
    久しぶりに帰ってきた街で、かつての友人とかつてのままの姿で再会する物語。
    不思議で淡々とした時間が流れる中で、ゆっくり自身と向き合っていく様子が好きです。

  • 子どもの時の忘れられない思い出。
    親友、それ以後それほど親しい友達はいないというのも…
    なんだか、とてもあったかい。

  • 原点なので。
    これを読んでから読書も面白いなと感じた。
    思い出補正もあるかもだけど

  • 故郷に帰ってきた小児科医のクラウスは、時計台がある広場で不思議な体験をする。時を超えて再び出会えた友だちとの交流は少し切なく、それでいて心が温まる感じもあって、最後にはちょびっと驚きも。
    ドイツの架空の町イェーデシュタットを舞台にした作品の2作目で、1作目『ドローセルマイアーの人形劇』のエルンストが出てくるのも良かったです!

  • うわ。なんかジンワリ来るわ~。


  • 児童書だけれど大人も楽しめるし、読んだあとほっこりする本。

    児童書ってけっこう面白い。
    自分が小学生くらいのときにこの本を読んでたらどんなことを感じたのかな。

    どうやらシリーズらしくて、この本の前に『ドローセルマイアーの人形劇場』という本があるらしい。
    でも、この前作を知らずにこの本を読んだが十分に楽しめる内容だった。

  • アルフレートそんな法則までちゃんと見抜いて聡いなぁ。
    しかしクラウス切ないやん。

  • 少年時代を過ごした町に戻ってきたクラウス。親友との思い出の時計台。そこで起こった不思議な出来事。
    静かな語り口で紡がれるため、不思議な出来事が自然と心に沁み込む。感情を高めずに感情豊かに書かれる親友への想い。
    美しい物語に出逢いました。

  • その時計台にはいくつものうわさがあった。入リ口の扉から入る人はいても、そこから出る人を見ることはない。深夜三時にひとりでくると、池のペガサス像が翼をはばたかせる。時計台の先端に白フクロウがとまっているのを見た者は…時をこえた少年の日の友情を描いた幻想譚。

  • 小児科医となり、少年時代をすごした町にもどってきたクラウス。昔住んでいたところを見に行き、古びた時計台の中に偶然入ったクラウスは、時計台の秘密に気づく。次に時計台に入ったとき、クラウスは親友だった子どものころのアルフレートに再会する。 
    *アルフレートの覚悟が潔い。そして生き方を変えるほどの友情に胸が熱くなる。

  •  読み始めた時に子供向けのファンタジーかと思ったが、そのうちかなり難解であることに気づいた。さまざまな仕掛けは、何度か読まないと頭に入らない。
     中盤まで、退屈な時間が過ぎていく。しかし終盤が怒涛の展開で、涙がこみあげてきてしまった。あの時間は無駄ではない。すべてこの終盤を築くために欠かすことのできない数々の出来事の積み重ねであった。
     多くを説明していないが、少年たちの心のつながりを強く感じた作品だった。

  • 子ども時代をすごした町に二十数年ぶりに戻ってきたクラウス
    開かなかった広場の時計台の扉が2センチほど開いているのに気づく
    中に入って見たものは、出会った人は、知ったひみつは...

    『ドローセルマイアーの人形劇場』(あかね書房)からはじまった
    “邂逅の町”イェーデシュタットをめぐる物語の2作目

    新刊の第3作『オイレ夫人の深夜画廊』出版を機に前作をどうぞ

  • それは一時の邂逅。
    時は止まっているから、それがどのぐらいの時間であったかなんてことは意味がない。一瞬の永遠。
    それは夢のような、胸が締め付けられるような、なにものにも代えられない時間だっただろう。
    お互いにとって。

    会いたい、でももう会えない人。
    会いたい、でももう会えない人。

  • 児童文学なのかな?
    内容をまったく知らずに古本屋で買ってきた本

    ちょっと切ない話でした
    いや・・・悲しい以外の感情があまり沸かなかった
    クラウスが今現在、「人生なんて生きる価値ナイ!」って
    なげやりになっているなら
    友達からの手紙で「もっと大切に生きよう!」ってなるなら
    そうかそういう話なのかと思うけど
    そこはこっちの勝手な思い込みでそういう設定にしていいものか・・・

    クラウスは仕事も一生懸命で向上心もあって
    周りの人ともうまくやっているように見える
    友達のことも忘れていない彼に
    手紙が必要だったのかなー?とオモウ

    なのでアルフレートがかわいそうだなぁと
    悲しい気持ちばかりが沸きました

    大人になって鈍感になっているのかなぁ
    星は3つ

  • 大人が読んでもじんわりくる作品。

  • 小児科医として、かつて住んでいた街を訪れた主人公。今は亡き、幼い頃の友人と噂をしていた不思議な時計台にたどり着き、中へ入ってみたところ…。

    多分私が作者に期待するところと、作者の書かんとしているところが違うんでしょうね。心震えないってのはそういうことだろう。児童書にしては結構大人っぽいかも。6年生~中学生向け?

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著者プロフィール

1952年、東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。1986年、『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞受賞、同作でデビュー。1988年、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞受賞。2013年、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞受賞。「どうわがいっぱい」シリーズの作品に、「もぐら」シリーズ、「ペンギン」シリーズなどがある。

「2022年 『がっこうのおばけずかん シールブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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