炎のように鳥のように (偕成社文庫 4069)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784038506901

作品紹介・あらすじ

天武天皇の王子だが気弱でやさしい草壁と、父とともに落ちのびた吉野で草壁が知りあった国栖の野性児・小鹿。壬申の乱を経て天武が権力を握っていく大きな歴史の渦に巻きこまれながらも、流れに抗いみずからの生を生きようとする二人の少年の目をとおして激動の時代を描く壮大な叙事詩。中学から。

感想・レビュー・書評

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  • PHPの皆川博子さんエッセイで気になり読みました。
    壬申の乱をモチーフに、草壁皇子と国栖の小鹿というふたりの少年が代わる代わる描かれます。
    児童書になるのかもだけれど、語り口こそちょっと易しいけれど心理描写は易しくなくいつもの皆川さんで重苦しくて良かったです。
    絵が怖いので児童の頃には手に取ってないだろうけど、子ども向けの絵にしたら合わないだろうし……壬申の乱は大津皇子の悲劇と、草壁皇子の母親は持統天皇かぁみたいなところを日本史では教わった気がしますが、草壁皇子や他の皇子や皇女たちも魅力的でした。
    そこにいるかのような風景や風俗の描写もさすがです。
    解説の、皆川さんの金のバラのブローチからの「少年の裏側の弁護の象徴」が好きでした。この頃はまだ、児童書と時代物を主に書かれてた頃なのか。。

  • 皇子と小鹿が変わらないのに対し、周りがどんどん変わっていく様が作者らしく書かれているなと
    それにしても挿絵怖いすぎる

  • 壬申の乱を舞台にした歴史小説です。主人公の一人は草壁皇子、もう一人は山の民オジカ。戦乱と政争を背景に接点など何もないのに、ときおり交錯する二人の人生。そしてあまりにも違いすぎる相手を忘れられない二人。友情とさえ呼べない、はかない二人の絆が、せつないです。それでも誇り高く足を踏み出していくオジカは、すごくカッコイイのです。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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