りかさん

著者 : 梨木香歩
  • 偕成社 (1999年12月1日発売)
3.72
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  • 本棚登録 :553
  • レビュー :65
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037444204

りかさんの感想・レビュー・書評

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  • 近所の博物館で催されていた「ひいな展」に寄せてもらった。
    その時の 御殿飾りの雛、享保雛、立ち雛…
    を 解説付きで見させてもらった
    その時の 解説をしてくださった方が
    「これらのお雛様を飾るとき、その雛人形たちがいっぱい話しかけてくださるのです」
    というお話しを聞いた

    その話しを行きつけの図書館の司書さんにお話ししたところ
    ぜひ この 一冊を と 手渡された

    ファンタジーは事実をなぞる
    出逢て良かった 一冊です

  • 児童書なので、1時間くらいで読める短さ。でももっとたくさんのりかさんの話を読んでみたかったなあ。
    この人の本をたくさん読んでるわけじゃないけど、なんかふわふわしてとらえどころがないっていうか、なんかちょっと現実から不思議にブレてるイメージがあった。すごくオリジナルな世界なので、没頭するというよりは鑑賞する感じ。
    でもこれは今まで読んだこの人の本より、作品の世界との距離が近かったような気がする。すんなり入り込めた。
    りかさんがすごく素敵だし、人形たちの存在感がすごい。不気味だけど、ユニークで愛らしくもあり。
    アビゲイルの話は泣いてしまった。
    「人形たちは可愛がられることが使命なの」っていう言葉にうるる。こどもたちもそのためにうまれてくるのだ。

  • 思わずほったらかしてあった人形の髪の毛を梳かしてしまいました(笑)。世界のすべてに命があるように感じる子どもの頃。その感じを残したまま大人になる人もいるのですね。後篇、人形が語る秘密の話に涙が止まりませんでした。平和の大切さってわかる人とわからない人がいるのでしょうか。平和を大切に思う人の小さな声が世の中を変えるといいのに。

  • わたしが初めて読んだ梨木作品で、彼女の文章に魅了されるきっかけとなった作品。
    ようこと「いいお人形」りかさんとの小さな冒険のお話。
    ー「いいお人形は、吸い取り紙のように感情の濁りの部分だけ吸いとっていく」ー

    「お人形」の少し怖くて妖しい、でもどうしようもなく魅力的な世界にわくわくさせられた。いわゆる児童書だけど、読み込ませる魅力の詰まった本なので是非手に取ってみてください。

  • 『からくりからくさ』以前のお話。
    ぜひ併せて読んでいただきたい。
    児童書だといって侮るなかれ。

    リカちゃん人形をおばあちゃんにおねだりしたようこであったが、
    彼女の手元に届いたのは、市松人形の「りかさん」だった。
    はじめはショックを隠しきれなかったようこも
    次第にりかさんと心を通わすようになり、
    同時に人形の声を聞くことができるようになった。
    そしてようこは、自分や登美子の家に伝わる人形たちの深い歴史を旅する。

    かつて私も、スリーピング・アイを持った
    ジェニーちゃんという名のドールを持っていました。
    だのに私は彼女がいつ我が家からいなくなったのかも忘れてしまった…。
    もっと大切にすれば良かったな。
    彼女は私の家に来れて幸せだったのだろうか。

    自分の子供を嬲り殺したりする親がいるこの時代に
    人間はもちろんのことモノにも歴史が、たくさんの物語があって
    大切に守り愛していくことが大切なんだと伝えるこの本は
    ものすごい戦いを挑んでいると思う。
    でも、私はこの本を
    たくさんの子供たちに(大人たちにも)読んで欲しいな。

    あんまり強すぎる思いは、その人の形からはみだしちゃって、
       そばにいる気持ちの薄い人の形に移ることがある。それが人形。
    歴史って裏にいろんな人の思いが地層のように積もっていくんだねぇ。
    ―― 動けば汐がかかるじゃろう。汐がかかれば切なかろう。
    因縁も結局、縁だからね、なにがどうひるがえって
       見事な花を咲かすかわからないもの。

  • 「からくりからくさ」の主人公である蓉子がりかさんを祖母である麻から受け取り、子供ながらに人形の抱える念とその念に惑わされる人の業を学んでゆくという話である。漢字にルビが振ってあるところを見ると、対象にしているのは主人公である、ようこ、と同じ位の年頃、ようやく一人でバスに乗れるようになった位、の子供のようである。しかし、これは決して児童文学にありがちな一層のみお話しではなくて、むしろ「からくりからくさ」の番外編として多層的に読んで面白いものだと思う。「からくりからくさ」はミステリー風の異次元物語という調子の話で、本の中で一応の解決を見てはいるけれども、多くは語られていない謎も沢山あり、そのことがもやもやとしている向きにはこの本はオススメだと思う。じぶんも一つそんな胸のつかえ取れた。

    りかさんが蓉子のところへ来た訳は「からくりからくさ」でも簡単に紹介されていたが、この物語はまさにその場面から始まる。蓉子もいまだひらがなの、ようこ、であり、祖母の麻も健在である。更に、「からくりからくさ」で最後の方に登場する幼なじみの登美子ちゃんも重要な役割を担って登場する。更には4人の女性の生い立ちに迫るエピソードも人形の語る話として出てくるに至って、先に「からくりからくさ」を読んだものは、内心にんまりする場面が多数あるだろう。しかし、そういう何かシリーズものにあるような、半分見えている楽屋落ちにだけ、この本の価値がある訳ではないことは間違い無い。

    「からくりからくさ」では著者である梨木香歩の植物に対する念のようなものがとても強く、うっかりするとその念にしばれれて二進も三進もいかなくなるような感じに囚われがちだったが、この「りかさん」ではそんな念に囚われることもなく、梨木香歩の異次元世界にすんなり入りこめる。もしかしたら、想定読者層が若いせいなのかもしれないが、時々著者の内側から、作中の人物を通して現の世に表われて来ようとする植物の念が、やんわりと、ようこ、の視点で受け流され、読むものを縛りつけることがない。そこには「家守綺譚」で描かれたような、さらりと夢と現を行き来する粋のようなものがあって、読ませるという意味では力が抜けたような感じが、反って好感が持てる。唯一、物語の中でようこに絡みつく老桜の念がはっきりと登場する場面があったがこのエピソードは例外的で、この本の中で念を持っているのは、人と人形、だけとなっている。面白いのは、人形の念はりかさんや麻やようこによって次々と明るみに出て、解決を見るのに対し、人の念は一向に埒が明かないままである、ということだ。人には念もあるが業もあり、一筋縄では行かない様子が語るともなしに語られている。そんなところに梨木香歩の観察眼を感じて、感心してしまったりもする。

    そもそも植物をじっくり観察するような眼を持った作者のことだから、動かないもの、あるいは動かないと一般には思われているようなものから気を感じる力には長けているのだろうと思う。もちろん、口数の決して多くないそのようなものたちと語る力があるのであるから、口を開くことを生業としているものから気を感じることなど容易である筈だと想像する。にも拘わらず、人形や植物、というところがもっぱらの対象であるのは、どこか口のついた存在から発せられる雑音のような念と業の強さに押されて、自ら戸を立てているということなのだろうか、と実は改めて思ったりもした。その対比は言ってみれば夢と現の対比と取れないこともなく、足の置き方として夢に偏りがちだったバランスをうまく現へ戻し、かつその絶妙の落とし所を見つけて結実したのが「家守綺譚」だったのだなあ、と「りかさん」を読んで納得した。つまり、そのバランスへ至る道のりの中間にこの「りかさん」があるように思えるのだ。という訳で、「からくりからくさ」を読んで少し構えることになっていた自分の梨木香歩に対する気持ちは、うまくこの本を読んでほぐすことができた。そのことが自分にとって一番の収穫だったように思う。

    さて、この本で一つ胸のつかえが取れたと最初に書いた。それは人形の名前のことである。りかさんは、ようこがリカちゃん人形が欲しいと麻に言ったことでようこにもらわれることになったので、何となく、リカちゃん、が、りかさん、になったこと位のように思っていたのだが、考えて見れば、既に祖母の麻のところにいた時から、りか、と呼ばれていたのであり、リカちゃん人形とは関係のないことは気づいていて然るべきだった。ではその名前の由来、あるいは象徴するものはなんであろう。実は、それが理科ではないか、と思うに至ったのだ。麻が教師をしていた時に教えていたのは理科だった。であれば多分、りかとは理科のことであろう。しかし、りかは麻のところに来る前からりかだったのだろうか、それとも麻がりかと名前を付け直したのだろうか。あるいは、りか、という名前に惹かれて麻は理科を教えるような職業に付くようになったのだろうか。取れた筈のつかえはやはり残ったままなのかもしれない。

  • 図書館から借りて読む。
    懐かしい雰囲気のお話で、始終安心して読むことができた。なんでも知っていて頼れるおばあちゃんと、優しくて気立ての良いお姉ちゃんが欲しくなるようなお話。
    少し難しい言葉遣いもあるが、娘が小学4年生くらいになったら勧めてあげたい。

  • 叔母から借りて。
    いずれ再読したい。
    レビューはその時に。

  • 2014年9月読了
    内田善美の漫画が読みたくなりました。自分は、子どもの頃にちゃんと人形遊びができただろうかと心配になった。

  • からくりからくさを読み終えてから少し間をおいて手に取った。

    読んでいる間ずっと、「西の魔女…」と同じ安心感に包まれている感じがした。この世界のことをよく知っていて、どんなことにも動じない、とても信頼できる大人がそばにいる…という感じ。

    自身の経験との共鳴かもしれない。

    私が社会人になり結婚して間もなく亡くなった祖母。田舎から息子(私の父)を訪ねてくる時は、いつも和服に羽織を重ねた正装だった。苦労に苦労を重ねた祖母は、再婚して改姓していたが、父のところへは定期的に顔を見に来た。

    祖母は何でも知っていて、どんなこともくしゃくしゃの笑顔でやり過ごしていた。

    祖母のそばにいるのが好きだった。

    このことを、読み終えて思い出したのだ。

    アビゲイルの話は、胸の奥からうめき声が出てしまっていたくらいに辛かった。比佐子の苦しみが苦しみとして出せなかった時代の日本を思う時、それは私の父の子供時代や、若かった祖母の日々に重なる。

    多くの人間や人形の魂が、その重さに見向きもされないままに消えていったことだろう。

    からくりからくさの、りかさんの最期を思い出した。彼女は…きっと幸せの中で燃えたのだと思えるようになった。

    梨木作品の妖しさとあたたかさには、いつもやられてしまう。心にしみて、しばらくは動けない。

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