軽装版 虚空の旅人 (軽装版 偕成社ポッシュ)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037500504

感想・レビュー・書評

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  • 守り人シリーズ、4作品目。

    これまで、新ヨゴ皇国、カンバル王国が舞台だったのが、一気に世界が広がっていく。と同時に、侵略、戦争といったきな臭いものが漂ってくる。

    2つの序章の、読む側を惹きつける強さが素晴らしい。哀しい運命のエーシャナと、これまた悲しい運命になってしまったスリナァ。ここから、バルサやチャグムとどう繋がっていくのか、先を急ぎたくなる見事な書きっぷり。

    チャグムの新ヨゴ皇国と、隣国で多くの島を有して海を抱くサンガル王国の王家のあり方の違いなどが見事に描かれている。上橋さんの知識の深さに圧倒される。フィールドワークが源泉になっているようにも感じた。

    終盤になって、あれ、これ、バルサ出てこないんだ、と気づく(笑)

    無事に冤罪が晴れて、王家に戻ったタルサン。しかし、タルシュ帝国の侵略に反撃すべく、生き生きと出陣するタルサンと、チャグムとの間に横たわる深い溝が悲しかった。似通った熱い想いを持っている二人なのに・・・。

    そして、ラストシーンのチャグムとシュガのやり取りは胸に迫る。チャグムの人となりをよく表すシーンだった。こんな二人が国を守っていけば最強だろうと、短絡的に思いそうになるが、そうはいかないのが、これから続くシリーズでわかっていくのだろう・・・。

  • イラストが変わったと思ったら、バルサが出てこない。チャグムの物語だった。

  • 今回の物語の主人公チャグム。
    彼が、過去の経験(たくさんの人に助けられたこと)から、同じ行動を取る場面が感動的だった。

    色んな人に支え・見えない自然の流れを忘れて、目の前の利益に走る者の描写は、教訓だと思う。

  • これまでのシリーズ史上もっとももどかしく、だからこそ人間味があるというか、共感する内容となっている。というのも、バルサもトロガイも出てこないため、「ここでうまくやっつけてくれる!」という人がいない。そのため、チャグムやシュガが自らの能力を限界まで発揮しつつも、勧善懲悪とはならない感じ。だがそれがよい(笑)
    そしてサンガル家のしたたかな女性たち!純粋な心だけでは政治の世界は生きられないのよと言わんばかりに手練手管を披露していく。これは果たして子供向けの本なのだろうかと思ってしまう。
    自分が南海の生まれ(でも船に酔う)ということもあり、非常に楽しく読めました。

  • スリナァのパートを読んでいるとき複眼人が思い出された。
    サルーナは優しくて格好良いな。
    チャグムとシュガは良いコンビになってきたな。

  • 2021.01.20.読了

    精霊の守り人シリーズ 4弾

    チャグムは本当に成長したなぁ
    精霊の卵を宿した時が11歳
    そしてこの話は14歳
    まだ14歳!

    シュガも頼もしくなってきたし、
    次のお話が楽しみで仕方ないわ〜

    この本はいくつくらいの子供を対象としてるのかな。
    小学校高学年くらいで読んでたら、
    少しその後が変わっていたかも。

  • こうあるとワクワクする、という内容を楽しめる巻です。何度目か読ですが、忘れっぽいので、今後どうなるんだっけとソワソワ。

  • 「番外編」と聞いていたので、先に本編「神の守り人」を読んだのだが、これは順番どおりに読むべきだと痛感。

  • 精霊の守り人後、頑張っているチャグムのある事件。
    結構むちゃしてます(笑)

  • チャグムの成長に驚いた。
    本編はバルサ中心の守り人シリーズとは異なるチャグの物語。シュガがチャグムに誓う場面が印象的。チャグムが「陰謀の存在を知りながら、誰かを見殺しにするようなことを、けっして、わたしにさせるな」と言い、それをシュガが約束する。そして後日「清い、かがやく魂を見に秘めたままで、政を行える方がいることを、私は信じます」と。
    人の世にはダークなものがあり、それと同じくらいきれいなものがあると、物語に触れて改めて思った。

著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上橋菜穂子の作品

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