源平の風 (白狐魔記 1)

著者 :
制作 : 高畠 純 
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037442101

感想・レビュー・書評

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  • 小学生高学年向けの本と侮るなかれ。
    化身の術を仙人の元で学び、人に化けることが出来るようになった狐から見た歴史物語。
    中でも、修行修行と息巻く狐と、やったら自然体な仙人とのやりとりは秀逸。
    さあ、続きも読むぞ。

  • めっちゃおもしろかったーーー!!きつねが人間の考えてることに興味を持ってるのもおもしろいし、その後出会う仙人も楽しいひとだし、ファンタジーなんだけど本当にあるかもしれないって思わせてくれるのがすごいなあと思いました。1巻は半分くらいが人間の姿になれるまでだったのでもっと義経のはなしを読んでいたいなっていう気持ちになりました!でも義経のところをしっかり史実にそってやってくれて、読んでてすごい楽しかったー!続きも読みたい!

  • 斉藤洋はおもしろい

    続きが読みたい

  • 仙人がいい感じ。ひょうひょうとしているなあ。
    滝に打たれたければ打たれるがいいさ。というのもなんとも。
    安易に正しさを教え導く存在でないところにおもしろみを感じる。

  • さほど期待しないで読み始めたんだけど、これがなかなか面白い!(笑)  人間という動物がどんな生き物なのかを狐目線で語ってくれちゃうというあたりが、なかなかいいなぁと思うんですよね。

    「狐が人を化かす」とか「霊験あらたかな白狐」といった日本人が古来から大切にしてきた伝承をベースにしつつ、そこに源平合戦の「鵯越え」のシーンを挿入(しかもそれをあからさまには書いていない)してみたり、「義経千本桜」という歌舞伎演目に登場する「狐忠信」をいやでも思い出しちゃう「キツネと佐藤忠信の友情(?)物語」が描かれたりと遊び心も満載です。

    この第1巻では巣立ち(独り立ち)を始めたばかりのフツーのキツネがどんな風に「人に化身できるようなフツーではないキツネ」になったのかにもかなりページを割いていて、その過程で人間の言葉を解するようになったり、人間に「狩られるもの」として追われたりと様々な経験をするんだけど、その一つ一つの経験の中でキツネが考えたり感じたりすることが実に「それらしくて」いいんですよね~。 



    かなり面白いのがキツネが白駒山でとある仙人と出会い修行に励む(?)日々の描写の部分です。  「人間を理解するために人間に化けられる狐になりたい!」という一途な思いでやる気満々のキツネをこの仙人が茶化したり冷やかしたりするんですよ。  でも決してキツネをバカにしているわけではなくて、そこにはキツネの想いを真正面から受け止めている懐の深さがあります。  人里で聞いたお坊さんの説教から「人間に化けられる狐になるためには人智を超えたような修行が必要」と思い込んでいる狐に対し、この仙人は

    「ぼうずのようなきつねだな、お前は。  こんなところにくるより、寺にでも行った方がよかったのではないか?  とは言え、この頃では、したい放題、やりたい放題の坊主が多い。  お前のような真面目な狐に来られては、坊主も迷惑するだろう。」

    などとのたまい、「修行第一とそれを誇るようなヤツは厳しい修行を経たという自己満足に浸っているにすぎない」とバッサリ・・・・。  ことあるごとに「修行」というキツネを仙人は「坊主のようなヤツだ」と笑うんだけど、ちゃんとキツネの望みどおり、化身できるように導いてゆき、最後は「白狐魔丸」という立派な(?)名前まで授けてくれます。

    この第1巻では修行の末にようやく自力で人に化けられるようになった狐だけど、最後のクライマックス・シーンまで、どうしても尻尾だけは消すこと(空にすること)ができずにいます。  その話が何気に説得力があると思うんですよね。  

    「狐の前足が人間の手に、後ろ足が足に、胴体が人間の胴体に、毛は着物に、そして頭と顔が人間の頭と顔に、それぞれ化身させることは、うまくできるものなのだ。  だが、尾はどうだ。  尾は何に変わるのだ?」

    そしてこの問いの後、仙人が語ることは日本の宗教観の中ではか☆な☆り重要な「空」とか「無」という言葉で、「それがわかるには、お前(狐)はまだ若すぎる。」と言うんだけど、これってキツネに語っているのと同時に読者である子供たちにも語っていると思えちゃうわけです。  で、禅問答みたいな「空」や「無」の講釈の後、又仙人は言うんですよ。

    「ほら、おまえの好きな言葉があったろう。  修行と言う言葉。  お前は修行が好きなのだから、尾が『空』に変わるように修行してみたらどうだ。」

    などと仰います。  この緩急の付け方が実に素晴らしいなぁと感じました。

    ふとしたきっかけで義経の都落ち一行と出会った白狐魔丸は多くの疑問を感じます。

    平家を滅ぼしたと言われる大将でも平家を皆殺しにしたわけではなさそうだ。  人間の、それも武士と呼ばれる人々がする戦とはいったい何なんだろう??

    兄弟に追われるとはどういうことなんだろう??  そんな人間の兄弟と言うものはどういうものなんだろう??

    人殺しを平気でやった武士が、落ちのびる過程で騎馬を放ち、「長生きしろ」などと言うのは、どうしてだろう??

    忠信の兄は屋島の合戦で義経の身代わりになって死んだという。  主人の身代わりになって死ぬのが、どうして幸せなんだろう??

    思い起こせば、子供時代に KiKi は白狐魔丸と同じような疑問を感じたことがありました。  そして、未だにこれらの疑問に上手く答えられる自信はないんだけど、そうであるだけに知らず知らずのうちに白狐魔丸の気持ちを我が物としていることに気が付かされました。  

    忠信の首を賞金稼ぎの山伏どもから守り抜こうとする白狐魔丸の想いは「人間とは摩訶不思議な生き物よ」と考えていたキツネのものではなく、人間、それも武士っぽくなってきているように感じられます。  そして忠信の遺志を受け継ぎ、義経に偽装して賞金稼ぎどもを翻弄しているうちに、白狐魔丸は「尾を空に化身させること」ができるようになります。

    まだまだ「霊験あらたかな白ぎつね」白狐魔丸としての人生(狐生?)は始まったばかりです。  彼がどんな風に「人間とは○○な生き物だ」という結論にたどり着くのか、興味は尽きません。  これは次作も楽しみな1冊だと感じました。  そのためにも今回、間違えて借りてきちゃった第3巻「洛中の火」に行く前に第2巻「蒙古の波」を読んでみたいものです。

  • 小学生でも読める本、というテーマの選書です。
    舞台は平安時代末期の源平合戦の時代で、主人公となるのは「きつね」です。
    人間を「化かす」と言い伝えられているのを聞いたきつねは、そのための修行の場である「白駒山」へと向かい、そこで出会った仙人のもとで修業を始めます。

    子供向けのファンタジー作品なので、少し描写に物足りない部分もありますが(どのようにして仙人はその力をみにつけたのか、またきつね(白狐魔丸)が能力を開眼する場面も「特殊な訓練」を積んだ様子もなく……)、登場人物の心理描写は細かく描かれていましたし、全体の物語展開は面白く感じました。

    なぜ、人は生きるため(獲物を捕まえて食べるためや、縄張りを確保するため)ではなく互いに殺しあうのか、という白狐魔丸の抱いた疑問は、現代社会でも繰り返される戦争の悲劇に想いを寄せることにもなりますし、小学生のころからぜひ読んでもらいたい作品です。

  • 増刷しているし、おすすめの本になっていることがあるので、図書館で借りてみた。

    きつねは、白駒山の仙人の弟子になって化身できるようになり、白狐魔丸を名乗る。
    自分を救ってくれた源義経一行と再会し、佐藤忠信の最期を見届ける。
    シリーズ一巻。

    はじめだからか、物語はゆるやかに進む。
    内容はというと、きつねが化身を覚えるあたりはおもしろい。
    立場や環境が変われば、考えは変わるものだということがわかるおはなし。
    この清潔な文章は好印象。
    関係ないけれど、ただのきつねだったときに猟師から逃げるシーン、『オオカミ王ロボ』と『レッド・フォックス』を読んだことがあったのでわかりやすかった。
    というか、この追われるシーンも、殺すことと殺されることを描いていたんだなぁ。
    こう考えると、義経のシーンはあのくらいでよかったのかも……とにかく、二巻も読んでみます。

  • 狐が、修行をして、いろんなものに化けられるようになる。そして、歴史上の人物に関わっていきます。人間の愚かさとか忠誠心とか、狐が出会う感情に寄り添いながら、進んでいくのが面白かったです。

  • 「子どもを本好きにする10の秘訣」>「昔話・神話・歴史」で紹介された本。

  • 白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになったきつね、白狐魔丸の人間探求の物語。世にいう「源平の戦い」にまきこまれたきつねが、兄頼朝に追われ落ちゆく源義経一行に同行、武士の無情を目のあたりにする。

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