ヨーンじいちゃん (現代の翻訳文学(28))

制作 : レナート=ハビンガー  上田 真而子 
  • 偕成社
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本棚登録 : 71
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037262808

感想・レビュー・書評

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  • このクオリティの高さで児童書とは驚き。
    娘家族と同居することになった75歳のヨーンじいちゃん。
    ふたりの子どもたちの反応と、お父さんと実の娘と、それぞれの入り乱れる思惑やあつれき、じょじょに深まる愛情と。
    喜怒哀楽の細かなエピソードを丁寧に積み重ね、とても子供向けとは思えないほど豊かで軽妙に描かれている。
    ラストでは、ほとんど涙・涙で、一緒にヨーンじいちゃんを見送った気持ちになった。

    頑固者のヨーンじいちゃんとの同居には最初はハラハラしたけど、いつの間やら人気者。
    なんと恋人まで作ってしまうんである。
    だが容赦なく忍び寄る老いには勝てず、寝込んで認知症にもなるが、最後の言葉には泣ける。
    このときにはもう、かけがえのない存在になっていることが、作者の描写からうかがい知れて、それがいっそう切ない。
    ふたりの子どもたちの反応には、昔の自分を重ね合わせてみては恥じ入り、ヨーンじいちゃんの娘(つまり、子どもたちの母親)の対応には、両親の介護をしていた頃の自分を思っては本気でエールを送りながら読んだ。
    家族とは言え、立場の違いが心の位置関係の差にもなる。
    書き込みすぎず、でもどれも手抜きせずに伝える筆力はさすが。

    老いと死は、誰にでも平等に訪れる。
    でも、若く健康なときはそんなことは考えもしない。
    たとえ心の片隅に浮かんでも、つい先へ先へと追いやる。
    だが、この作品に登場する子どもたちのように、身近にお年寄りを見ることが出来るのは、幸いなことだ。
    強がってみたり気難しくなったり、でも年長者としての強い自負もある。
    長年の仕事で培った技術や知識もある。
    そこから湧き出る深い滋味の部分に触れることで、お年寄りの命の輝きに気づくことが出来たからだ。
    もちろん、傍にいる両親の力も非常に大きい。
    さらりとユーモアも交えて描かれていながら、深い読後感を与えられた。
    もう少し、この作家さんの作品を読んでみようかな。

  • ♪家族もの、ドイツの生活が見える。
    同作者の「ヒルベルという子がいた」と「おばあちゃん」を読んでみたい。

  • 20年ぶりの再読。
    これは幸福な物語だなと、思う。
    家族を愛し、愛され、自分を曲げず、人生を楽しみ、衰えて、死ぬ。理想的な死に方。今の日本はこの衰えの時間を異常なほど引き延ばし、本人も家族も不幸にしている。幸福な死に方について、日本はもっと考える必要がある。

  • やはり、最期は家に居るのが、良いと思うけど…

  • この4月から電車通勤の時間が40分。窓の外も見たいが、単線なのでそれほど揺れないような気がする。本が読める。片道で読みきれる本があったらいいなというので、児童文学の棚に行って見つけた。

    自分もヨーンじいちゃんみたいに歳をとっていくのだろうか。かっこいい話ばかりではないのだろう。考えさせられた1冊。

  • 素敵なおじいちゃんです。家族もおじいちゃんの意思を尊重して、ぶつかりながらもとても大切に思っていることがよく伝わってくる話です。

  • 75歳のヨーンじいちゃん(母方の祖父)が4人家族と同居することになりました。自由で楽しく自分の生き方を貫いているヨーンじいちゃんは、頑固で融通が効かず時々突拍子もないことをしでかすおじいさんでもあります。一家はヨーンじいちゃんとの暮らしに戸惑いながらも次第にヨーンじいちゃんと最後まで一緒にいたいと願うようになります。サラッと読むと老人介護、老いた両親との同居などというお話にまとめられそうですが、ヨーンじいちゃんとのふれあいの中で変わっていく一家の心模様が丁寧に描かれ(特に孫のヤーコプとラウラ)、彼らがヨーンじいちゃんを対等の(尊敬できる)人物として看取っていく姿に共感し、考えさせられるお話しです。ヨーンじいちゃんという人も魅力的。「んのっ」という言葉、アインシュタインのポスター、三角パンツ、ベーゼマーさんへの恋心、ろうけつ染めのTシャツ…ここに描かれている家族は本気でヨーンじいちゃんに怒り、喜び、泣き、戸惑います。そんな一家の姿が嘘ではなく本物だと思いました。「おまえらのとこは、ええなあ。」ヨーンじいちゃんの最後の言葉、ヤーコプの気持ち。静かに本を閉じました。

  • かあさんのとおさんであるヨーンじいちゃん。
    家にやってくるまえの、家族会議から、やってきてからのどたばたまで、心温まるお話。

    日本だけではなく、海外でも家族のつながりが問題になっていることがわかりました。
    お年寄りが家族にいれば、死に直面する機会も、大人になるまでに出てくるかもしれません。

    ドイツの小説らしく、堅い感じで、いろいろ読み取ることができるかもしれません。

  • 核家族が暮らすうちに、ヨーンじいちゃんがやってきた。

    「んのっ」が口癖で、ユーモアに富んだじいちゃんは、
    次々と騒動を巻き起こし、恋もしたりする。

    読んでいるうちに、ヨーンじいちゃんのことが大好きになってしまい、
    最後は涙がとまりませんでした。

    最近は、同居が少ないからおじいちゃんやおばあちゃんの死は
    実は身近なものではない子どもも多いはず。
    そんな今の子どもたちにも手にとってほしい作品。

  • おじいちゃん好きにはたまらない。んのっ

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