多毛留;おとなになれなかった弟たちに… (偕成社文庫)

著者 : 米倉斉加年
  • 偕成社 (1989年3月1日発売)
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  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036515905

多毛留;おとなになれなかった弟たちに… (偕成社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 今日、米倉さんの講演を拝聴しました。「戦争は、戦場じゃなくても見境なく人を殺す」ということ。愚かな戦争のせいで、男たちは戦場で死に、女と子供と老人たちは、飢えや貧しさで死んでいったのです。途中で、声を詰まらせて彼は言いました。「61年前の今日、弟は死んだのです。昨日のことのように覚えています。」

  • 小さな子どもたちは、声を上げることもできずに、静かに死んでいった。それが「戦争」だ。
    どんなにか弟がかわいくて、大事で、愛していても、育ち盛りの兄は、その弟の唯一の食べ物と知っていても、あまいミルクを飲んでしまった。何度も、何度も。それが、弟を死に追いやったのだと、深い後悔とともに兄の心に傷を残す。
    でも、そういうことじゃない。
    日本は豊かな緑と水と土を持つ国であり、温暖な気候から、平和に暮らしていれば、そこまで飢えることはなかったのだ。でも、戦争に明け暮れ、飢えた。飢えて弱り、弱いものから死んだ。
    また戦地では、何十万もの兵士が、戦いではなく、飢えと病気で死んだ。
    あまりにも愚かなことだったと思う。
    これを、繰り返してはならない。

    ー 多毛留
    「百済人!」と叫んだ時、燃え上がるようなものを身の内に抱え、悲劇が起こる。
    九州と朝鮮は近く、つながりがあったろう。時に、人が流れ着くこともあったかもしれない。
    ととさんは、何を考えていたのか。かかさんは、なぜ、日本に残ったのか。
    子ども向きには、ちと難しい話。
    あとがきに「たくさんの朝鮮人の友だちがいます」と書かれているが、その背景に、激しいバッシングにあった焼き肉のタレのCMがあったのかもしれないと思うと、また深い感慨を抱かざるを得ない。
    「米倉斉加年さんとモランボンの「ジャン」」
    http://vergil.hateblo.jp/entry/2014/08/30/220034

  • (メモ:中等部3年のときに読了。)

  • 中学時代あまりにも印象が強烈でしたが、内容が分かってなかったので再読です。
    うーん、ひっそり悲しく、しかし激しい。ととさん、かかさんという言葉の響きが好き。

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