少年のはるかな海

制作 : ささめや ゆき  Henning Mankell  菱木 晃子 
  • 偕成社
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本棚登録 : 24
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037265809

感想・レビュー・書評

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  • 父と二人暮らしの少年が主人公。口には出さないだけで、孤独にさいなまれていたのでしょう。夜中に犬を見たことをきっかけに、夜中に出歩くようになっていく。その時知り合った少年との関係や父に好きな人ができたことをきっかけに危うく道を外しかけるんですが、そこは児童文学なので、最後は父の愛情をしっかりと感じ取ってきずなが深まるという大団円でした。

  • ヘニングマンケルの児童書。
    子どもを相手に、とは言っても作者は少しも手を抜かない。北欧の厳しい自然や思春期にさしかかった少年の悩み、親子関係の葛藤、社会にむける覚めた、そして優しい眼差しなど、すべて正直に描き出しくれました。

    ヴランダーシリーズにも似通った、情けない男の味わいも感じられます。

  • 主人公、その父親、それから町にクラスちょっと変わった人達 ー 作者はその人達それぞれの持つ孤独を描くのがうまい。ちょっとした優しさに孤独がにじみ出るよう…

  • 主人公は父親と二人暮らしの少年、ヨエル。
    父親は以前は海の男だったが、今は森で木を切る仕事をしている。
    母親はヨエルが幼い頃、家を出て行ったきり。

    ある冬の夜、目をさましたヨエルは窓の下の通りを走り抜ける犬を見る。
    ありふれた灰色の犬。

    でもなぜ、こんな寒い夜に外を走っていたのか。
    あたりを見回していたのか。
    あの犬はなにかをおそれている。
    ヨエルにはそんな感じがした。
    それからヨエルは夜中に家を抜け出して犬を探すようになる。
    そこで出会った人々。
    起きた様々な出来事。
    それらは少年、ヨエルにどんな影響を与えたのか-。

    これは児童書です。
    確かに文章も子供向けだし、ひらがなの多い文からも児童書だとは思いますが、読んでいて児童書にしては大人っぽいイメージを受けました。
    中には、こんな場面を児童書で描いていいのか?と思うようなのもあったり・・・。
    それは日本の児童書では絶対にないだろうというもので、その辺は海外との感覚の違いだな・・・と感じました。
    また、子供が毎夜、家を抜け出して・・・というのも、ちょっと考えられない。
    以前、北欧を舞台にした映画で、夜中に家を出て遊ぶ子供を見た事があるけど、昼が短いからそうなってしまうのか、向こうではそう珍しい事でもないのか・・・なんて思ったりしました。
    他にも日本人の感覚ではちょっと分かりにくい事がちょこちょこありました。
    それに、児童書の割には作品の全体を通して暗くて重い雰囲気が漂っていて、それは冬の長い国を舞台にした話だからなのか-と思ったりしました。

    そんな訳で私にはあまりこの本の良さが分からなかったんですが、解説を見るとこの本は優れた児童文学作品におくられるニルス・ホルゲション賞というものを受賞しており、ドイツ児童文学賞も受賞しているそうです。
    その解説を見ると、私では理解できなかったこの本の良さが説かれています。
    私がこの本を読んで感じたのはひと冬の間に少年、ヨエルがいつの間にか成長していたということ、大人に一歩近づいていたということ-だけ。

    最近の現代小説を読んでその良さが分からなくても何とも思いませんが、この本の良さが分からなかったというのは何となくちょっと悔しい気がしました。

  • なにかがおこらなければ…。もう、これ以上、待つのはいやだ。窓の外を走っていく犬をみた日から、少年ヨエルの夜の徘徊がはじまる。不信と孤独のなかの少年を救ったのは、子どものような大人、シモンとイェルトルドだった。大人や友人への反感・理解を通して自分をみつめる、思春期の少年の内面をするどく描いた長編小説。スウェーデンのニルス・ホルゲション賞、ドイツ児童文学賞受賞。

  • ミステリで知られる作者のこれは1990年作の児童文学。
    森で木を伐る仕事をしている父親サムエルと二人暮らしの少年ヨエル。
    ジャガイモをふかして父の帰りを待つ生活。かって船乗りだった父が元に戻ればいいと思いつつ、一人で想像を巡らす孤独がちで多感な少年でした。
    夜中に走っている犬を見かけたことから一人で家を抜け出し、変わり者のシモンやイェルトルドなどと知り合いに。新任の判事の息子トゥーレと秘密クラブの活動として夜中に冒険を始めます。
    出て行った母を思い、父が酒場に勤めるサラと付き合いだしたことに悩みますが、しだいに…?
    作者は1948年ストックホルム生まれ、作家・舞台演出家として活躍とのこと。

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ヘニング・マンケルの作品

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