K町の奇妙なおとなたち

著者 : 斉藤洋
制作 : 森田 みちよ 
  • 偕成社 (2012年9月13日発売)
3.58
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  • 本棚登録 :109
  • レビュー :22
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037271503

作品紹介・あらすじ

ベティーとよばれるなぞめいた女性、銭湯で潜水艦の乗組員になりきる中年男、過去を背負うアパートの管理人一家。昭和30年代、東京のはずれのK町。あのころあの町にはこんな人びとがいた。少年期の追憶。小学校高学年から。

K町の奇妙なおとなたちの感想・レビュー・書評

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  • 昭和三十年代、東京のはずれにあるK町を舞台に、ちょっとふしぎな11人のおとなたちを少年の目を通して描く

    現実とも幻とも自伝とも創作とも読める奇譚集は斉藤洋の得意分野
    前年2011年に出版された『遠く不思議な夏』の姉妹編

  • 主人公の男が、子供の頃に体験した少し不思議な物語。きっと大人になれば、ああいうことだったんだって分かるけど、子供だから不思議な体験になっている。だけど、大人になった今でもよく分からないこともあるみたいな。


    最後の話は、今まで出てきた人などが出てきて、なんだかほんわかした。
    K荘の管理人の娘のカズちゃんが、父親がいい顔したないために、働きに出られなかったって下りは、なんだか昭和時代だなぁと思ってしまった。今では考えられない話だしね。
    また、そのカズちゃんも最後は幸せになって良かった。だけど、あの年で結婚するのは今ではあんま気にならないけど、当時は行き遅れ感があったんだろうなぁ。


    児童図書って、だいたいはハッピーエンドで終わるから好き。


    2017.7.16 読了

  • タイトルからして奇妙過ぎる。謎々しいファンタジーのようです。
    ”奇妙なおとなたち”とあるように、”ぼく”にとって大人はとても奇妙にみえていたー…。

    2012/00/00

  • どちらかというと大人向け?作者が子どものころに出会った不思議な体験を語る形の短編集。おそらくフィクション。でも本当にあった話なのかも…と思わせるような話。ちょっと怖い話もあるし、なんだか少し寂しいような、懐かしいような…。自分の幼い頃にもこういう不思議なことがあった気がする。子供の時は時間がゆっくり流れているから新幹線みたいに走っている大人にはみえないものがみえるのね。挿し絵も昭和レトロ+怖い雰囲気が出ていていい感じ。

  • 昭和30年代、東京のはずれのK町。
    わたしが回想する、就学前から小学生(低学年くらいまで)時代の、ちょっと不思議な連作短編。
    両親をはじめ、隣のK荘(アパート)のいつもお小遣いをくれるおばちゃん、お父さんの下っ端野良部下(?)のサブロウさん、時々預けられたベティーさん、銭湯で潜水艦の乗組員ごっごをした普段は堅い顔したおじさん、知らず知らずのうちに わたしがつないだ、モデルガンの店主と近所のカズちゃんの恋。・・・

    戦後日本の、なんだか陰影礼賛な建物がならぶ、東京とはいえまだまだ田舎の町の
    奇妙な、でも、ありそうな物語。

  • 子供の頃に不思議に感じたことも、大人になって考えてみると、存外あっさりと解決してしまうことがある。
    が、やっぱりどう考えても辻褄の合わないこともある。

    『まれやまさんちのおばちゃん』
    おばさんの家で見た、茶箱いっぱいの蛇の死骸。今考えると漢方薬か何かに使うんだろうけど、あの時箱の中から聞こえた音は一体何だったんだろう。そしておばさんは東京の高級住宅街へと引っ越して行った
    『カズちゃんたち』
    K町にいる3人の男女のカズちゃんが、おかめのお面をつけて夜の原っぱで踊っていた
    『サブロウさん』
    サブロウさんに聞かされた狸囃子を探して迷子になった私を助けてくれた灯りが、「おくりちょうちん」だと気づいたのは大人になってから
    『ベティーさん』
    私にだけ本名を教えてくれたベティーさん。ベティーさんが亡くなった時間に会ったベティーさんは、私にしか見えていなかったようだ
    『教頭先生』
    入院しているはずの教頭先生が、誰もいない校庭の池に飛び込んだのを見た
    『せーばあんちゃん』
    子どもたちに「カタ」を売って、その「カタ」を使って子どもたちが作った作品の優劣を決める「カタのおじさん」。何度も勝てば、ポイントがたまって良い賞品と交換してもらえる(ただし出品された作品の所有権は「カタのおじさん」にうつる)
    目玉賞品を渡すのが惜しくて、一番上手にできたせーばあんちゃんの作品を優勝にしなかったテキ屋のおじさん。その日に私は丑の刻参りの音を聞いた。翌朝、いつもテキ屋のおじさんが座る後ろの木には釘がささっていた。それきりテキ屋のおじさんはこの町にはやって来なかった。
    『浅間のおじさん』
    八百屋のおじさんは、浅間のおじさんの亡くなる時期をお医者さんより的確に当てた。そして亡くなった浅間のおじさんの家に行った私を、八百屋のおじさんは呼び止めてお祓いをしてくれた
    『写真屋のおじさん』
    銭湯で海軍時代の潜水艦ごっこをしていた写真屋のおじさんと私。のぼせた私が見たおじさんの海軍仲間の上司のことを話すと、おじさんはそれ以後潜水艦ごっこをしなくなった。
    『ガンショップのおじさん』
    となり町の商店街は迷路のようになっており、やっと見つけた開いている店に入り込むと、そこではとっくに住んだはずの浅間のおじいさんのお葬式のようなものが開かれていた…。
    『松風のお嫁さん』
    和菓子屋「松風」に来たお嫁さんが電話ボックスに入るのを見た。お嫁さんは電話が終わると下半分が不透明な
    電話ボックスの中にしゃがみ込み、一瞬後に立ち上がった時には洋装から着物へと変わっていた。それから半年後、お嫁さんはK町から出て行った。
    『ジュンジロウさん』
    結婚を反対していた父親に邪魔されないように、父親の嫌いな桜の樹の下で宴会のような結婚式をしたいというカズちゃん。木の上には、おじさんと、戦死した息子のジュンジロウさんが見えた

  • なんだかさっぱり。どうも作者の思い出話らしい。でも、おもしろくない。子供の時のきおくだから、夢の話をきかされているようなつじつまのあわない、ゴールのないお話し。わざわざ本にするかな。

  • 教頭先生が池に入っていく場面、まさに奇妙でこわかった。けれど読みすすめていくと理由がわかって、怖さがせつなさに変わっていった。昭和という時代は、今よりずっと陰の部分が多かったような気がする。

  • さらっと読んだ

  • 数日前に読了。
    斉藤洋さんってそういえばホラー得意なんだよね…と読んでから思う。私が読んだことのあるものはホラー系でないのが多いから、忘れがちなのだけど。連作短篇のように、ややホラーな感じの「奇妙なおとなたち」の話が11話続く。個人的におおお、と思ったのは、2話目の「カズちゃんたち」。ラストの場面が奇妙すぎて、背筋がひやっとする。とはいえ、ホラーっぽさはどれもスパイス的で、苦手なわたしでも楽しんで読める程度だったのでよかった。
    この短さでひやっと感をきちんと出せるって、すごいよなぁ。

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