よだかの星 (日本の童話名作選)

著者 :
  • 偕成社
4.10
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本棚登録 : 1043
感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (27ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039633804

作品紹介・あらすじ

よだかは、実にみにくい鳥でした。その姿かたち故に、ほかの鳥からうとまれ、さげすまれ、その名の故に、本物の鷹から嫌われ、おどされつづけました。そしてその自分が、平気で羽虫を食べて生きる宿命にあると気づいた時、よだかは、この辛い世界を捨てようと決意して、一直線に空をのぼってのぼって、ついに青白く燃える星となったのです。よだかの極まった悲しみを描いて、対極のをはげしく求めた宮沢賢治の傑作を、中村道雄が入魂の組み木絵で絵本化しました。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに散歩中の聴き読書。青空文庫のランキング上位の宮沢賢治・よだかの星を選ぶ。「よだか」は醜い鳥で、周りから嫌がられている。また、意地の悪い鷹から名前を変えろと言われる。自分は何も悪くないのに・・・。そこで自己犠牲的思考が自分の大半を占める。太陽や星に「あなたのところに連れて行ってほしい」と頼むが、叶えてもらえない。自分の希望も叶わない人生を考えると辛くなる。が、最後は死んで星になるという願いが叶う。どんな哲学か?人生は叶わぬことばかりだが、本気で願い行動することこそ生きる価値なんだと受け取った。⑤

    • ポプラ並木さん
      まつさん、こんにちは!おお、共読ですね~確かに解釈は人それぞれで、どこの場面が一番印象的かというのも違うかもね。感想は率直なその時の想いを書...
      まつさん、こんにちは!おお、共読ですね~確かに解釈は人それぞれで、どこの場面が一番印象的かというのも違うかもね。感想は率直なその時の想いを書きました。数年後に読んだら感想が変わるんだろうな?と思いましたよ。
      2022/10/30
    • 松子さん
      数年後に読んだら、また感想が変わるかぁ。
      共読、良いですねっ。共感だけじゃなく、ブク友さんが感じたことを通して色々教えてもらえるのも魅力です...
      数年後に読んだら、また感想が変わるかぁ。
      共読、良いですねっ。共感だけじゃなく、ブク友さんが感じたことを通して色々教えてもらえるのも魅力です。
      今度図書間に行ったら、もう一度読んでみますね。(^^)ありがとうございますっ♪
      2022/10/30
    • ポプラ並木さん
      松さん、こちらこそ!
      感想を聞いて色々学ぶ分が多いです。
      自分は素のままの感想ですので、感じ方、受け取り方の違いを知りたいです!!
      松さん、こちらこそ!
      感想を聞いて色々学ぶ分が多いです。
      自分は素のままの感想ですので、感じ方、受け取り方の違いを知りたいです!!
      2022/10/30
  • 宮沢賢治中村道雄さんによる、組み木絵が美しい。
    他にもこのシリーズで「なめこと山の熊」が中村道雄さんの手によるものだ。

    正直、悲しく美しい宮沢賢治の世界は苦手だ。

    そこまで自己犠牲する必要があるのだろうかと思ってしまう。
    もっと深い読み方ができるのかもしれないが…。

    2021.3.15

  • 意識変容するタカ。
    あまりにも純粋な為に、自身の存在を嫌悪する。
    おいおい!大丈夫か!?なにもそこまで・・・・・・

    読了。

  • 宮沢賢治の生き方が反映されている本です。
    彼自身も、「よだか」と同じように、
    ”自らが生きるということは、他の命を奪っているということ”
    という事実に罪悪感を覚えて以来、菜食を始め、宗教にのめり込んだという記録があります。

    まさに彼の人生が投影されているような物語となっていて、感慨深いものがあります。
    未だ解決されない不変的テーマを言及しているがゆえに、考えさせられます。

    よだかのように希望を求めて翼が朽ちるまで、必死に羽ばたく生き方はかっこいいなと思いました。漠然と生きるよりずっといい。

    生き方は
    鷹よりよだか
    ひたむきに

  • 2019年夏、図書館で借りて読んだ。情緒不安定な時な事もあって、涙が流れてしょうがなかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      この話は悲し過ぎます、、、よだかは星になんかなっちゃ駄目なんです。。。
      りまのさん
      この話は悲し過ぎます、、、よだかは星になんかなっちゃ駄目なんです。。。
      2020/10/08
  • 文体がとても綺麗。
    優しいよだか。彼の選んだ結末に心痛めました。
    もっと幸せになれる道はなかったのかとも思いました。でも彼の最期は、
    「大きなくちばしは横に曲がっては居ましたが、たしかに少しわらって居ました。」
    とありました。
    どういう気持ちだったのだろう…

    人間も動物もそう、誰かの命の上で生かされている。それをよだかは当たり前と思わず心痛め、食べることを拒みさえした。いのちへの慈愛。
    鷹のような存在は、よだかのような存在を消してしまうことさえあること。
    厳しい現実の中で、強く生きるとはを考えさせられた作品でした。
    また読み返したいです。

  • 鳥になりたいなと思ってた勢だけど、鳥類には鳥類の苦悩がはたまた派閥があるのかしらと思考を巡らせて鬱に─。

  • よだかの星。超新星爆発をファンタジーで描いた作品。さすが賢治と思う。宇宙への捉え方に人間性や美しさが表現されている。挿絵によって、得られる印象も変わってくるので、いろいろ読み聞かせて、考えたこと、感じたことを交流したらいいと思う。私は、このイラストが結構好き。

    私も死を前に、雄々しく羽ばたきたいじゃないか。でも、病に立ち向かい生き残る道を選ぶべきだろうか。どちらにせよ、美しく輝く。


  • 醜い鳥と呼ばれるよだかは周囲の鳥から差別され、鷹からも私の名前を使うなと言われ、散々な暮らしだった。
    生きることに失意したよだかは食料である昆虫が喉を通った時、酷く辛い感情を覚えた。
    昆虫は毎晩僕に殺され、そして今度は私が鷹に殺される。もうこんな辛い思いはしたくないと遠い空の向こうへ行くこと決意する。
    空の向こうの星を目指し羽ばたくが、遂に力尽きてしまう。酷くボロボロになった体を癒すことなく、少し微笑みながら死んだ。
    しばらく経ったあとよだかは目を覚ますと、隣にはカシオピア座がいた。天の川を背に今もなお輝き続けている。

    よだかは「自分の生は犠牲の上で成り立っている」という自然の摂理に耐え難く、自己犠牲する事で自分の生に意味を見出そうとした。それは自己犠牲の美学とでも言うのだろうか。宮沢賢治の死生観には共感し難いが面白い作品だった。

  • 去年、講演会で原田マハさんがお好きだと言っていたので興味をひかれ、図書館でよんだ

    夜に飛び鷹のような鳴き声と翼に、醜い容姿とよだかという名前を持った鳥のおはなし

    講演会のパワーポイントで装丁をみたときに何だろう?と思い、この装丁のよだかの星の絵本を探していた
    とても凝った、木の図(?)の絵本だ
    このおはなしは、つまり、差別と宗教のおはなしなんだろうか?
    生まれたままの姿と名前の責任は、よだか自身にはないのに、他者に厭われ責められる
    そして自分の存在を責めるようになり、違う世界へと旅立ってしまうけれど、そこにもすぐには受け入れられない
    以前、拒食症になってしまったアーティストが、命あるものを摂取して生きていくことに罪悪感がある、というようなことを言っていた
    自己肯定できないと、どうしても他者の上に生きていることを、とても苦しく思う
    自殺するのはよっぽど強い人だと思うけれど、その後の世界にも存在を拒否されてしまうのは、とてつもない絶望だし、何がなんだかわからなくなってしまう
    星になってみんなを照らして、よだかは燃え尽きて爆発して、また新しいものに生まれ変わりたいのだろうか?
    難しい、かなしいおはなしだ

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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