鈴の鳴る道 花の詩画集

  • 偕成社 (1986年1月1日発売)
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本 ・本 (94ページ) / ISBN・EAN: 9784039632906

感想・レビュー・書評

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  •  こちらの詩画集も義母から借りました。これまで読んできた詩画集とは違ってて、読みにくい漢字にはふりがなが添えてあります。そして、草花だけでなく、日常生活の景色とか何故か豚とか?の絵もあったりします。星野富弘さんは、「…花だけでなく景色も動物も私にとっては美しいのです…」と作中に記しています。そして、前のレビューではお母様への思いはたくさん感じられるけれど、奥様への思いを表した詩画が少ないとのでは…と残してしまいましたが、いえ違いました!!この詩画集には奥様への愛が溢れています。

     というのも星野富弘さんが、どのようにしてこの詩画集を含めてどんな風に作品を完成させていくのかが書かれているからです。奥様なくして詩画集の完成はありません。一日2時間筆を咥え、筆の種類や絵の具の色などはすべて奥様に指示されており、午後は口述筆記で随筆を完成させる…詩画集は二人の子どものようなものと、おっしゃっています。

     そして、表紙の1984年に描かれた“秋のあじさい”…

      『一日は 白い紙
      消えないインクで文字を書く
      あせない絵の具で色を塗る
      太く、細く
      時には ふるえながら
      一日に一枚
      神様がめくる 白い紙に
      今日という日を綴る』

     やっぱり素敵だなって…いのちは自然から派生しているもの、そして花を描いてやるじゃなく、描かせてもらっている…収められている詩画、すべて素敵でした。いのちの尊さ、やさしさをいっぱい感じ取れます。改めまして、素敵な詩画を生み出してくれた星野富弘さんの御冥福をお祈りします。いつか、富弘美術館を訪ねたいと思ってます。

    • ぐっちょんさん
      星野富弘さん…
      懐かしいなぁ
      実家の母親が好きで、昔読んだのを思い出しました。カレンダーも貼ってたり
      調べたら、先月亡くなったんですね…知ら...
      星野富弘さん…
      懐かしいなぁ
      実家の母親が好きで、昔読んだのを思い出しました。カレンダーも貼ってたり
      調べたら、先月亡くなったんですね…知らなかった…
      ご冥福をお祈りします
      2024/05/23
    • かなさん
      本とコさん、
      こちらこそ、ありがとうございます♪
      富弘さんの詩画集に触れて、私もここ数日
      穏やかな気持ちで過ごせました(о´∀`о)
      本とコさん、
      こちらこそ、ありがとうございます♪
      富弘さんの詩画集に触れて、私もここ数日
      穏やかな気持ちで過ごせました(о´∀`о)
      2024/05/23
    • かなさん
      ぐっちょんさん、こんばんは!
      今日もお疲れ様でした。
      お母様がお好きだったのですね(*^^*)
      筆を口にくわえて創作しているのに
      こ...
      ぐっちょんさん、こんばんは!
      今日もお疲れ様でした。
      お母様がお好きだったのですね(*^^*)
      筆を口にくわえて創作しているのに
      この心に響く優しい草花の絵と詩…
      本当に、スゴイですよね!!尊敬してやみません…。
      残念なことに、先月78歳で旅立たれましたが
      たくさんの詩画を遺してくれましたので…
      折に触れてこれからもね、
      富弘さんの詩画に触れたいです…。
      2024/05/23
  • 泣きます

  • 貸出状況はこちらから確認してください↓
    https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00202487

    4月28日:詩画作家・星野富弘忌日

  • 帰ったらベッドの上にメッセージ付きで置かれてた両親からのお祝い。
    お父さんお母さん、すごい。お見通し。

    疲れたとき
    迷ったとき
    前を向きたいとき

    きっとこれから何度も手にとることになるんだろうな。
    ありがとう。頑張ります。




    「きんみずき」

    正しいと思う 心の中に 
    揺れ動くものがある
    今日私は 私の顔をしていただろうか
    大きな鏡に 映すような気持で 目を閉じる


    「雪の道」

    のろくても いいじゃないか
    新しい 雪の上を
    歩くような もの
    ゆっくり歩けば
    足跡が
    きれいに残る




    うん。

  • 花を観察し、その先にある風景の中に佇む人間を描いている 畑から帰って来た母が出来上がった私の絵を見てへえつとひと声驚いてくれたらそれでもう十分なのです 
    2014/08/30 再読
    空青く水清くして過疎となり 鏡に映る顔を見ながら思った。もう悪く口をいうのはやめよう。私の口から出た言葉をいちばん近くで聞くのは私の耳なのだから

  •  やはり大津秀一著「死ぬときに後悔すること25」で紹介されていた本ではなかったかと思う。星野氏は器械体操の先生だったが、指導中の事故で頸椎を損傷し首から下の自由を失う。

     その後数年のリハビリの後、口で筆をくわえて絵を描けたり文字を書いたりできるようになる。そして自作の絵や随筆を集め絵本形式にまとめたのが本書である。とても口で筆を運んだとは思えないような美しい花の絵や、こんな境遇にあるとは思えないポジティブなエッセイは読む人すべてに感動や勇気をもたらしてくれると思う。

     星野さんは車椅子に取り付けた鈴がチリンと鳴るたび、始めのうちはうるさいと思っていたそうだ。ところがいざ実際の路上に出てみると、道に穴が開いていたり段差があるような所でその鈴はチリンと鳴って教えてくれていると思えるようになったという。
     鈴の音一つでも、物事の見方や考え方によって意味が違うことを、この「鈴の鳴る道」が教えてくれたのだ。

  • 体育の教師だった星野さんは、授業中の事故で首から下が動かない障害がのこってしまいます。口でくわえた筆でおりなす詩画たちは魂の叫び、ではなくあたたかなささやき。

  • 物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
    東大OPACには登録されていません。

    貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
    返却:物性研図書室へ返却してください

  • 事故で首から下が動かなくなった星野富弘さんの描く詩画集が、心を打つのはなぜだろう。「日日草」の「数え切れないほど沢山の平凡なことがあった」という発見や「よめな」の「誰がほめようと誰がけなそうとどうでもよいのです…畑から帰って来た母が『へぇっ』とひと声驚いてくれたらそれでもう十分なのです」という母への思いは、飾らない絵とともに心に沁みる。素朴なやすらぎは、個性や前衛を争う文学や美術から失われて久しいものだ。広く受け入れられる理由が分かる気がする。

  • いろんな切り取り方をしており、ハッとする詩に出会えます。

    ふしぐろせんのう、日日草、百日草、秋の野の花、クチナシ、キダチベコニアがお気に入りです。

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著者プロフィール

詩人・画家。群馬県勢多郡東村に生まれる。群馬大学教育学部体育科卒業。中学校の教諭になるがクラブ活動の指導中頸髄を損傷、手足の自由を失う。入院中、口に筆をくわえて文や絵を書き始める。1979年、前橋で最初の作品展を開く。1981年から雑誌や新聞に詩画作品や、エッセイの連載をはじめ、1982年、高崎で「花の詩画展」開催以後、全国各地で大きな感動を呼ぶ。1991年、村立富弘美術館開館。ニューヨーク(97年)、ホノルル(00年)、サンフランシスコ、ロサンジェルス(01年)、ワルシャワ国立博物館(04年)で「花の詩画展」を開催。05年、(新)富弘美術館新館開館。群馬県名誉県民。

「2019年 『女声合唱組曲 神様ありがとう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

星野富弘の作品

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