- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784038144103
感想・レビュー・書評
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(後半と合わせての所感)
中1という思春期に差し掛かる頃の生徒たちの1年を見つめたクラス小説。特定の誰かではなくクラスメイト全員をそれぞれの章で取り上げ描いた作品。
クラスには当然色々な子がいるわけで、可愛い子、しっかり者、意地悪する子、だらしのない子、家庭に事情がある子、彼らがクラスで織りなす人間関係は決して綺麗事ではなくて、でもその一つ一つがまさにこの年代の子どもたちにあるよなあということばかり。当然担任もその中で右往左往するわけだけど、1年が経って様々なエピソードを経た最後には確かに生徒たちの成長に触れられる作品です
自分と重なるキャラを見つけられれば一層共感すること間違いなし!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろい!
ある時期から森絵都の作風が変わってしまった気がして
読まなくなっていたけれど、
これは俺が気に入っていた頃の森絵都だ。
少子化で1学年に2クラスしかなく、1クラス男女12名づつのこじんまりしたクラスメイト一人一人の短編で
話が繋がって行く。
その誰もが色々な悩みや不安や問題を抱えていて、
学生時代をとうに過ぎた世代も現役世代も誰かっしらの話に共感したり出来るのではないだろうか。
彼等が後期でどうなって行くのかとても気になる! -
後期にて。
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やっぱり児童書の森絵都さんがすき!
と、再認識。中学生へ進学したクラスメイトひとりひとりの心情を丁寧に描いている。
人間関係が少しずつ煩わしいものどと気づいたり、男女のあれこれに敏感になったり、家庭環境でイライラしたり、本当色々だよねっていうのが詰まった前編。
読み切るのが惜しくてひとりひとりのお話にとても時間をかけて読みました。後期も楽しみ! -
中学1年生の1クラス24人の生徒が、1人ずつ主人公になった連作短編集。
入学から始まって、そのまま季節が進んでいくという構成。
そのうちの「前期」、12人の話。
私が1番印象に残ったのが、陸くんが夏休みに公園で、入学早々不登校になってしまった田町さんと出会う「夏のぬけがら」です。
小学生から中学生になると、世界が大きく変わってしまう。
そんな中で居場所をなくしてしまった田町さん。
田町さんのことがとても気になりますが、田町さんの話が載っているのは「後期」です。 -
読んでほしい人は小、中学生の子供がいる人に読んでほしいです!1人1人のクラスメイトの本当の気持ちなどが分かってとても面白いです。
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単なるキュンキュンではない
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中学1年生の1年間を24人のクラスメイトそれぞれのストーリーで綴った連作短編集。
一人ひとりに、焦点をあてた作りが非常に面白い。
自分に似たタイプ、全然違うタイプ、24人全員が個性を持っている。
それぞれの子の時間を覗きながら、追体験できて楽しかった。
前期でのお気に入りは、陸くん、かな。 -
森絵都さんのYAにどっぷりつかった中学生時代。
YA作品はいまも好きで、とり上げられた本やきになったものは定期的にチェックしているけど、こんなに、ほっとしたのは久しぶり。
今の中高生のリアルを追いかけたら、(しょうがないのはわかるんだけど)SNSツールの使い方にずっともにょるものが多くて…
だけどこの作品は、いつの時代の子も感じる繊細な思いを大事に掬っていて懐かしさも感じつつ、きっと今の中高生にも響くと思った。