洛中の火 (白狐魔記 3)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037442309

感想・レビュー・書評

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  • 白狐魔記3冊目!

    前回の蒙古襲来から51年後。
    室町時代の武士を見守る狐さんです。

    後醍醐天皇に足利尊氏、楠木正成たちが登場する
    鎌倉から室町幕府、南北朝時代のゴタゴタ編だったので、少し複雑になったな、という印象。
    そもそもそんなに面白みのないよね、室町幕府らへん。後醍醐天皇、嫌な奴だし。(主観です)

    時代を下っていくごとに、
    武士の生き方とか価値観も変わっていくわけだけど
    そこに対する狐さんのコメントが見どころ。
    人間と武士を冷静に観察しているから、おもしろい視点になるんだ。

    「やっぱり武士は嫌いだ」
    と言っていた狐さんが、最後の場面では武士の切腹と自害を手伝う。武士は嫌いだけど人間のことは好きなんだ。

  • 歴史を簡潔にまとめてあるので室町時代の知らなかった数々も分かりやすく、最後のページに年表もあるので知識が増える。こういう本はたくさん読みたい。中盤に入ったので少し休憩してから読むか悩み中。

  • いろんな人が死んじゃって、さびしいなと思った。みんな、立場がちがって戦わなければならなかったけど、いい人だった。つねひめのふくしゅうはいつまで続くんだろう。
    楠木正成は、勇もうな武将だと思う。でも、戦は嫌いな人だった。ぼくも、戦争は嫌いだから、同じ。その楠木正成も死んじゃった。
    全体的にさびしい話だった。(小5)

  • このシリーズはすごくハマる。
    楠木正成、かっこ良すぎる…。

    後醍醐、足利尊氏、新田義貞あたり、ごちゃごちゃになっていたけどスッキリまとまった。

  • 武士の世に生きていたら自分はどう生きただろうか。
    主人のために死を選ぶ事ができるのだろうか。

    白狐魔丸と仲良くなった武士たちは大体みんな死んでしまって、なんだか虚しさが残る。
    戦の理由は大抵権力争いで、人が死なないだけで大なり小なり諍いは現代でも起きている。
    いつの世も争いばかりでイヤになる。

    白狐魔丸は楽しんで修行をしている。
    確かに自分の成長を実感しながらの鍛錬は楽しい。
    自分も修行したくなった。何をしようか。

    白狐魔記を読むと、昔勉強した歴史を思い出す。
    今なら教科書の内容よりももう少し深く歴史を学べる気がするし、学びたいとも思う。

  • 今回は室町時代のゴタゴタ編。
    学校で習ったときも結局あやふやなまま放置してたし、読んでるときも「あれ?どっちが誰の味方?誰と敵対してるの?」となってちょっと辛くなってしまった。
    でも、それでも、兄弟喧嘩というテーマは一貫しているので、それを追っていくことで、なんとか狐さんについていくことができた。次の巻は織田信長。彼は有名人だからまだ大丈夫なはず、と信じたい。

  • 日本史には疎いもので…建武の新政とか中学以来に思い出したー南北朝とか…。一回では歴史の動きが理解できなかったので、読み返します。

    雅姫活躍で嬉しい。
    好きになったら人も種族も関係ないタイプ(^^)d
    時輔との吉野でのエピソードがまた素敵。
    白狐魔丸の真面目で初なところがかわいく、いろいろ経験してますがこのまま素直に育ってほしいです(?)。

    佐藤忠信のことがなんだか手の届かない理想の人になっており、もえます。
    時代が飛び飛びだからか、壮大な切なさです、デイルマーク的。
    あぁ文庫か新書ででないかなぁ。

  •  本書はシリーズ3巻ですが、これまでで一番複雑で面白かったです。1巻はほとんど設定の紹介で終わってしまい、源平の史実との関わりが描かれる余裕がありませんでした。2巻は蒙古襲来にまつわるできごとのうちのほんのわずか2、3シーンを切り取って描写した一方で、超能力の描写と役割が大きな部分を占めていたという印象でした。それに対して3巻では、言及のみで登場した足利尊氏や後醍醐天皇も含めると登場人物がだいぶ多く、それらの関係がある程度複雑です。時間的にも尊氏が幕府側だった時から、後醍醐天皇についた時、後醍醐天皇と戦った時までいたり、ある程度の時間にわたって情勢の変化が描写されています。その史実の中に、白狐魔記の主人公白狐魔丸とその他のオリジナルキャラクターが絡んで、このお話ならではの歴史の裏側を描いてみせているところが面白いです。

     次第に超能力者として経験を積み、長寿で、能力も拡大している白狐魔丸は、だんだんと超人ロックみたいな存在になってきているような気がしなくもないです。このお話で白狐魔丸は武士や戦が嫌いだ、と言い続けていますが、様々な人の生死が通り過ぎていくと、だんだんすれて、達観していくのが自然なのかもしれないなあ、白狐魔丸はそんな風なんだろうかそれとも慣れないんだろうかなどと思いながら読みました。

     うちの子はまだ小三で歴史も習っておらず、つらいかな、と心配しながら読み聞かせをしたんですが、なんとかついてきていたみたいですね。それなりに楽しんだようです。

  • 白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになった狐、白狐魔丸の人間探求の物語。元の襲来時に、天の「気」をうごかし嵐をおこした白狐魔丸。こんどの活躍は、五十一年後、時は室町時代初期。楠木正成という武将と出会う。

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著者プロフィール

1952年、東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。1986年、『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞受賞、同作でデビュー。1988年、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞受賞。2013年、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞受賞。「どうわがいっぱい」シリーズの作品に、「もぐら」シリーズ、「ペンギン」シリーズなどがある。

「2022年 『がっこうのおばけずかん シールブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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