ぼくのまつり縫い 手芸男子は好きっていえない (偕成社ノベルフリーク)
- 偕成社 (2019年10月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036491209
作品紹介・あらすじ
「おねがいしますっ!」
針を持ってた手をひしとつかまれ、「ひぃ」って小さな悲鳴がのどからもれた。
「助けてください!」
ケガでサッカー部の練習を休んでいた針宮優人は、
クラスメイトの糸井さんによって、強引に被服部の助っ人にされてしまう。
被服部にいたのは、空気を読まない糸井さん、明るく大胆なマスミン先パイ、男子は断固拒否(!)なサンカク先パイの3人だった。
じつは、裁縫が大好きで、得意だったことを見破られた優人は、文化発表会用のドレス作りにまきこまれていく。
ケガを心配して、復帰を待ってくれているサッカー仲間のカイトにはいいだせないまま、被服室に通ううち、優人は、手芸が大好きなのに、一方でそれをはずかしいと思う自分の気持ちにむきあっていく。
ほんとうに好きなことに正直になりたい、手芸男子ストーリー!
感想・レビュー・書評
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自分らしくいるって大事なことだと思いました。
主人公は裁縫が大好きな針宮優人。優人は裁縫が好きですが、裁縫が好きなことをからかわれてからこのことは秘密にしていました。中学校でも周りに合わせてサッカー部に所属していました。ですが、怪我をしてしまい部活をしばらく休むことになったときに被服部の糸井さんに声をかけられて被服部のお手伝いをすることに!?
やっぱり、自分らしくいられる場所が一番大切だと思いました。素を隠したままだと楽しくないし、話すのが苦痛になってしまうこともあると思います。私も素の自分を出せないときが割とあります。ですが、この本はそんな私に「素を出していいんだよ」と語りかけてくれました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前から気になっていたシリーズもの。続きも読んでみたいと思う。高学年から読めます。主人公は手芸が好きな男子中学生。
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保育園の時に好きな色についてからかわれて以来、
男の子は「これ」、女の子は「これ」という周りからの同調圧力に日々悩む中1男子。
本人は裁縫大好きなのだけど、うまく周りに打ち明けられることができるのか⁈
王道であるが、こういう物語は大好物(笑)
このシリーズ、読むの決定! -
LGBTの知識は広まりつつあるとはいえ、
心と身体の性が一致していることが前提で
「男だけど可愛いものが好き」
「女だけどスカートを履きたくない」みたいな、
選択の自由みたいなものは、まだまだだなあと思う。
この作品は被服部に入る手芸とフリルが好きな男の子のお話。お話としては分かりやすく、主人公が最後に「手芸が好き、可愛いものが好き」と胸を張って言えるようになるまでのお話だけど、いまひとつ物足りなかったかも。
同じ部類としては「キャンドル」が鮮烈すぎたからなあ。
ただ、ヤングアダルトでこの作品を作ってくれたことに意義がある。小中学生のほうが、「ほかのひとと違う」ことに厳しいときがあるよね。
ソフトカバーで読みやすく作ってあるのもポイント。 -
中学1年生の針宮優人はかわいいものが大好きで趣味は手芸。でもそれは誰にも言えない秘密です。中学校に入ってはじめてできた友だちカイトに合わせて、あまり得意ではないサッカー部に入部しますが、自分の不注意でけがをしてしまいます。ケガで部活ができない状況の中、優人がこっそり裁縫する姿を偶然見かけて声をかけてきたのがクラスメイトで被服部の糸井さん。糸井さんの勢いに負け、被服部のドレス作りを手伝うことにした優人でしたが…。人目ばかりを気にしていた優人が本当の自分を見つけるまでを描いた物語。
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中1の針宮くんが主人公の物語。最初は周りを気にして自分を出せずにいた優柔不断な裁縫男子が、だんだんと自分の思いを出して中学校生活を送っていく。
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読書感想文にピッタリ
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主人公は中学1年生の男の子。針宮くん。
友達と一緒にサッカー部に入部して、しっくりこないけど「ぼく」から「おれ」に呼び方をかえて……でも、本当にしたい、好きなことは他にあって。
自分の好きを大切にするのはとても難しい。
でも、チクチクと作業している姿とこうしたらもっと可愛いって手芸のこと考えている時の針宮くん。本当に素敵なんだけどなぁ。
針宮くんと同じ悩みを持っている人も手芸が好きな人も楽しめる本だと思います。私もわくわくに感化されて裁縫セットを探しに押し入れを漁っているところです。まずは、針宮くんが作っていた巾着から!(巻末に作り方が掲載されています!)
シリーズもので現在3巻まで出版されているので、続きを読むのが楽しみです。 -
子どもの中にある決めつけ。「男のくせに」「女のくせに」…その他もろもろ。
遠慮なんかない、そのまま口に出す子どもの一言が心を深くえぐる。
でも、その言葉を作り出したのは多分大人。
大人の中にある決めつけが、そのまま子どもの口を借りて飛び出して、同じ子どもの心を刺す。
大人はその思い込みを植え付けた意識すらなかったりして。