シロクマたちのダンス

  • 偕成社
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本棚登録 : 53
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037265700

感想・レビュー・書評

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  • 「クリスマス・イブの日に母さんの裏切りがわかり、一家は離ればなれに…。
    両親の離婚を取り上げた児童文学を読むと、生き悩むおとなや心を痛める子どもといった現実の重さにつらくなってしまうことが多い。しかし、スウェーデンを舞台とした本作品の読後感は、少し違っていた。ホッとしたというか、救われた気がした。」   
    (『子どもの本から世界をみる』かもがわ社 の紹介より)

    「この物語では、大人が正直だから、子どもも正直に自分の欲望にそって動けます。生活が向上し、成績が上がるとしても、トシュテンソン(かあさんの恋人)とっクラスより、自分はやっぱりとうさんの子どもでいたい、と。自分に正直であるためには、かあさんのことも大好きだけど、やはりとうさんと暮らしたい。なぜなら、「自分がだれなのかは、自分で見つけなければいけない」のですから。」
    (『大人のための児童文学講座』ひこ・田中著 より)

  • ウルフ・スタルクはやっぱり好きです。男の子が主人公。様々なテーマも、言葉にできないような気持ちも物語の中に込めてあり、男の子でなくても、共感出来る部分が多いと思います。そして、最後もいい終わりなんです。高学年の子ども達にもぴったりだけれど、親にも読んでほしい本です。

  • シロクマそっくりのとうさんは、無口で、不器用だけれど、ラッセにとっては、だれよりも、ほっとしてあまえられる存在でした。ところが、クリスマス・イブの日に、かあさんの裏切りがわかって、とうさんとラッセは別々に暮らすことになってしまいました。スウェーデンの児童文学賞をつぎつぎに受賞した作家の心にしみる一冊。

  • スウェーデンが舞台のお話。少年ラッセとシロクマのようなさえない父さんとの心の交流。そして母さんの裏切り。大好きな父さんと離ればなれで暮らすことになってしまったラッセの生活が明るいんだけどなんだかせつなくって、ちょっぴりジンワリときたり。この人の書くお話はどれも独特の哀愁があります。

  • 2009.3.25
    ウルフ・スタルクは『ガイコツになりたかった僕』ほか自伝的なお話を
    読んでいました。
    このお話の主人公ラッセも問題児扱いされる少年なんだけど、まわりに
    誤解されたり、しようと思っていないのに状況が悪い方へ悪い方へと
    いってしまうところなど、身近にいっぱいありそうで、特に息子にも
    同じような事が起こっていそうで・・・
    それでも、想いを上手く言葉に出来ないラッセは、そういうところが
    そっくりな、シロクマみたいなお父さんとは、言葉はなくてもわかり
    あえると思え、ほっとできる。
    わかってくれない人がたくさんいても、わかってくれる人が一人でも
    いて、ホットできる場所があれば、なんとかやっていける気がする。
    学校の先生に読んで欲しいなぁ〜

  • なんとも切なく、そして優しい物語。主人公ラッセのちょっとシニカルな語りも魅力的だし、大人の都合に振り回されながら一生懸命自分らしさを見つけていこうとする姿は感動的。シロクマのようなお父さんがいいし、読んでよかったと思える一冊です。

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著者プロフィール

スウェーデン、ストックホルム生まれ。現代スウェーデン児童文学を代表する作家。リンドグレーン賞などさまざまな賞を受賞していて、日本でも多数の作品が翻訳されている。著書に『おじいちゃんの口笛』(ほるぷ出版)、『シロクマたちのダンス』『夜行バスにのって』(偕成社)、『ちいさくなったパパ』(小峰書店)、『パパが宇宙を見せてくれた』(BL出版)などがある。

「2024年 『難民を理解する絵本(全2巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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