二分間の冒険 (偕成社文庫)

著者 :
制作 : 太田 大八 
  • 偕成社
4.01
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  • (7)
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本棚登録 : 888
レビュー : 102
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036518807

作品紹介・あらすじ

たった二分間で冒険?信じられないかもしれません。でもこれは、六年生の悟に本当におこったこと。体育館をぬけだして、ふしぎな黒ネコに出会った時から、悟の、長い長い二分間の大冒険が始まります。昭和六十年度うつのみやこども賞受賞。小学上級から。

感想・レビュー・書評

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  •  これはどこか児童文学として反則なんじゃないかという気がしてしまうぐらい面白かったです。91年に書かれた本書は時代に依存する部分が一切ないファンタジーなので児童文学のスタンダードとしてこれからもいつまでも読みつがれていくことと思います。そして別世界で剣と竜が登場するファンタジーではありますが、いくつかの仕掛けによりまるで小学校が舞台のような雰囲気が全編を包んでいます。そのため、面白いことに違いはないのですが、ハリー・ポッターやナルニア国物語のようなファンタジー物語よりも、いかにも小学校の推薦図書にしたいような身近さが感じられます。本当に推薦したい推薦図書と言えます。
     この物語で扱っているテーマは時間であると言えるでしょう。「モモ」と違うのは特に「若さ」が扱われていることです。物語の中途で、若者たちが一般に持つ、老人や他の若者に対する根拠ない優越感や、選ばれた特別な存在としての自己意識が、登場人物たちに投影されて描かれます。しかしおそらくこの本を読む小学生たちは自分たちのことを述べられているとは気づかないでしょう。それが皮肉で面白いと、おじさんである僕は傍観者として思いました。
     子供たち(小3と小1)は竜との対決に息を呑んで興奮していました。自分だったらこんな謎をかける、こんな方法で竜に剣でいどむと想像が膨らんで、叱るまでなかなか寝ません。物語の意外な展開にも見事にやられ、そこが面白かったと言っていました。主人公の男の子とヒロインの女の子の間の、少し大人びたそれでいて小学生らしい距離感の恋愛感情(?)にも、身をよじって喜んでいました。

  • とても 良い物語だった。後何年後 古典と呼ばれる 資格充分だと思う。

    『モモ』と同じく「時間」 『ホビットの冒険』の「なぞなぞ」 「ちがう世界に行って帰ってくる」『ナルニア国物語』 「たしかなもの」を探す旅。

    ただ、表紙のカバーの竜の絵はチョット。カバーをのけた表紙の絵の『ダレカ』にしたほうがいいのでは・・・。

  • いろいろなクイズが出されたけど、僕はわからなかった。みんなも解いてみてください。

  • 今でも時々読み返す本。でも表紙が苦手だ〜(´Д`;)枕元において眠りたくない(笑)

    内容ではないけど、文庫の作者紹介の所に岡田さんの住所が載っています。今の版にもあるのかな。個人情報の時代を感じる…。

    この本の素晴らしさは友情、恋、裏切り、大人の汚さ、協力、自分の確かさ・不確かさ等々否応でも経験して行く多くのことが詰め込まれていること。
    こんなに綺麗に物語がまとまるものか、と大人の今は思います。しかもわずか二分間の冒険で。
    悟かっこいいよ。

    ハラハラドキドキ、謎への挑戦。二分間のかくれんぼ。

    終盤の「つかまえた」は何ヵ所かあるけど、かおりの部分が好き。萌え萌え(笑)
    かおりの台詞も好き。
    この子はなんて良い女なの!

  • 20171227
    有名な作品だったのに今まで読んだことがなかった。今回時間が出来て一気読みしたけれど、実に見事。すべて繋がっていく感じ。久しぶりに興奮した。

  • 小学生の頃二分で読めるのかと思って借りて読んでたら二時間くらい経っていたのを思い出します。

  • なんだろ、もっかい読み直したくなる感じ。

  • 岡田 淳  作
    太田 大八   さし絵
    偕成社 (1991/07)
    (偕成社文庫)

    異世界のようだけれど リアリティがあって
    いろんなものが問われています
    「この世界でいちばんたしかなもの」は?

    もうずいぶん前の作品ですがよく読まれているようです
    すごいですね、岡田淳さん

    ファンタジーの定番だと思います

    ≪ 手をにぎり ダレカと共に 進んでく ≫

  • 久しぶりの児童文学。金曜の帰りの電車の中で本を開いて、50分の通勤時間があっと言う間に過ぎてしまった。おもしろいよこの本!

    黒ネコからの問いかけの答え、もしやそうかな…と思っていたものが当たっていたから、伏線にそんな驚きはなかった。でも、それで終わらせずにもうひとひねりあるところに感服。

    この主人公って小6なんだよね。そんなの感じさせないくらいにオトナな作品です。悟が大人になったらすっごいいいオトコになってそうだな~。自分が成長してしまったがために児童文学をこども扱いしてたけど、ばかにしちゃいけないんだなぁ。

    他の作品も読んでみたいと思います!

  • ”この世界でいちばん、たしかなもの”。竜と闘うというから派手なアクション冒険ものなのかと思いきや、中心に据えられているのはむしろ観念的な”問い”の部分。エンデの「はてしない物語」とか「モモ」とか、そっちらへんに似た匂いを感じた。偕成社文庫の装丁ゆえの先入観かしら?笑

    児童文学をよむと、その「一つしかない答えにすとんと着地する」感に感動する。たどりつくべき地点にたどりつく、正しさの感触。それはこの話におけるダレカの謎かけ”この世界でいちばんたしかなもの”にも当てはまる。
    ただしこの答えが知れるラストシーンで、主人公・悟がみごとに答えの読み替えを行い、自分とかおりの絆をも証してみせたところに、この話の妙がある。小手先の発想転換と見る向きもあろうが、竜のとんち合戦とは本質的に違い、もともと禅問答に近い問いかけなのだから仕方ない。

    竜のいる世界で(つまり、物語のほとんどで)重要な位置を占めるかおりが、元の世界に帰ったとたんその巫女のような特別性を失ってしまうように見えるのが玉に瑕。しかしそれは悟の最後の台詞を深読みして解決できるだろう。「そのつもりになれば、いつか話すよ。」そのあと二人はどうなったのかなー? と思いをめぐらした読者は大勢いるんじゃないかしら(*´ω`*)

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