- Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
- / ISBN・EAN: 9784039635006
感想・レビュー・書評
-
宮沢賢治のまなざしでは、いちょうの実をつけた木が、こんなにも感動して見えるのかと、はっとした。
おっかさんのいちょうの木に、千の子どもたちが、ある晩、いっせいに旅立ってゆく。星空輝く、広い空の下で。
私はこの場面で、沖縄かどこかの夜の海で、サンゴがいっせいに卵を解き放つ、幻想的な瞬間と、同じようなものを感じた。
サンゴの卵が広い海へ旅立つ瞬間に立ち会いたいと願ったことがあった。
しかし、ありきたりのイチョウにも、生命の循環を感じられるとは、思いもしなかった。本書を読み、いちょうの実をつけた木を見てみたいと、思うようになった。
このようにして、本書は私に、日常に心の豊かさを、もたらしてくれた。秋が来るのが楽しみである。
(「いちょうの実」の感想。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みぃちゃんが選んだ本
パステルと色鉛筆好きだもんね
風が雲と一緒に吹き抜ける描写が美しい
朝日が差し込んでくるってこんな感じだよね
賢治は言葉に映して見せてくれる -
「この本に納めた、『おきなぐさ』と『いちょうの実』は、賢治が企図していたらしい「花鳥童話集」に入るべき二篇です。『おきなぐさ』では、飛散した種子は天にのぼって変光星になったと思うと書かれ、『いちょうの実』では、落下した果実は死の不吉なかげを濃くただよわせながらも幼い生命の旅立ちとして書かれています。いずれも、哀しいまでに澄明な永遠の美を、感じさせます。」
-
[ 内容 ]
この本に納めた、『おきなぐさ』と『いちょうの実』は、賢治が企図していたらしい「花鳥童話集」に入るべき二篇です。
『おきなぐさ』では、飛散した種子は天にのぼって変光星になったと思うと書かれ、『いちょうの実』では、落下した果実は死の不吉なかげを濃くただよわせながらも幼い生命の旅立ちとして書かれています。
いずれも、哀しいまでに澄明な永遠の美を、感じさせます。
[ 目次 ]
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
青空文庫にて。