- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784038506901
作品紹介・あらすじ
天武天皇の王子だが気弱でやさしい草壁と、父とともに落ちのびた吉野で草壁が知りあった国栖の野性児・小鹿。壬申の乱を経て天武が権力を握っていく大きな歴史の渦に巻きこまれながらも、流れに抗いみずからの生を生きようとする二人の少年の目をとおして激動の時代を描く壮大な叙事詩。中学から。
感想・レビュー・書評
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PHPの皆川博子さんエッセイで気になり読みました。
壬申の乱をモチーフに、草壁皇子と国栖の小鹿というふたりの少年が代わる代わる描かれます。
児童書になるのかもだけれど、語り口こそちょっと易しいけれど心理描写は易しくなくいつもの皆川さんで重苦しくて良かったです。
絵が怖いので児童の頃には手に取ってないだろうけど、子ども向けの絵にしたら合わないだろうし……壬申の乱は大津皇子の悲劇と、草壁皇子の母親は持統天皇かぁみたいなところを日本史では教わった気がしますが、草壁皇子や他の皇子や皇女たちも魅力的でした。
そこにいるかのような風景や風俗の描写もさすがです。
解説の、皆川さんの金のバラのブローチからの「少年の裏側の弁護の象徴」が好きでした。この頃はまだ、児童書と時代物を主に書かれてた頃なのか。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
皇子と小鹿が変わらないのに対し、周りがどんどん変わっていく様が作者らしく書かれているなと
それにしても挿絵怖いすぎる -
壬申の乱を舞台にした歴史小説です。主人公の一人は草壁皇子、もう一人は山の民オジカ。戦乱と政争を背景に接点など何もないのに、ときおり交錯する二人の人生。そしてあまりにも違いすぎる相手を忘れられない二人。友情とさえ呼べない、はかない二人の絆が、せつないです。それでも誇り高く足を踏み出していくオジカは、すごくカッコイイのです。