チェロの木

著者 :
制作 : いせ ひでこ 
  • 偕成社
4.36
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本棚登録 : 222
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039639301

作品紹介・あらすじ

木は、見たり聞いたりしてきたことを、歌ったのかもしれない、楽器になって-森の木を育てていた祖父、楽器職人の父、そして音楽にめざめる少年。大きな季節のめぐりの中で、つらなっていくいのちの詩。小学校中学年から。

感想・レビュー・書評

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  • 美しい、美しい一冊。装丁も内容も絵も、そのメッセージも、何もかも美しい。
    いせひでこさんは、阪神淡路大震災の復興支援【1000人のチェロコンサート】に参加され、その体験から絵本【1000の風1000のチェロ】を発表。
    その後、十数年来の創作モチーフである「木と人」を、本作品で結実させた、と後書きにある。
    そうか、それでいせさんの深い思いがどのページからもじーんと伝わってくるのだ。

    【やまばとの子どもが鳴いているね・・】で始まる一ページ目には、チェロのケースの中で寝る赤ちゃんの姿。
    「ぐぜり」と「さえずり」の違いを、今の地に住んでから知った私は、ここでほっと胸を撫で下ろす。良かった・・ついて行ける・・

    そんな「ぐぜり」のことを教えてくれたおじいさんは森の木を守り育て、お父さんは楽器作りの職人である。
    その息子である私は、お父さんの作ってくれたチェロを、子どもたちに教えるという道を歩む。
    守り、引継ぎ、伝えていくことの大切さ。
    そこには、多くのひとの技と願いと祈りがあり、つまりそれこそ守り引き継ぎ、伝えていくものなのだ。
    ページを開くたびに、いせさんの描く緑と蒼と群青が流れ出すよう。
    そして、どのページからも音楽があふれてくるような、くらりとするほどの美しさがある。

    【大きな木のような人】を描いた頃は、まだ文章がぎごちない翻訳のようだったが、この作品にはその片鱗も無い。
    感情におぼれない、無駄のない端正な文章。
    いせさん、あなたは心の中でどれほどこの作品が熟するのを待ち続けたことだろう。
    私の心にも確かに届いたメッセージを、今度は身近な誰かに伝えたくなっている。
    長いので読み聞かせには向かないが、高学年くらいからならじゅうぶん受け止められるだろう。
    プレゼントにも最適。
    傍に森があってもなくても、いせさんの世界を味わい、そしてオルグされてみませんか?

    • 8minaさん
      nejidonさん、こんばんは

      はい、しっかりオルグされております。本棚にはグレーシリーズ
      から、関連する柳田さんとのお話も並んでお...
      nejidonさん、こんばんは

      はい、しっかりオルグされております。本棚にはグレーシリーズ
      から、関連する柳田さんとのお話も並んでおります。
      さすがにPROCESSは高くて手がでず、図書館で借りましたが
      手元に欲しい1冊です。長田弘さんの有名な詩”最初の質問”と
      いせさんの絵本は手元で繰り返し読んでいます。
      2014/03/08
    • nejidonさん
      8minaさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!
      おお、グレーシリーズもすでにお持ちなのですね!
      なんと素敵な本棚なんでし...
      8minaさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!
      おお、グレーシリーズもすでにお持ちなのですね!
      なんと素敵な本棚なんでしょう。
      そう、確かにPROCESSは高値です!でもこうなったら欲しいですよね。
      絵本は、特にいせさんの本は美しいので、表紙を見えるようにして置きたいものです。
      残念ながら我が家の本棚は、そういった贅沢なディスプレイはできません。
      収納スペースがかなり厳しいのです(笑)

      大量の花粉が飛散していますが、春は確実に近づいていますね。
      少しずつ近づく、そのことによって、長いこと楽しみにしていられます。
      2014/03/10
  • 本の表紙を開けると、チェロのケースの中で穏やかに眠る赤ん坊の絵が目に留まります。

    少年の祖父は豊かな森を守り、樹を育てます。少年の父親は、祖父が守った森の木を使って、バイオリン、チェロを作る楽器職人でした。そして少年と3代にわたる物語。

    豊かな森の中で、木々の木漏れ日を浴び、小鳥の声を聴きながら、確かな自然の営みの中で少年は成長していきます。

    「森の木は、鳥の声や、自然の声を聴いて大きく育つ。だから楽器は森の声で歌うんだ。」とても感銘したフレーズでした。チェロの音楽をこのような言葉で語ってくれる伊勢さんの絵本に感謝です。

    木と本と音楽、慈しみ育まれる命、伊勢さんの描かれる絵が好きです。

  • とても美しい絵。
    時間をつぶすために立ち寄った図書館で、なんとなく手に取った本だけれど、絵の美しさに惹きこまれた。
    光あふれる、しんと冷えた清浄な森の空気が感じられるような絵本。

    祖父から父へ、父から子どもへ注がれる愛情や、受け継がれていく想いが感じられる。
    眺めるだけでも素敵な絵本。
    いつか、手許に置きたいな。

  • 森の木を育てていた祖父と楽器職人の父。そして、その楽器を奏でる演奏家のパブロさん。絵と文が軽やかに音を奏でて行く。「木は、見たり聞いたりしてきたことを、歌ったのかもしれない、楽器になって」少年は森に抱かれて木が見ていた景色を感じていく。彼が選んだ仕事は子供たちにチェロを教えること。ああ、祖父が育て、父が作り、演奏家が奏でた森の木々の音を子供たちに伝える仕事を選んだのだな。真っ赤に燃える秋の森の絵がすごく好き。

  • 森が好きな男の子。春夏秋冬森の中を歩く。
    木々の隙間から空の光がこぼれ落ちてくるの夏の森、赤や黄金に輝く秋の森、そして、雪が降り森ごと世界をつつみこむ冬の森。
    次のページをめくり思わず息を呑む。静寂が訪れる。本当に素晴らしい絵だ。
    曲を作った人がいる。それを演奏する人がいる。その楽器を作る人がいる。(その楽器を作る木を育てた人がいる。)…自分のした何かが回り回って誰かの役に立つ。そんな世の中が素敵だ。

  • 森の木を育てる祖父、その木を使ってバイオリンやチェロを作る父。その二人の元で育てられたわたし。ある日、父が作るチェロを待ち焦がれていたパブロさんと出会う。森が語りかけるようだ、と喜ぶパブロさん。そのパブロさんの演奏会を父と聞きに行くことになり──。
    主人公の少年がチェロと共に育つ様子を描いた物語。「十数年来の創作のモチーフ″木と人″を本作品に結実」(カバー折返し文を引用)させたとのこと。いせひでこさんの世界観が溢れる物語でした。絵も言葉も美しくうっとり。特にお気に入りは、表紙、秋の森、雪が森ごと世界をつつみこむところ、はじめて音を出すところ、奥付の絵です。主人公がパブロさんの演奏会で、チェロに魅了される心境もよく伝わりました。いせひでこさんって、絵だけでなく言葉も魅力的ですよね。切り株の木についての場面は、もうメロメロになりました。文に魅了されつつ頁をめくると、あの見開き。は〜(*^^*)ほんといせひでこさん大好きっ!
    出版社ホームページに、いせひでこさんのメッセージがありました(*^^*) ご興味ある方はぜひ見てみてください。http://www.kaiseisha.co.jp/news/publish/418-20130301.html

  • 本屋で一目惚れして購入した絵本。
    森の生命力の透明で力強い感じや、少年と祖父の、そして少年と父との絆や関わり方が絵の中に滲んでいてうつくしい短編小説をよんだような感覚になった。
    この人の他の絵本も読んでみたい。

  • いせさんの講演会で聞いたが、震災を受けて物語の結末を書きかえたそう。
    優しい色遣いの絵本。
    チェロの作られていく様(特に洗濯物みたいに干しているところなど)が描かれていて、チェロに対する愛が溢れている。
    特に少年が森の中で降ってくる雪をじっと見上げるシーンが印象的で、眺めていると静かな気持ちになる。

  • ずっと読みたかった
    圧倒的な、迫ってくる、吸い込まれるような絵!
    静かなストーリ
    ゆっくりと味わいたい大人の絵本です
    ≪ チェロの木が 奏でるひびき 森の四季 ≫

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「吸い込まれるような絵!」
      いせひでこの絵本は、描写力もテーマも素晴しくて、いつも引き込まれます。。。
      「吸い込まれるような絵!」
      いせひでこの絵本は、描写力もテーマも素晴しくて、いつも引き込まれます。。。
      2013/07/09
  • 先月、娘に読み聞かせした『大きな木のような人』と同じ作家の方。やはり見事に詩的な文と絵。ヤマバトのぐぜり、ゲーイゲーイとカササギ、リスとカケス、ツバメ…、野鳥も印象的に登場。森と木と音楽と、父と子…。
    娘が大人になったらもう一度、読んでみてほしいな、と思う一冊。

    • 8minaさん
      Kudoさん、こんばんは。
      いせひでこさんの絵本は、お子さんが大きくなられたとき、絵の美しさとストーリーをご自身で味わえるかもしれませんね...
      Kudoさん、こんばんは。
      いせひでこさんの絵本は、お子さんが大きくなられたとき、絵の美しさとストーリーをご自身で味わえるかもしれませんね。絵本でいっぱいの本棚、フォローさせていただきました。私のホームタウンは多摩川を挟んで反対側です。
      2015/04/10
    • Yuji Kudoさん
      8minaさん、こんばんは。
      ブクログの仕組みを理解しておらず、今になってこのコメントを拝読しました。申し訳ありません…。今更ながらフォロ...
      8minaさん、こんばんは。
      ブクログの仕組みを理解しておらず、今になってこのコメントを拝読しました。申し訳ありません…。今更ながらフォローありがとうございました。フォローだけだいぶ前にさせていただいておりましたが、改めてご返信致します。多摩川は子供の頃から一番なじみの深い、大好きな河川です。
      2015/09/15
    • 8minaさん
      Yuji Kudoさん、こんばんは。
      多摩川、良いですね。私も小さなころはもっと下流の六郷あたり、川崎大師のおひざ元で育ちました。大人にな...
      Yuji Kudoさん、こんばんは。
      多摩川、良いですね。私も小さなころはもっと下流の六郷あたり、川崎大師のおひざ元で育ちました。大人になるにつれ、だんだんと上流に移動しているような・・・。
      調布あたりまではよくサイクリングロードを利用しています。四季それぞれの楽しみがある多摩川ですね。
      2015/09/15
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