軽装版 天と地の守り人<第2部>カンバル王国編 (軽装版 偕成社ポッシュ)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037501006

作品紹介・あらすじ

国々の存亡をかけ、チャグムとバルサはカンバル王国へむかうしかし、カルバル王の側近には、タルシュ帝国に内通している者がいた!壮大な物語の最終章『天と地の守り人』三部作の第二部。

感想・レビュー・書評

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  • チャグムとバルサは、カンバル王に会うために北へ向かう。
    タルシュの刺客に追われ、追いつかれ、カシャルに助けられ、牧童たちに助けを請い・・・

    これまでの物語で出てきた人たちが再び登場して、チャグムとバルサに関わってくる。こんな楽しさはこのシリーズが長く、壮大だからこそ。

    絶大な力を誇るタルシュに北の国々はどう立ち向かっていくのか。もう八方ふさがりか、枝国になるのが最善でなくても生き残る道なのか、ハラハラしながら読み進めた。

    まるで歴史小説のようだったところに、異なる世界ナユグの影響がこちらの世界にも大きな影響を及ぼすことがわかってくる。絶妙なタイミングで上橋ファンタジーが・・・!

    北からは天災が、南からは戦が。

    バルサに新ヨゴ皇国への伝令は任せて、カンバル兵に扮してロタへ向かうチャグム。立派になって・・・(涙)

    いよいよ、最終巻へ進む。

  • チャグムが王子らしく成長していく。

  • 守り人シリーズ最終章の、中巻。カンバル王国編。
    精霊の守り人以来の、バルサとチャグムの二人の主人公が一緒に旅する物語。というか、実は精霊とこの天と地の中巻だけだよね。
    なんといってもホイ(捨て荷)のエピソードが秀逸。
    途中でこの話が出てきたときは、なんでここにこの話が必要なんだろうかと訝しんだが、あとで出てきたときはめちゃくちゃ納得!!チャグムの、実は持っていた皇太子としてのプライドとの葛藤が、ホイの話で見事に辻褄があって、震えました。
    しかしこの二人、先にも書いたが、これまでのシリーズで互いに常に想い合いながら話が進んできたのに、ここでともにバルサの故郷を旅しながら、また分かれ、最終章ではまったく会わない。なんだか不思議。最後にバルサがチャグムにかける話もすてき。母上だったらもっと優しい言葉をかけてやれたろう、って、バルサはチャグムの母上というよりも父的存在なんだろうなぁ。

  • 最後のチャグムのホイが出た時、なるほど~とうなってしまった。このシリーズを読み始めた時は、これこそファンタジー!って感じたけど、最後のこの話はすごい現実感がある。地に足がついているというか、うまく言えないけど。もう次でラスト!読みたいけど、終わってほしくない!

  • ほっ。

    チャムグとバルサの旅。
    少しの望みをかける旅。
    そのなかにカシャル(猟犬)のシハナも登場。

    ロタ王国とカンバル王国が飲み込まれる~っと思いながら、
    早く両国ともチャグムに遭って~って願いながら。

    カンバル王国は、1とは違い、ナユグの世界にとても近い民が多くすんでいるから、そして権力者とこの民が共存している国だから、戦いや戦略だけでなく、楽しかった。


    ナユグの世界が徐々に重なってきている。

    3冊め即突入です。今夜は読み終わってすっきりして寝るぞ♪

  • 守り人シリーズ最終作3部の2。
    帝国が攻めてくるのも間近。
    皇太子チャグムは、故国では死んだとされて既に葬儀までされている身。
    自治とは名目ばかりの帝国のやり方を知っているチャグム。
    同盟して立ち上がろうと説くのだが…
    苦難の旅路だが、描写の所々にある美しさにうたれます。
    いいことも少しはある、ふくれっ面をしていた小さな男の子が今は一人前の男としてここにいる、とバルサが言うように。

  • これだけの話を構想無しで書き上げてるだなんて、なんてこと!!!!
    あの人が気になる、あの人…主人公ではないけれど、あの人がいなくなれば守り人の世界観は乾いてしまう気がする。いなくなってしまうと思うだけで、胃が裏がえるような気分になるなんて。

  • 第二部に入って二人の旅は、より厳しさを増してきた。
    チャグムをつけ狙う刺客、旅人を襲う山賊など道を阻むもの、敵か味方か判断が難しいものが大量に出てきた。

    何度も傷つきながらもチャグムを必死で守るバルサ。
    大人び、王たる資質を持ち始めながらも、若者らしい熱さの残るチャグム。
    今まではどこか傍観しながら読み進めていたが、今回はまるで自分自身が彼らに乗り移ったかのような共感を得た。

    第三部では、二手に分かれ行動するバルサとチャグム。
    二人の行く末にどのような未来が待ち受けているのか、いよいよ第三部で完結。

    あー終わっちゃうのかぁ。

  • やっとバルサとチャグムが一緒に旅できる嬉しさと、待ち受ける未来の暗さの中で、それでも一生懸命生きる人々がいる。それぞれの思惑が絡み合って本当に大きなうねりとなって物語が動いている。時々見られるバルサとチャグムのやりとりが微笑ましい。次巻ついに結末。長かった旅も終わってしまうんだろう。それが少し寂しい。

  • 「アラム・ライ・ラ」
    山々がお日さまに恋をしていて、いとしいお日さまが眠りに
    つく前に、頬を撫でると、山が頬を染めているって素敵だなと思っていたら
    再びその言葉があらわれるなんて。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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