タイムマシン (偕成社文庫 3234)

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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036523405

感想・レビュー・書評

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  • 「19世紀末のイギリス.タイムマシンの発明家が,客間に集っている友人たちを前にして信じられない体験を語り始めた.80万年後の世界では,人類は「地上人」と「地下人」に二分され,しかも恐ろしい分業がなされているというのだ….SF小説の元祖ウェルズの代表作.」

  • カッコつけて小学1年生の頃に読んだ。
    これをきっかけにSF系が好きになったのかもしれない。

  • 生殖、生産性、死、出産、いろんなことがなおざりなっていてもなお、引きつけてやまない力強い話である。

    書き手がミステリアスな一人称で、トラベラーが行方不明になるのが恐ろしく、永遠の謎となって胸に残り続ける。

    人間の技術が進化しつくした先に訪れる退化への警鐘をならす。労働しなくても果物が自動的に実り遊んで暮らせる特権階級の美しいイーロイ人のなれの果てと、地下で労働に従事する階級のモーロックスが暗闇でしか生きていけない存在となり、食糧難の果てに地上のイーロイを食す存在になり果てるという、人間が長年積み重ねた時間の果てに、生産性も持たず、芸術性も失い原始的に退化していく二極化した存在として描かれる。

    そこでウェルズは、人間が完璧なシステムを構築したらその先に進化はあるのか、という永遠の命題を提示している。

    人類の行く末を道徳と倫理と生命の観点をもちながら、冒険活劇として描いているのが凄い。

  • 今更ながらの超名作。
    ついに、タイムマシンを発明したトラベラー。未来は、地下で暮らす野蛮なグル―プと、地上で暮らす非力なグループにわかれていた。
    そこは、人が殺される世界。
    大冒険ののちに、現代に戻ったトラベラーは、仲間に体験を話すと、もっと長い旅に出る、という。そのまま戻ってこないというストーリー。

  •  タイムスリップする時は、夜中の12時に 13回うつ時計に誘われたり、古い屋敷で昔暮らしていた人たちと出会ったり、ラベンダーの花をかいだり タイムトラベラーに抱きかかえられたりして・・・・。いつも本人の意思とは関係なく 偶然に遠い時代に行きます。
     この物語の主人公は 自分の意思で八十万年先の未来に向かうのです。その未来の 私たち人間の姿はどうだったのでしょうか。なんとか 今の時代に帰って来たタイムトラベラーが教えてくれます。けれど 再度ちがう時代に行ってしまって、まだ、帰って来ません。
     時々、交通事故にあった人で どうしても身元の分からない人って いますよね。 それって・・・・・。

  • 小学生か中学生の時に買ってもらって以来長らく本棚に眠っていたのを掘り出して読みました。
    2002年発行の第7刷。映画化があったので当時小中学生向けコーナーでも目立つように置かれていたんじゃないかなぁ。

    難しい漢字は避けられていますが、分かりやすく現代的な訳になっています。
    完訳版なので(部分抜粋じゃないので)ちゃんと物語の全文を読むことができます。
    19世紀のイギリス。とある科学者が自分で発明したタイムマシンに乗って時空を旅した体験を医師や新聞編集長、市長といった友人達に語る形式でお話が展開します。
    イギリスなので上流階級のお友達同士という感じでしょうかね・・?
    タイムトラベラーは19世紀から八十万二千年後の未来に降り立ちますが、
    彼の期待に反してそこでは人類が滅亡しかけている。
    身分の差を解消するどころか更にその差を大きく極端に広げていきながら科学を発展させ進化した人類は、
    美しく貧弱なイーロイ人と長い地底生活で獣のような姿に成り果てたモーロックス人に分かれ、
    かつての支配と被支配階級の立場を逆転させていた。
    タイムマシンのイメージを世におくりだしたウェルズ。
    19世紀人としてこの物語を書いていたんだから想像力に溢れていたんだろうなと思います。
    科学の発展の時代の中で人間の幸福について考えを巡らしたのでしょうか。
    未来社会を悲観的に描いていますが最後の一文に著者の希望を感じます。


    メモ
    イーロイの女(の子?)ウィーナちゃんが映画だと結構セクシーな女性に変更されていたような気がします。
    現代=21世紀を見るというのも映画版独自の展開でした。

  • 「タイムマシン」を初めて科学の側面から解説した、タイムトラベル系SFの草分け。内容はどちらかというとアクションだが、設定が奇抜で話のテンポも良いので読んでいて飽きない。

  • タイトルは超有名だけど、読まれていない名作なのではないでしょうか。僕にとってもそうでした。いやはや。
    もっと色々な時代を行ったり来たりする話かと思いきや、いきなり80万年後の世界に飛びそこで繰り広げられる冒険活劇が主体でした。価値観や行動倫理に19世紀末の西洋人的なものが見えますが、今読んでも面白いですね。こういう荒唐無稽な物語ほど、後世に読み継がれるのかも。

  • 角川版に続いて読みました。子供向けとはいえ、子供に擦り寄った翻訳ではなく、でも難しいところには適切な訳が置かれて私のように科学・物理系でない大人にも適しているかも。タイムマシンがタイムトラベリングするシーンの描写などは見事だし、叙情性もあるし、読んでいてわくわくしました。でも地球の未来ってどのSF読んでも暗いですよね・・・なんとか救いになるものが現れないかしら・・・。

  • 難しいけど面白い。

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