- 本 ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784039651006
感想・レビュー・書評
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小川未明の童話は初めて読みました。
酒井駒子さんが絵を描かれているので、図書館になかったので購入しました。
渋めの赤と黒が印象的な絵本です。
酒井駒子さんの絵は女の子のデッサンが何度見ても、素敵だなあと思います。
人魚の絵本は、いわさきちひろさんの『人魚姫』を持っていますが、また違ったお話ですね。
でも、人魚は可哀想な目に遭って最後に復讐をするというところは同じだなと思いました。
○ストーリー(最後までネタバレで書いているので、これから読まれる方はお気をつけください)
北の湖に棲んでいた女の人魚が子供を産み、人間に育ててもらおうと、陸地に子供を産みます。
海岸の小さな町の蝋燭屋の老夫婦が、その赤ん坊を見つけて「神様のお授け子」だと言って育てます。
娘は美しい器量だけど姿が変わっているので、恥ずかしがって、顔を出さず蝋燭に魚や貝や海草の絵を描き、誰でもその絵を見ると蝋燭が欲しくなるように働きました。
その蝋燭を山の上のお宮にあげて、そのもえさしを身につけて、海に出ると海の災難がなくなりました。
南の国から香具師がやってきて「人魚は不吉なものだから手許から離さないと、きっと悪いことになるから売ってくれ」といわれ、老夫婦はその話を信じて高値で娘を売ってしまいます。
娘は「働きますから売らないでください」と言いますが、聞き入れられませんでした。
娘は蝋燭を赤く塗り、赤い蝋燭を自分の悲しい思い出の記念に残して行ってしまいました。
穏やかな晩の真夜中、一人の色の白い女が老夫婦の店に蝋燭を買いに来ました。
女は赤い蝋燭を持って帰りました。
置いていったのは、お金ではなく貝殻でした。
その夜、近頃にない大暴風雨がきます。
ちょうど香具師が娘を檻の中に入れて船に乗せて南の方の国へ行く途中で沖合に遭った頃でした。
赤い蝋燭が山のお宮に点った晩は大暴風雨になるようになり、不吉なので、老夫婦は蝋燭屋をやめました。 -
小川未明さんのことは、乙女の本棚シリーズ「月夜とめがね」を読んだことがきっかけで、他の作品も読みたいなぁ…と思っていました。こちらの作品、ヒボさんのおかげで、手にすることができました。ありがとうございます。表紙がとっても素敵ですよね(*^^*)
酒井駒子さんの描く世界と、小川未明さんのこの作品…イイ感じでマッチしてるんですよね!このストーリーさからなんでしょうね…。何度も読み返したい作品です。人魚は人間を信じて自らの子供を託したのに…人間って浅ましいものです…。悲しすぎる結末を迎えるのも、また人間のせい…胸が痛くなります。-
ヒボさん、いいですね〜\(^o^)/
プチ同窓会っ!!
ぜひぜひ楽しんできてくださいっ♪
こんなときは読書よりお友達との語らいを大事に...ヒボさん、いいですね〜\(^o^)/
プチ同窓会っ!!
ぜひぜひ楽しんできてくださいっ♪
こんなときは読書よりお友達との語らいを大事にして、
帰ってきたら読みまくればいいんですから^^;
お気をつけて!行ってらっしゃい(*^^*)2024/09/28 -
2024/09/28
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おはようございます。
ヒボさんはお楽しみですね!!
二日酔いかなぁ^^;
今日も楽しみましょうっ(*^^*)おはようございます。
ヒボさんはお楽しみですね!!
二日酔いかなぁ^^;
今日も楽しみましょうっ(*^^*)2024/09/29
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おそらく、文章だけで読んでいたら、人魚の恐ろしさが突出した印象を受けたかもしれませんが、酒井駒子さんの、哀愁を纏った、繊細な絵柄が加わることで、また違った印象に変わるのは、絵のもたらす、思いの力を感じさせられ、大人の為の絵本として、大変味わい深い作品だと思いましたし、黒を背景にしたページには、良い緊張感があり、物語を、より切なく儚いものにしていました。
物語の内容は、皆がイメージした通りの童話とも受け取れますが、それ以上に、大正10年当時の、親が子に対して思う、価値観のようなものを感じさせられ、それが、まるで叶わぬ夢の如く痛感させられた皮肉な内容が、今の歳になって読むと、とても胸が痛く、「人間は、この世界の中で一番やさしいものだと聞いている」という文章も、おそらく、小川さんは分かって書いているのではと感じ、同様に、胸の痛くなる思いでした。 -
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mofuさん!わーい、わーい!嬉しいなぁ。
私もこれ、持ってます(^^♪
人間を信じたばかりに哀れな運命をたどった哀しいお話ですが、言わ...mofuさん!わーい、わーい!嬉しいなぁ。
私もこれ、持ってます(^^♪
人間を信じたばかりに哀れな運命をたどった哀しいお話ですが、言われる通り絵が良いんですよね。
画家さんの解釈で救われている良い例だと思います。
赤ちゃんがおててをグーにしていたり。
何だか今日は興奮してコメントしててすみません。
まさかこの本のレビューを読める日が来るとは思いませんでした。
ありがとうございます!2020/07/25 -
nejidonさん、またまたコメントをありがとうございます(*^^*)
図書館で小川未明さんの絵本を2冊借りたんです。
この2冊は前から評...nejidonさん、またまたコメントをありがとうございます(*^^*)
図書館で小川未明さんの絵本を2冊借りたんです。
この2冊は前から評判が良くて気になっていました。
物語の内容は想像以上に悲しいものでしたね。
『月夜とめがね』とは雰囲気が全く違うので、びっくりしました。
物語のイメージを変えてしまう酒井さんの絵の力はほんとすごいですね。
赤ちゃんのおててのグーはほんと可愛らしい( 〃▽〃)酒井さんらしい絵でしたね。
一日で2回もコメントをいただけて嬉しいです!
こちらこそ、ありがとうございました(^-^)2020/07/25
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「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」と称される児童文学作家の小川未明さんの作品。出身地である新潟県の人魚伝説が元になったとされている。人間に裏切られた人魚の悲哀が描かれた物語。酒井駒子さんの美しい絵も作品全体の物悲しさや切なさをとてもよく表現している。暴風雨の中で香具師の船が難破した後、人魚がどうなったかはわからないが、海に戻って母親と再会できることを願うばかりである。
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小川未明のうつくしい文章に酒井駒子さんの仄暗い繊細な絵が描け合わさって、世界観が確固たるものになっていた。物語として起承転結がしっかりあって、序盤が明るいからこそ、中盤から後半の暗さが際立つ。人魚が冒頭で繰り返す、人間に対するイメージの台詞は皮肉がよく効いていて、大人が読めば苦笑してしまうだろう。あれらの台詞を言葉通りに受け取れる人は幸福だと思う。絵に色数があまり多く使われていない分、より赤色が特別なものに思えたし、不気味に感じてしまうシーンも。優しかった年寄り夫婦を根底から変えてしまったお金は、良くも悪くもエネルギーがあるものだから、適度な距離を保ち続けていたい。
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文章の語り口調とそれに合わせるような酒井駒子さんの絵が何とも良い雰囲気を作っているように感じられました。
また、物語の中に様々なコントラストを感じさせる作品でした。
人魚の娘の恩返しと老夫婦の心変わり。
静かな海が一転して荒れる様子。
崇められていた山と鬼門になる山。
檻に入ったまま海に沈んだあとはどうなったのだろうか。
忘れられない心に残る作品になると思います。 -
悲しく切ない物語。酒井駒子さんの絵はそんな寂寥感を呼び覚ます。知っているお話だけど、絵でこれほどまでに伝わってくるとは。人魚の切ない想いと人間の身勝手さが悲しく愛おしい。
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2014/05/01
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nayncomaruさん。
ずっと文章からは和風の物語として想像していましたけど、酒井さんの挿絵だと、どこか洋風の港町に見えますよね。そこ...nayncomaruさん。
ずっと文章からは和風の物語として想像していましたけど、酒井さんの挿絵だと、どこか洋風の港町に見えますよね。そこも新鮮で絵の力は大きいなと思いました。2014/05/01
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著者プロフィール
小川未明の作品






こんにちは。
「赤いろうそくと人魚」のおかあさん人魚は「人間の世界は優しいから、娘には人間と一緒に育ってほしい」って思っ...
こんにちは。
「赤いろうそくと人魚」のおかあさん人魚は「人間の世界は優しいから、娘には人間と一緒に育ってほしい」って思って人間に預けるのに、人間は人魚を売ってしまって…という感じでしたよね?
なんだか人間として「ごめんなさい…」という気持ちになりました。
切なく哀しく美しいお話ですよね。
こんにちは。
「赤いろうそくと人魚」のおかあさん人魚は「人間の世界は優しいから、娘には人間と一緒に育ってほしい」って思っ...
こんにちは。
「赤いろうそくと人魚」のおかあさん人魚は「人間の世界は優しいから、娘には人間と一緒に育ってほしい」って思って人間に預けるのに、人間は人魚を売ってしまって…という感じでしたよね?
なんだか人間として「ごめんなさい…」という気持ちになりました。
切なく哀しく美しいお話ですよね。
コメントありがとうございます。
この絵本は、私は酒井駒子さんのファンになったので、購入して、読みました。
淳水...
コメントありがとうございます。
この絵本は、私は酒井駒子さんのファンになったので、購入して、読みました。
淳水堂さんは、
なんだか人間として「ごめんなさい」という気持ちになられたのですね。お優しいですね。
そうですね、人間は人魚に、謝らなければならないかも、知れないですね。
酒井駒子さんが絵を描かれているので、切なさ、哀しさ、美しさが際立っているかと、思います。