- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036515905
感想・レビュー・書評
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おとなになれなかった弟たちに
第二次世界大戦の末期、末の弟が栄養失調でなくなる。
赤ちゃんが、おとなしく死んでいく。
極限状態では弱い者から亡くなっていく。
戦争をすることで、戦場でなくても、人はなくなっていく。
弟のことを大好きな兄ですら、弟のミルクを飲んでしまう。
亡くなった弟を棺にいれようとしてはいらない時初めて母が泣く。
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母が、大きくなっていたんだね、とヒロユキのひざをまげて棺に入れました。そのときはじめて泣きました。
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多毛留
神話のような詩と、絵。
国と国の争い、その間の恋愛、家族愛。
子どもには難しいですね。
筆者の米倉さん、俳優としては存じ上げてましたが、絵も文章もプロ。多芸な方だったんですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心がギュッとなる。
こんなことがあったなんて、今でも世界のどこかで起こっているなんて。。
短い文章にギュッと詰まって伝わってくる。 -
今日、米倉さんの講演を拝聴しました。「戦争は、戦場じゃなくても見境なく人を殺す」ということ。愚かな戦争のせいで、男たちは戦場で死に、女と子供と老人たちは、飢えや貧しさで死んでいったのです。途中で、声を詰まらせて彼は言いました。「61年前の今日、弟は死んだのです。昨日のことのように覚えています。」
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素朴で厳しくてそして優しい。
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短い物語で、心の深い柔らかい部分をギュッと握られたような哀しみと美しさに包まれる2作。
そして、単純化されているのに細密という矛盾を統合した美しい挿絵。 -
(メモ:中等部3年のときに読了。)
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中学時代あまりにも印象が強烈でしたが、内容が分かってなかったので再読です。
うーん、ひっそり悲しく、しかし激しい。ととさん、かかさんという言葉の響きが好き。