猫の事務所 (日本の童話名作選)

著者 :
制作 : 黒井 健 
  • 偕成社
3.81
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本棚登録 : 207
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039634207

感想・レビュー・書評

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  • 人間世界の愚かで澱んだ習性を、
    猫たちの世界に凝縮して描いた
    宮沢賢治の傑作です。

    どこにでもだれにでも
    起こりうること。
    だけど、孤独といわれのない差別は
    本当に辛く苦しいこと。

    最後に登場する獅子の大いなる力は
    頼もしいけれど、同時に切なくなります。

    きっと読むたびに感想が違うんだろうな。
    本当に理解できる日はいつになるやら。


    たくさん種類はあるけれど、
    私はこの黒井健さんのイラストのものが一番すきです。

  • 宮澤賢治の小説を読み、絵本になっていることを知りました。黒井氏の絵がちょっとダークで現実離れした猫の世界に合っていると思います。

  • どう解釈したら良いのか、頭が混乱した。今も自分の中でいろいろ整理しきれていない。時間をおいて、もう一回読んでみるつもりです。

  • 宮沢賢治の中でも好きな話のひとつ。
    それが黒井健さんの絵がついて言うことなし。
    大好きな絵本です。
    ストーリー的には・・・途中でイヤんなっちゃう宮沢賢治らしいお話で「それどうよ?」とも思えるのですが、私は嫌いではありません。
    出演者は猫ばかりですが、現代でもこういうことってありますよ、うん、ていうか、よくあります。

  • 猫を題材に、社会人(職場?)でのイジメの模様が描写されている。
    いじめはさしたる理由もなくはじまり、エスカレートしていく。
    賢治はこういうことをしっかり表現していて、すごい人だ。

  • いじめの話。嫌だなぁ。こういうの。とてもリアリティがある。
    15/02/25

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    猫の事務所の書記の中に、一匹のかま猫がいました。かま猫とは、寒さに弱くて、夜かまどの中に入って眠るため、からだが煤で汚れている猫のことです。かま猫は、猫仲間のきらわれ者。事務所でも、ほかの書記たちにいつも意地悪ばかりされているのです…。

    【キーワード】
    絵本・ファンタジー・猫


    +1

  • 大人になって読み返すと、この話ってパワハラですね。
    子供のいじめと同じく、会社でのパワハラも問題です。
    子供のカズには「解散」の意味が難しいようだけれど、大人が読んでも色々解釈があって、奥深い作品ですね。

  • 図書館で目にして、宮沢賢治と黒井健さんのペアの作品であるし、猫が出てくるらしく、気になっていた
    今年は宮沢賢治没後80年とのことで何か読みたいなぁと思っていたので、図書館で借りてみた

    猫の事務所の猫たちが、一匹の竈猫(かまねこ)を差別(?)するおはなし

    カバーには「差別の不条理さと愚かしさ」・「差別される者の悲しみ」などという言葉が並んでいるけれど、これは職場のいじめだ
    自分たちと外面も内面も少し違って優秀なかま猫は、もしかしたら煤くさいのかもしれない
    でもそれはそれで、いじめる(差別する)側が悪いのだ
    しなやかな心を持っていないと、私たちにもいつか、色々な形をした「解散」という罰が下るかもしれない

  • 童話であるが、ここに描かれているのは「差別」である。

    猫の事務所で働く「かま猫」は、優秀であるのに外見が薄汚いという理由で、他の猫たちから差別される。唯一親切にしてくれた事務長も、ある告げ口をきっかけに手のひらを返したような態度となってしまう。なぜ自分は差別されるのか?思い悩むかま猫。
    猫が主人公ではあるが 人間社会の縮図と見て間違いないだろう。


    この童話では、作者と思われる「ぼく」が 2度、突然顔をのぞかせる。
    2度目である 最後の一文は 「ぼくは半分獅子に同感です」。
    私はこの最後の一文に どきりとした。


    獅子の登場によって 猫の事務所は廃止される。
    かま猫が差別される「状況」は解決されるのだから、「ぼくも同感である。(めでたしめでたし)」と終わるのか、と思ったが、「ぼく」は「半分」だという。


    何故 半分なのか?
    絵本を閉じた後も ずっとその理由を考えている。
    差別はいけないことだ、と言うのは簡単だ。だが、外部からの圧力で解決できるほど、人間の心は簡単ではない・・・。差別はもっと、人間の奥深いところに巣食っている。哀しいことに。


    読んだ人それぞれ、答えを探さずにはいられない童話なのでは ないでしょうか。大人になって読み返すのも いいものですね。
     

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