死の国からのバトン (少年少女創作文学)

著者 : 松谷みよ子
制作 : 司 修 
  • 偕成社 (1976年2月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037193706

死の国からのバトン (少年少女創作文学)の感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃に読んで以来、何度も読み返している本だが、久しぶりに読み直してみた。忘れているところが多々あったが、自分の幼い頃の実体験と重なることが多く、あらためて考え込んでしまった。

    当時は理解できていなかったと思うが、ネコのルウが警告しているのは水俣病だろう。ものを食べても、空気を吸っても毒だ、というのは、かつての私の恐れでもあった。
    直樹が出会うコドモセンゾ直七の直訴の経緯も悲しいが、直右衛門じいが命をかけて用水を村に引いて田を作った行為が、気高くて悲しい。
    村人たちに理解されず、それでも信念を貫いた直右衛門。小学生の頃は、自分の体験に近い公害の話のほうが身につまされたので、どうして直右衛門の話が挿入されているのか、今一つ、理解できていなかったが、今回、読み直してみて、あらためて思う。
    直樹に託されたバトン。
    その「毒」となる巨大な権力や企業、人間の富に執着する強烈な欲と闘うには、直右衛門と同じくらい、不撓不屈の闘志が必要だ。どれだけ辛くても、味方がおらず、批判されることがあろうとも、腕をもがれようとも、闘い抜かねばならない。
    その覚悟が、私にはあるだろうか。

  • 某実務的理由あって、中学のとき以来の再読。当時は松山で読んだせいか、これほど怖いとは思ってなかった。阿賀野川の河口の街に住むようになって10数年。土地勘がそこそこある場所の話として読むことになるせいか、本当に怖い。でもそうでなくても、大人になって読むと、自分の懶惰な日常をどうしても想起するので、そのために恐怖感が増すのかもしれない。無能な大人のせいで「直樹とゆう子の物語」は永久に続くのか。

  • ★あらすじ
    小正月の祭を見るために、12歳になった直樹とゆう子とお母さんは、亡くなった父親の実家を訪れる。日本海側の雪深い山村である。
    直樹は家の裏山にある五百羅漢で、不思議な少年に出会う。粗末な着物とかんじきを着けたその少年は、直樹より2,3つ年上なだけに見えたが、自分は直七といい、直樹の遠い先祖だと名乗った。

    ★感想
    シリーズ2作目。
    これもメルマガを書くためにン十年ぶりに再読しました。
    このシリーズでは唯一の戦争以外の史実がテーマになってます。
    餅花の美しさやそりすべりの爽快感など、雪国育ちの自分には親しい描写がたくさん出てくるのが嬉しい。
    しかしこの作品で最も印象的なのは、やっぱあそこでしょう。山のばばさまとねこたちのシーン……
    あそこは大人になって読んでも、ぞくっとするし、悲しい(・_・、)

  • 時代に即した表現で古来からの知恵を伝えゆく人がいる。
    松谷みよ子さんもその一人だ。
    児童文学という領域のやさしい鋭さよ。
    時代を色褪せないものにする言葉を、このものたちは担っている。

  • 「知らない」ままでいてはいけないこと それをこんなかたちで伝えることのできるひとがいる

  • 先祖、というテーマ。ふたりのイーダの続編(?)

  • 「直樹とゆう子の物語」テーマは環境破壊。

  • 兎の肉と縄で縛るほど堅い豆腐がおいしそう、そして歴史の残酷さ。小学生の時、図書館で借りたこの本が初めての読書感動体験でした。ある意味、人生の転機となった本かも。

  • (2001/8/10(金))

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