- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036500208
感想・レビュー・書評
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「人間に訓練された犬が棄てられ、野性をよみがえらせていく姿を描いた「王者の座」の他「丘の野犬」「消えた野犬」からなる連作集。」
「椋鳩十の本は、私にとってはただの文学作品ではなく、動物についての知識や接し方を学ぶマニュアル本のような存在だった。時は流れ、私自身が漁師となり、そして、子どもを育てる年齢になって思ったのは、児童文学の中では漁師は悪者とおして描かれることが多い、ということである。動物が主人公になると、どうしてもその命を狙う漁師は悪者になる。ー椋鳩十の作品の場合は、全然違っている。人間と動物が対等に描かれ、時にはそこに友情のようなものも芽生えるが、不必要な擬人化はされていない。また、動物を殺す立場の漁師よりも直接手を下さない村人の方が野生動物を嫌うという構図もしばしば登場する。ー狩人というものは、まことにふしぎな心を持っているのである。仮の獲物が、強く、りこうで、狩人を悩ませば、悩ませるほど、自分も知恵をはたらかせて、相手をしとめてやろうと、一生懸命になれるが、決して相手をにくんでいるのではない。心の中では、その相手を「えらいやつだ。」と尊敬しているのだ。」千松信也 (『10歳までに読んだ本』)より詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今や書店に並んでいない椋鳩十の作品の中で一番好き。収録3話とも切ない。子どものために買ったが果たして読んでくれるかどうか。
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ほんと懐かしい~!!
私は読書の喜びって分からない子どもだったんですが
小学3年か4年の時に、この本を何となく読んだところ
もう泣いて泣いて
これが本を読んで感動するってことなんだと初めて知りました。
そんな感じで、絶対に忘れられない本なのです。