手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)

著者 : 新美南吉
制作 : 黒井 健 
  • 偕成社 (1988年3月1日発売)
4.21
  • (301)
  • (119)
  • (167)
  • (5)
  • (0)
  • 1362人登録
  • 168レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039633101

手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 新美南吉さんの作品に黒井健さんの挿絵というと、誰もが知っている『ごんぎつね』だが、
    こちらも負けず劣らずの名作。
    タイトルを聞いただけで、なんだか胸の奥がじんとしてしまう人も多そうだ。

    色鉛筆を粉状にしてオイルに溶かし、それを布につけてこするように描くという手法は
    「ごんぎつね」が最初で、この作品も同じ手法で描かれている。
    ふわっとにじむような、幻想的な色彩。
    それでいて、お話が心にじかに伝わる鋭さも秘めている。
    とりわけ雪の世界の美しさ・冷たさは、こちらまでしんしんと手足に伝わってくるほどだ。
    一枚一枚に、どれほど時間をかけて丹念に描かれたことだろう。
    この絵を見るためだけにこの作品を読むのも大いにありだと思われる。
    それほど、黒井健さんの挿絵の魅力が大きい。
    新美南吉さんの文章の美しさも際立っていて、絵も文も、奇跡のようなコラボだ。

    母きつねの子を思う心、小さな子ぎつねの愛らしさ。
    手袋を買いに、はじめてひとりで町まで行く怖さと期待と。
    子どもをひとりで行かせなければならない母きつねの葛藤。
    上手に買えたときの達成感。
    そして無事に帰れた時の、親子が抱く安心感。
    どの瞬間もそれは丁寧に、しかも簡潔に言葉を選んで書かれている。
    特に、お店の人(人間)が良い人だったことに、子供たちの安堵感がどっと伝わってくるところは、とても素敵だ。

    う~ん、こういう作品をじっくり味わうのが、子供の心にはどれほど良いことだろう。
    でも現実にはそんな時間は限られているのだろうなぁ。
    約10分かかるけど、ぜひお子たちのためにゆっくりお読みあれ。

  • おはなしと絵がものすごくマッチしていて、終始優しい気持ちになれる。
    絵を思い出すだけで、その時感じた感情や感覚が蘇る、黒井健さんのイラストはすごい!

  • 五木寛之さんが今なお読み続けている絵本「手ぶくろを買いに」。小さいころ、学校の図書館で手に取った方も多いのではないでしょうか。

    寒い冬、母狐が子狐を気遣い、人間の街へ手袋を買いに行かせる物語。子狐は母の注意に従って、警戒しながら店へと向かいますが、最後は無事に手袋を手に入れ、母のもとへと戻ります。子狐が「人間は怖くなかった」と報告すると、母は「ほんとうにそうかしら」とつぶやいて、物語は終わります。

    →続きはこちら
    GUEST 115/五木 寛之:スミスの本棚:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/2014/03/post160254.html

  • 小学生に読み聞かせに行く機会を得たので、なにか冬の本をと思って、本棚から抜きだした一冊。

    私が小学生の頃、たしか教科書に載っていたと思う。だから、よく知っている話だしと下読みせずに出かけ、ぶっつけ本番、声に出してみたら、その文章の美しいこと。深いけれど、決して暗くはない森に降る雪、さえざえとした月の光、しんとした静けさ、夜の空と野原に広がる雪の白。そんな印象が黒井氏の絵とともに思い浮かぶ。

    人間って良いものかしら。お母さんの問いが胸に刺さる。人間ってやさしい、と思った子ぎつねが、ずっと人間に怖い目にあわされずに暮らしていくことを望む。私は、帽子屋さんがいい人だったと信じたい。きっと、木の葉のお金でも手袋を渡してくれただろうなと信じたい。

    子供たちは静かに聞いてくれたけれど、わかったのかわからなかったのか、面白かったのかつまらなかったのか。反応の薄さに困ったその時、誰かが「なんか、心があったかくなるお話だね」とぽつんとつぶやいた。

    どうか、誰かの心にすみつづける一冊になりますように。

  • 以前は、帽子屋さん優しいな、と読んでいた(と思う)のだけど、今回読んだら冒頭のこぎつねにノックアウト。雪を初めて見てまぶしく感じた時とその上を歩いた時のセリフに胸がきゅうっとなってたまらん。

    「目に何か刺さった、ぬいて頂戴」
    「お手々がちんちんする」
    …悶絶。

  • 黒井健さんの描くきつねがとにかく可愛い!毛先が光を含んでふわり輝いているよう。思わず触りたくなります。ごんぎつねとともに黒井かん絵のこの本をおすすめ!

  • 「ごんぎつね」も「手ぶくろを買いに」も同じ作者の新見南吉さんが書いてるって知らなかった‥!
    地方の教師で若くして亡くなった童話作家だったから宮沢賢治とよく比較されていて、北の賢治の南の南吉といわれていたらしい。

    おじいさんがね、間違った手を黙認してくれるところがね、すごいほっこりする。笑

  • 動物でも、人間でも、あかちゃんが醸し出す、守って欲しい光線。
    大人なら、その光線を浴びたら守ってあげたいと思う。
    それを言葉で説明するのではなく、お話の筋と絵で伝えてくれる。
    冒険をさせた母親と、間違えた子供と、それを見逃そうとする人間の大人。
    その3者のお互いの間に距離を持ちながらも、お互いを尊重しようとする心。
    自分もそういう態度を示せるようになったときに、さらに感動が深まります。
    間違いを指摘するだけが、正しいことではないということを教訓とできれば、2度心が温まるかもしれません。

  • 冬の絵本なんですけど、ほんとうにあったかい絵本です。

    この絵本のあったかさは、どこから来るのでしょう。
    ふんわりとしたわた毛のような挿絵のせいでしょうか。
    お母さん狐の優しい言葉遣いのせいでしょうか。
    それとも、怖いと言われた人間が優しい生き物だったせいでしょうか。

    お母さんの語り口のような文章。
    母が寝る前に絵本を読んでくれた、小さい頃のひとときが蘇ります。
    それはまるで魔法の呪文。
    言葉のひとつひとつが、とろとろと眠りに誘います。
    この絵本を読み終わる頃、誰もがきっと夢の入り口に立っていることでしょう。

    このあったかさに会いたくて、私は何度もこの絵本を開いてしまいます。
    そして、小さい子にも、大きくなった子にも、優しい気持ちで読んであげたい。
    なんていうか…そう、母性本能をくすぐられる絵本。
    私にとって、究極の「胸キュン」絵本なのです。

  • 大好きなお話、大好きな絵!

全168件中 1 - 10件を表示

手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)のその他の作品

手ぶくろを買いに Audible版 手ぶくろを買いに 新美南吉
手ぶくろを買いに 大型本 手ぶくろを買いに 新美南吉

新美南吉の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
なかがわ りえこ
トミー=アンゲラ...
マイク・セイラー
サン=テグジュペ...
有効な右矢印 無効な右矢印

手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)に関連するまとめ

手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)はこんな本です

手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)を本棚に登録しているひと

ツイートする