- 本 ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784038502002
感想・レビュー・書評
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「コタンの口笛(第二部・下)」石森延男著、偕成社文庫、1976.12.
268p ¥735 C8393 (2024.06.13読了)(2024.06.07借入)(2008.10./改訂1)
副題「光の歌」
アイヌの姉弟、マサとユタカの物語、最終巻です。この間は、ほぼ姉のマサの話に終始しています。
マサは、ユリ子と一緒にお風呂に入ることになり毛深い体をみられることを恐れます。その日は、何とか見られず済みました。その日以来自己嫌悪にさいなまれるようになります。
マサは、吹雪の夜に外に飛び出し雪の中に倒れ、低体温症の状態で、助けられます。
それ以後、体力回復までの間、学校を休むことになります。
この本では、毛深い体の劣等感から抜け出せたのかどうかが書かれていません。自己嫌悪からは抜け出せてはいます。ユリ子さんにお風呂で背中を流してもらえるようになってるといいのですが。
後藤百貨店が火事になった後、後藤家の人びとが急にいい人になっています。ちょっと安易なのではないでしょうか。
子供向けの話なんだからということで片付けていいようには思いません。
【目次】
16 クリスマス
17 おふろ
18 木彫り
19 心のあらし
20 二つの握手
21 いやです
22 火事
23 ベニヒワ
24 青いカーテン
25 堅雪渡り
26 クナウ・ノンノ(福寿草)
27 腕時計
28 卒業の日
29 白い直球
30 光のなかを
注
解説 村松定孝
☆関連書籍(既読)
「コタンの口笛(第一部・上)」石森延男著、偕成社文庫、1976.09.
「コタンの口笛(第一部・下)」石森延男著、偕成社文庫、1976.10.
「コタンの口笛(第二部・上)」石森延男著、偕成社文庫、1976.12.
「カムイ・ユーカラ」山本多助著、平凡社ライブラリー、1993.11.15
「アイヌ人物誌」松浦武四郎著・更科源蔵・吉田豊訳、平凡社ライブラリー、2002.01.09
「知里幸恵『アイヌ神謡集』」中川裕著、NHK出版、2022.09.01
「ゴールデンカムイ(1)」野田サトル著、集英社、2015.01.24
(表紙カバーより)
コタンにくらすアイヌゆえの差別にくるしんだマサとユタカの姉弟は運命にもてあそばれながらも自己をみいだしぎゃくに運命をあやつる力を身につける詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
偕成社の案内
「アイヌゆえの差別に苦しんだマサとユタカは、運命にもてあそばれながらも自己を見い出し、ぎゃくに運命をあやつる力を身につける。」
今思えば、チョッと良い終わり方過ぎる気もするのですが、子ども頃は、とっても感動したのでした。。。
石森延男の作品





