- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037268602
感想・レビュー・書評
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妖精でもない、人間でもない。サースキはそんな異端の存在。
人が、自分たちと違うモノを恐れ、排除しようとする、まさに差別や迫害がいかにして起こるかを、妖精というファンタジーの存在で描いた作品。ただ、そう生まれてきたから、という理由だけで迫害される恐ろしさを感じてしまう。
この物語の救いは、まずサーキス自身が周りからの冷たい仕打ちに対し悲観的すぎず、どこかさらっとしているところ。そしてなにより、サースキを愛してくれる人たちの存在。厳しいが、いざというときはサースキの見方をしてくれる良心、サースキの正体に気がつきながら情を抱き、優しくしてくれる祖母、そしてヤギ飼いの少年。
彼らの存在があって、サースキはひねくれることなく、まっすぐ自分の道を進む決意をするまでに成長する姿に胸を打たれる。
サースキの両親の想いが明らかになる場面では、思わず涙…
きれいな世界と現実世界の怖さが不思議に融合した、心に残る作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ほかの人とはちがう、と感じたことのあるすべての子どもたちにー作者
児童文学ポスターでオススメされていたので、読んでみた。
面白いお話だった♪ -
哀しく、さみしい、美しい物語だった。
妖精と人間の子供として生まれたサースキ。妖精の世界でうまくいかずに、“とりかえ子”にされてしまう。
人間の世界でもおかしな子といじめられ、うまくいかない…
誰かが悪い訳ではなく、妖精の世界、人間の世界、ただ、少しずつ何かが違っているだけ。
しかし、その違いのせいでサースキは妖精でもなく人間でもないものとして生きていかなければならない。
そんな中でも、サースキを理解しようとしたり、ありのままのサースキを好きになる登場人物もいる。
それが救いで、この物語に美しさを与えている。
どこかで、サースキはタムと笛を吹き続けているかもと思わせるラストも美しかった。 -
いわゆる、とりかえ子のおはなしです。
妖精の世界から、人間の世界へ、とりかえ子とされた、サースキ。
妖精の世界から受け入れられず、人間の世界からも受け入れられず・・・・・。
さまざまな辛い仕打ちを乗り越えて、サースキがどのように成長していけるのか・・・・・・。
目が離せません。
差別される辛さなど、しっかり書き込まれているので読み進むのが悲しい部分もありますが、サースキとともに乗り越えていくような気分になります。 -
人間と妖精の間に生まれた少女サースキのお話。
妖精界を追放された彼女に待っていたのは人間界での生活。
他の人と違うと思った人は、この物語を是非読んでいただきたい。 -
妖精のサースキは、人間の血が混じっている。妖精の世界ではうまくやっていけない。人間の子どもになれと言われたとき、「でもあたし、妖精でもあります。半分は妖精です!」と、必死に訴える場面がポイントです。
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人間の赤ん坊ととりかえられた、人間と妖精の血をひくサースキ。人間でも妖精でもないサースキは、その容姿や行動からしばしば親を悩ませ、自分自身も苦しむ。結末に深い愛情を感じられる作品。