- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036490202
感想・レビュー・書評
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紹介されていた本。
以下ネタバレ含みます。
小学生五年生の沙良、葵衣、一つ歳上の莉桜、美宙が「巴旦杏」というガールズバンドを結成する所からお話は始まります。
(小学生で巴旦杏という言葉のチョイスよ、と軽くツッコミましたが)
沙良が初めてドラムに触れる序盤、なかなか良いなーとほんわかして読んでいたのですが。
51ページ目にして。
「首都が北海道に移転して、関東はめっきり人口が少なくなった。」という文面に唸る。
『バンドガール』には、大地震と火山の噴火による、原発事故という重いテーマを抱えていることが、そこで明かされるのでした。
関東にいても、好きな夢を思い描くことは出来ない。北海道ならば、叶うかもしれないけれど、抽選の倍率が高く、当たる保証はない。
バンドの成長物語がメインであるならば、そこまでの設定をする必要があったのだろうか、と思う所もあるのですが。
この大災害の中で、反対されて消えてしまった、歌えなくなってしまった歌を復活させようという想いには繋がるのかな、と。
学校同士で行事をしなければならないほど、子どもたちが減った社会。
オーケストラを生で見たことがない社会で。
それでもまた、人は文化を生み出していく。
一見、お話は軽やかに進んいくのですけど。
彼女たちが背負っているものを考えるほど、なかなか、深い内容だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バンドの活動を通して自分に自信のなかった少女が成長する王道の物語。
そこに「あったかもしれない未来」の設定で社会性を帯びさせるのは、いかにも濱野作品ぽくそこも魅力。
音楽活動の楽しさ、反発する友情、深まる友情、淡い恋心?と面白さ満載な1冊。 -
突然首都が北海道に移っていたり、あれあれ?っていうことがちょいちょい。
小学生がバンド活動を頑張っている様子はなかなか面白い。音楽をやっている人なら気持ちが分かることが多いんじゃないかな。