ニルスのふしぎな旅〈1〉[全訳版] (偕成社文庫)

制作 : 香川 鉄蔵  香川 節 
  • 偕成社
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本棚登録 : 139
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036510306

感想・レビュー・書評

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  • マイ・ベスト渡り鳥もの(笑)。子どもの頃、アニメ版が放映されていてその美しさにすっかりやられ、放映が終わった後に自分の知っている書店という書店を回って買った本です。これはその第1巻。

    家の守り神の小人にいたずらしたことがもとで、小人にされてしまった少年、ニルス・ホルゲルソン。どうやればもとに戻れるかもわからないうえに、家の周りの動物たちに嫌われていたことがわかって仕返しされる、される(笑)。フシギな力を授かって小人になったというのとはちょっと違う(ある能力は授かっているのですが)導入が新鮮でした。

    それに、相方となる白いガチョウのモルテン。彼は旅に出るガンの群れに「連れて行ってください!」と頼んだところ、断られたうえにバカにされ、「なにくそ!」と一緒についていく…なんと根性のあるガチョウさんだ!ちょっと「ピーターラビット」に出てくる「あひるのジマイマ」みたいだな、と思います。

    この1人と1羽がガンの群れについて行き、スウェーデン南部のスコーネ地方から極北の地、ラップランドまで旅をします。第1巻はスコーネからゴットランド島まで。章ごとに日付も入っており、日誌のようなつくりで物語は進みます。それに、各章ごとに人間のくらしや、そこに暮らす生き物たちの営みが描かれてとてもきれいです。

    この巻では、14章の「2つの都」がファンタジックでもあり、切なくもあるので好きです。この作品はかなり前に「世界で一番退屈な物語は?」というランキングの上位にランクされたことがある、と何かで知ったのですが、とんでもない!私はこの本から「自分が行きそうにないであろう世界を旅できることのわくわく感」をもらったので、この調査をやったヤツにパンチ(おともだちパンチではない)をお見舞いしたい(笑)、そんな1冊です。

  • だんだんスウェーデンを思い浮かべながら読めるようになる
    一巻はまだ南の方。

    動物たちとのやりとりも楽しい

  • 子どもの頃、大好きだった本!

  • NHKで放映したアニメの原作。
    ニルス・モルデン・アッカのスウェーデンを旅する物語。
    旅や仲間たちの交流を通して成長していくニルス。
    ラストが良い。

  • ※図書館に蔵書あり

  • 何年も前から読みたかった作品。

    鳥はどのような気持ちで空を飛ぶのだろう、と想い馳せるようになる。

    普段の生活を送るだけでは、白鳥の美しさかキツネの目の鋭さが、みずみずしさを持って感じられないんだなぁと思ってしまう。

    蝶の亡骸から出来た島
    海辺に現れた夢の街
    家族を愛した孤独なおばあさんと雌牛
    お坊さんと馬が見た、雪山のてっぺんの集会
    弟のお葬式をあげる姉
    ガンは風を飲む
    アッカの金貨のプレゼント
    言葉なしの別れ

    ‥などなど、いくつもの話が平行しつつ、ときには絡み合いながら一つの物語を織り成している。
    児童文学でありながら、スウェーデンの風土や歴史、民話を包括し、こんな壮大な物語へと完成させた作者の方に脱帽。

    解説を読んで、依頼があって書かれた作品だと知り、なおその想いが強くなりました。努力と根気、なにより熱意がなければ書き上げられなかったでしょう。

    日本にもこのような作品があればいいのに‥と思うばかり。

    子どもだけでなく、大人にもぜひ読んでもらいたい児童文学です。

    ちなみに途中までガンのアッカが雌だと知らなかった。なんで群のリーダーが雌なんだろうと思っていたけど、作者も女性だったんですね。北欧っぽいなぁと思いました。

    あとは民話に巨人がよく出てくるのに驚いた。日本はそれほどでもないと思うから(日本も動物の擬人化とかは多いと思う)、地域の違いが出ていて面白い。

    4巻
    P96 「ガンというものは、空気を食べて、風を飲むことを習うものだよ。」

    P179 「『悲しむなんてむだなことなのだよ、ニルス=ホルゲルソン。世のなかは、大きなものにも、小さなものにも愉快に暮らせるのだ。自由で悲しみもなく、全世界が自分の行く手にひらけているということも、いいことなのだよ。』と、太陽はいっているようであった。」

    P248「『あんたがわたしの生活で、なにかよいことをおぼえたとしたらだね、人間はこの世のなかに自分たちだけで暮らしているのだと思ってはいけないと考えるだろうね。(略)わたしはこれまで、ずっと追われどおしだったのだよ。わたしのようなものにも、安心していられる場所があればいいと思うのだよ。』と、アッカはおごそかにいった。」

  • スウェーデンに行きたくなります。小6の時はまってた。鳥の仲間がいい。モルテン、アッカ…からすのなんとか…最後、鳥の話が解らなくなるところがせつない。

  • スウェーデンのノーベル文学賞受賞者、セルマ・ラーゲルレーヴの代表作。

    彼女はこの本一冊を読むことで子どもがスウェーデンの自然や地理を覚えるような構成にしたとか。この本のおかげで自分もスウェーデンで暮らすうえでの土地勘をかなり覚えることができました。
    いたずら少年ニルスがガチョウの背に乗ってガンの群と旅をするうちに様々な事件を乗り越えて大きく成長する姿は、児童文学とは思えないほど読み応えがあります。

  • 浦野所有。

    女性初のノーベル文学賞受賞者、セルマ・ラーゲルレーヴ。彼女の代表作が『ニルスのふしぎな旅』です。

    小人の魔法で小さくなった14歳のいらずら少年ニルスが、ガチョウの背に乗り、スウェーデン一周の旅に出かけます。旅の途中次々と事件が起こり、仲間の動物たちと協力して乗り越えるというのが大まかなストーリー。作中では、ほんのわずかながらも、いわゆる「英雄的な死」ではない「無益な死」も描かれますし、何よりもスウェーデンの自然を美しく読み上げた詩的な文章に惹かれます。作品のそこかしこから漂う何ともいえない叙情性は、単なる「児童文学」の枠を超えているとさえ感じました。

    あと、この作品を読むとスウェーデンの歴史と地理に詳しくなれますね。第1巻ではスウェーデンの世界遺産であるカールスクローナ軍港、エーランド島、ヴィスビーも登場。それぞれの土地で語り継がれる伝説も引用され、物語を楽しみながら国の歴史に親しめる内容になっています。

    難しい表現はなく、展開も平易。代表作がこれほど読みやすいノーベル文学賞作家は、ラーゲルレーヴと『青い鳥』のメーテルリンクくらいではないでしょうか。

    フォークナーの『八月の光』には手を伸ばす気になれない。でもノーベル賞作家の作品も垣間見たい。そんな人(自分くらいでしょうか(^^;;)には、ぜひオススメです。

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