コンチキ号漂流記 (偕成社文庫 (3010))

制作 : 神宮 輝夫 
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レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036501007

感想・レビュー・書評

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  • ポリネシア人が南米から筏で渡ってきた、と考えたノルウェーの学者ハイエルダールが実際に太平洋を筏のコンチキ号で渡り記した冒険記です。
    本書は児童書のため簡単な漢字と言い回しが使われていますが、内容は原書と同じものです。
    ポリネシア人の先祖は鉄器はなくとも優れた文明人で、イースター島の石像を作る石工術や、筏やカヌーを使用した航海術を既に獲得していました。
    残念ながら著者の学説は証明されてはいませんが、ヨーロッパ人が大航海時代を迎えるよりも大昔にポリネシア人は壮大な冒険をして、更に島々への移住に成功していたのかもしれないのです。
    著者が感じたその感動を、読了した後に感じることができた一冊。

  • 子供の頃は、冒険ノンフィクションって男の子向きという感じで読んでいなかったのを、何十年ぶりにこんなのあったなと思い出して読んでみた。
    ポリネシアンのルーツについては、現在ハイエルダールの説は否定されているらしいので、学術的な価値はあまりないのかもしれないが、まだ大きな謎がたくさんあって、それを解明しようと(現在の目で見ればかなり無謀な)冒険の旅に出るという当時のヨーロッパの知的階級の意気込みが伝わってくる。今はこんな旅、できないものね。
     人とのふれあいより、海の生き物の描写が楽しい。クジラが息をしている音を聞いて、彼らも確かに我々と同じ哺乳類なんだと実感したり、サメをからかって遊んだり。
    夏休み、頭のぼんやりした時読むと夢見心地になれてよさそう。
    今どきの子供が夢中になるかどうかはわからないが。

  • まだ読んでいなかった名作。と言いますか、タイトルの響きから海をいかだで漂う珍道中だと思っていたのですが、全く違う内容でした。
    太平洋ポリネシアの島々と南米の文明の共通点から、古代南米から海を渡ってポリネシアに移住した人々がいたのではないかという学説を立てたハイエルダールが自ら実際にいかだで太平洋を渡った時の記録。子ども向けの内容ということでかなり簡略化されてはいますが、疑問があり証拠を集めそれを実証しようとする科学者の目の流れが書かれているのが素敵です。それがあるからこそただの冒険譚に終わらない広がりを感じます。ここを起点に興味を持ったことを調べていくという科学の芽があります。
    そしてなにより読み物としての面白さ。次から次へとやってくる障壁。それを越える時の爽快さ。まだ見ぬ世界へと繰り出す楽しさ。科学の面白さと冒険の面白さが両立しているからこそ名作として打ち立てられているのでしょう。

  • 読書会

  •  本当に素晴らしい冒険記ですよね。実話でありながら冒険ものに必要な展開がすっかり詰まっています。足りないのはヒロインぐらいなもんです(笑)。僕が特に気に入ったのは、島への到着がすんなりいかず危機的なクライマックスを迎えたところです。これがあったからこそ、その後の休息とか歓待とかが一層暖かく楽園的に感じられました。
     本書が書かれてから年月が経って、その間に絶滅してしまった生き物もたくさんいることは残念ながら間違いないわけですが、書かれているような不思議な生物が海にまだいて、人間にとっていつまでも謎なままであったらいいのにとつくづく思いました。
     この本はこどもたちにノンフィクションの楽しさ、貴重さを十分教えてくれました。げらげらと笑わされるようなおかしさがあるわけでも、妖怪との戦闘があるわけでもないけれど、それでも「面白い」んだ、ということ自体が小2息子にとっては不思議だったようで、「面白くなかったけれど面白かった」と感想を表現していました。小4娘は生意気にも「運が良かったから着いただけで、いかだで太平洋横断が(常に)できると証明できたわけじゃないよね」とのコメント。おまえはいつからノリの悪いレビューワーみたいになったんだ? でもそれなりに科学の心を刺激したということでしょう、きっと。

  • なかなか面白い。
    ひきこまれ、次々と読んでしまった。

    戦争の影響もチラチラあって興味深い。
    (戦争中、活躍していた男たちが、今は暇そうだから声をかけてみて、コンチキ号の仲間になった、、戦中の通信方法を試してみる、など)

    感想。
    無線、万歳。
    こればかりは、古代の人々にはないものだった。

    カニのヨハンネス、いかだから吹き飛ばされて消えたオウムなど、脇の人物?たちも面白い。
    さんざん出てくるシイラってどんな魚?と調べてみたり、こちらも一緒に冒険気分を味わった。

    全て読んで感動したところで、ウィキペディアをみて情報補完しようと思ったところ、

    ええーー??
    ハイエルダールの説(ペルーからイカダで古代人がポリネシアにやってきた)は現在は否定されてる、とのこと。

    じゃあ、あの六人の行動は一体なんなんだ。。。

    ちょっとショックでした。

    でも本はすごく面白かったですよ。

  • 小学校高学年からごうごう冒険もの!!

    ポリネシアと南米。

    ポリネシアは太平洋のほかの島と人種が違うんじゃないかな。
    言葉がなんか似ているぞ。
    学問は、そんな素朴な疑問からはじまる。
    そして学問は時に、命がけの実証を伴う。
    証明できるか、南米からポリネシア---小さないかだで横断は、できるのか。

    漂ういかだの上の彼らと旅をしながら、読者は時折振り返らねばならない。
    彼らは「学者」だ。タフで、底抜けに明るくて、周到で、社交的で、しなやかで行動力のある。

    ううう、勉強するってかっこいい。

  • 南太平洋のポリネシアの人たちは、南米からきたのではないかと考えたノルウェーの学者ハイエルダールが、五人のなかまと一緒に、南米のペルーから南太平洋の島まで、大昔の南米インディアンが持っていたいかだと同じもので航海したときの記録。ハイエルダールの無謀ともいえる冒険にはきっと、バイキングの血が影響しているに違いない。

  • 第二次大戦直後に、ノルウェーの人類学者ハイエルダールがポリネシアに浮かぶ島々の人々が南米から来たという自説を証明する為に、仲間6人とともに、いかだで、南米ペルーからポリネシアまで航海した時の話。

    ワクワク、一緒に行きたくなった。
    特にいかだに近寄ってくる海の生物の描写が本当に面白く、陸で生活しているだけじゃあ、とても想像できな光景を沢山見たのがよく想像できた。
    それに、食べるものに全然困らない感じがとても行ってみたい気持ちにさせた。毎日いかだに飛び込んでくる魚たち。
    でも、石油を積み込んでるからあったかいものが食べれるのであって本当に漂流しちゃったら毎日刺身になっちゃうな。

    Googleマップもあるし、ストリートビューもあるし、インターネットがあれば行かなくても行ったみたいに色々なことがわかるけど、海はまだまだ今だって聖域だ!

    太平洋航海といえば、ナイノア・トンプソン
    民族移動といえば、アリューシャン列島を渡ったインディアンたち

    は~、大好きな世界だな~。

  • 弟の本棚に入っていたのですが、かわいい表紙と漂流ものの懐かしさにひかれてその場で拉致→コタツまで連行。
    内容はとっても軽い文体で、随所に気の利いたジョークと、海上の生活や魚達の興味をそそるような記述が挟まれています。そのおかげでイカダ上という舞台が変わらないのにすごく生活が生き生きとしている。ところでそういう描写の裏側には、著者含む船員達の豊かな感性と、並々ならぬDIY精神があるわけで、正直自分がイカダ生活を送ることになったらこんなにハッピーじゃいられないだろうなぁと思う。
    ただ、この人たちは好きでやってるし、ちゃんと目的もあるんだから正直漂流ではないような気がしたりしなかったり。原題もkontiki-expeditionだし。
    まぁ漂流ものに通じるDIY精神という点では漂流ものより漂流してますね。
    ボートの木材とりにアンデス越えるとかあんたディスカバリーチャンネルからオファー来ますよ。
    とにかく、面白かったことは確かです。この本は縮小版なのかな?
    これで充分厚みがあって満足できたけど、機会があれば正規のほうも読んで見たいです。

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