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Amazon.co.jp ・本 (61ページ) / ISBN・EAN: 9784039652409
みんなの感想まとめ
幻想的で美しい世界観が広がるこの絵本は、3つの異なる物語を通じて、子どもたちの心の内面や夢を描き出しています。小さなサイズの本は、まるでアートブックのような佇まいを持ち、ページをめくるたびに静謐な空間...
感想・レビュー・書評
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第20回ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌受賞作。
ネットでこの表紙の絵を発見した時「なんて可愛いんだろう」と思い、すぐに図書館に予約したのですが、在庫在りなのに数日たっても入ってこないので購入しました。
嬉しい!!
どこかで見たことのある絵だと思ったら、江國香織さんのアンソロジー『活発な暗闇』の絵を描かれた方でした。
絵本は掌サイズのちょっと小さめです。
「金曜日の砂糖ちゃん」という幼児のような女の子のお昼寝中のお話しと、「草のオルガン」というフランスの小学生みたいな男の子の学校帰りの話。
「夜と夜のあいだに」という大人びた幼女の夜中のお話。
絵が日本人離れしていて外国風で美しく、ストーリーは幻想的なところがあり、不思議な美しい世界。
表紙と少年の話は明るく健全ですが、幼女の話は幻想的で退廃的。みな、着ているものの質感が手ざわりまでかんじられるような美しさです。
全編通して黒が効果的に使われています。
レビューをざっと拝見したら2話目が好きだとおっしゃられている方が多くみられましたが、私は少し退廃的な香りの漂う3話目がなんて美しいのだろうと、ため息ものでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この絵本は、第20回ブラティスラヴァ世界絵本原画展(スロヴァキアの首都で2年毎に行われる国際的な絵本原画のコンクール)、金牌受賞作品です。
酒井駒子さんの、子どもを主役にした短編ものといえば、『BとIとRとD』の「□ちゃん」を思い浮かべるかもしれないが、本書に収録された3編は、主人公も、物語や絵の雰囲気も異なっている上に、それぞれの完成度がとても高く、尚且つ、味わい深さがあり、そこには、酒井さんの子どもに対する憧れや可能性を表現したものとして、ひとつの完成形を見た思いがいたしました。
また、それぞれの短編の扉絵一面に塗られた色には、その物語や主人公にとって、きっと大切な意味があるものと思われるので、その辺りも考察できればと思います。
「金曜日の砂糖ちゃん」
黒を背景としながらも、どこからか漂ってくるような、この穏やかさや幸福感は何だろう。それは外の地べたで、ごく自然に寝ている女の子の無垢な姿もそうだし、その周囲の花や動物たちから出てくるような泡のような描写も、どこかほのぼのとした雰囲気を感じさせ、ああ、これは生きるものたちの吐き出す息吹が、彼女を取り巻いているのだなと感じ、それはまるで、彼女(金曜日の砂糖ちゃん)に惚れている、彼らの至福感を表しているようでもあるし、カマキリが、彼女の眠りを守っていることにより、完成された、彼女と動物と植物が全て、ありのままの穏やかさで一枚絵に存在する、その世界は、人間と自然とが、そのように共存することの出来る可能性を示してくれているようで、とても感動的に映りますし、それを為すことが出来るのは子どもだと言っているような、酒井さんのメッセージも胸に沁みるものがあります。
また、扉絵の赤色は、白黒の絵の中でいうと、苺やてんとう虫、鳥の頭にカマキリの目が主であり、それらだけが赤なのは、私には、金曜日の砂糖ちゃんのイメージカラーのように思われ、特に、苺のその鮮やかで瑞々しく見える存在は、静謐な白黒の世界に於いて、より存在感が増したように感じられて、それは彼女の内に秘められた、情熱的で甘い瑞々しさを表しているのではないかと思われて、鳥やカマキリについては、彼女の魅力に思わず赤らめてしまったのではないかと想像すると、これは様々な愛に満たされていることの幸福感なのかもしれないと感じさせられて、なるほどなぁと思いました。
「草のオルガン」
一転して、今度はカラーの絵ではあるが、そこから漂ってくる雰囲気は、ちょうど悲しそうな顔をして俯きがちに歩く、少年の心理状態を表しているようで胸に迫るものがあり、その表現も、まずは少年の横顔のアップから始まり、次に、水溜まりに足を入れてしまう足下の描写で、彼が悲しみで頭がいっぱいであることを表しており、その次の、周りの家や塀を含めた、少し離れた視点の描写には、周りの家も、どこか余所余所しさを放ったような哀愁を感じさせられ、晴れた空の絵であるのに、どこかやるせなくて悲しい雰囲気を漂わせている、この酒井さんの絵の表現力には凄いものがあると思います。
しかし、少年のそんな心境に於ける行動心理によって、偶然辿り着いた場所は、開けた大草原であり、そのどこまでも雄大な風景には、少年の塞ぎ込んだ悲しみとは見事な対照性を持っており、そこで起こる素敵な出来事は、たちまち少年の心を癒やしてくれることから、ここでも、人と自然の素晴らしき共存を描いているようで、また心に残る。
ちなみに、少年が弾いていた、
「ドレミッミッ ソラソッソッ ミレ ドーレーミー」のメロディは、「港」という唱歌だそうで、彼には、この大草原が大海原に見えたのだろうか、それとも、遠くにクレーン車が見えることから、海が案外近いとか? いずれにしても、この場面は、そのピアノからは何も聞こえないのに、まるで心のなかでは歌っている少年の内なる声が聞こえたかのように、やって来る彼らの存在が彼にとっての大きな救いや喜びとなり、扉絵の黄色は、少年に差し出したタンポポを表していると思います。それとも、楽しげに歌う様子を想起させられるカナリアだろうか。
「夜と夜のあいだに」
今度は黒を背景にしながら、様々な色をさり気なく盛り込んだ雰囲気の中、女の子は、夜中にこっそりと家を抜け出そうとしているように見えるが、その抜け出す前にする、一連の凝った身支度は、完全に大人のそれと同様の拘り具合であり、お母さんのシュミーズを着て、糸と針とボタンをクッキーの箱に入れるそれは、まるでクラッチバッグのようだし、更に、その格好でメイソンピアソンのブラシを使って髪を梳かす姿に、私はまるでお姫さまのようだと感じさせられ、この一見メルヘンチックな雰囲気ではあっても、そこから漂ってくるのは、華やかさというより、女の子の真摯な、それを為したいという仄かに漂う思いの強さであり、その後に待っていた光景には、思わず美しいと感じさせられた、子どもと動物の織り成す奇跡を見せてくれたようでありながらも、最後の鳥の姿には、一抹の寂しさもあるような複雑な終わり方も味わい深く、扉絵の桃色は、発色性豊かな目に眩しいピンクではなく、サーモンピンクに近い、落ち着いたそれからも、大人の女性をイメージしたのではないかと思います。
それから、本書は物語だけではなく、その本自体の作り方にも拘りがあり、それはまず、本書のデザイナーの「祖父江慎」さんによる、文の活字が一文字、一文字で違うことがあり(何種類かの明朝体が混ざっている上に、例えば「が」では「か」と濁点の「゙」を分けて、それぞれ違うフォントにしているらしい)、その凄さは、裏表紙の本体価格「1400円」の「1」と「4」が違うところまでの拘りようです。
更に、本書の扉絵の紙が、パラフィン紙まではいかないが、薄い材質となっていて、扉絵の蜂と、その次のページのタンポポがちょうど上手く合わさるような仕組みには、世界に於ける生きるものたちの繋がりが、決して目に見えるものだけではないことを実感させてくれます。
そして、子どもの頭の上に、花や虫や鳥といった、様々な自然界で生きるものたちが乗っかっている、印象的な表紙からは、子ども特有の純粋無垢さが、彼らにそうさせたいと思わせる、素敵な共存のあり方や、子どもの中に詰まった無限の可能性を感じさせられるようで、そこからは、世界に住むあらゆるものとの繋がりが可能であるような、大きな夢と希望と憧れを感じさせられて、そんな奇跡が子どもの中にはあるのだと思うと、酒井さんが何故、子どもの絵を書き続けているのか、その思いも何だか分かるような気がしてくるのです。
本書で、ちょうど900回目の感想となりました。
あと100回で大きな節目となると思うと、よくここまで続いたものだなと思いますが、やっていく内に、どんどん好きなものが増えていくといった、その嬉しさもあると思いますし、私の感想を読んで下さっている皆さんに励まされているのも、とても大きいと思います。改めて感謝の気持ちを申したくて。いつも、ありがとうございます。
次は、1000回目を目指して、このまま邁進していきたいと思っております。-
aoi-soraさん、おはようございます。
コメントありがとうございます(^^)
いえいえ、恐縮でございます。
私の場合、音楽もあるから、...aoi-soraさん、おはようございます。
コメントありがとうございます(^^)
いえいえ、恐縮でございます。
私の場合、音楽もあるから、数が多いのかもしれませんし(^^;)
でも、嬉しいです。
ありがとうございます。
「金曜日の砂糖ちゃん」、少ない文字数ながら、とても味わい深く、酒井さんの絵と共に、じっくりと楽しめる絵本かと思いますので、良かったら、是非!
こちらこそ、aoi-soraさんの素敵なレビュー、これからも楽しみにしております(^-^)2023/08/02 -
2023/08/02
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まこみさん
嬉しいコメントをありがとうございます(´▽`)
密かに抱いていた、まこみさんに追い付く目標は諦めましたが、1000回目の節目は是...まこみさん
嬉しいコメントをありがとうございます(´▽`)
密かに抱いていた、まこみさんに追い付く目標は諦めましたが、1000回目の節目は是非、達成したいと思います。
それでは、行ってまいりまーすε=ε=(ノ≧∇≦)ノ2023/08/02
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まあ、これは好みなんだろうが、酒井駒子さんの絵は本当に素晴らしい。デッサンや筆遣いの跡を残した渋い色合いがなんとも魅力的だ。3つのお話は、ちょっと不思議な感じのもの。草原の風景など堪らないな。
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ブク友さんの本棚でときどき見かけて気になっていた一冊。頁をめくったとたん、しんとした静謐な空間に踏み込んだ感覚。現実と幻想のあわいに居るような世界観と、アートブックのようなたたずまいに、知らず知らずのうちに惹きこまれていました。余韻が後を引きますね・・・
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たくさんの人に読まれているこの絵本。
ずっと置いたままだったので、出してじっくりと読み返す。
これも買って良かったな、手元置いて良かったなと思える絵本。
なんてやわらかなタッチの絵なんだろう。
そしてことばのひとつひとつがふわふわと舞っているように感じる。
金曜日の砂糖ちゃんの愛らしさは格別で、そうでしょうカマキリがいつまでも守ってる。
草のオルガンを見つけた少年。
さみしいことがあったけど、つまらないことがあったけどそれでも会いたかったと思えるものができた。
夜と夜のあいだに。これがわたしのやりたかったこと
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湖永さん(^_^)/こんにちは
初めまして!
フォローバック頂き、ありがとうございます<(_ _)>
以前よりお名前は存じておりました。本棚...湖永さん(^_^)/こんにちは
初めまして!
フォローバック頂き、ありがとうございます<(_ _)>
以前よりお名前は存じておりました。本棚を拝見しました。東京ロンダリングは読みたいと思っているのですが、文庫本しか置いていないようで・・・・
失礼ですが、お歳に親近感を感じています。ふたつ違いのようです。(◎_◎)
遅読で・・・・湖永さんは凄い!こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします!
(^o^)/~~~~~
2022/09/26 -
アールグレイさん こんにちは。
いいね ありがとうございます。
ここで、みなさんのレビューを拝見してから読む本の種類も増えてきて、ますます...アールグレイさん こんにちは。
いいね ありがとうございます。
ここで、みなさんのレビューを拝見してから読む本の種類も増えてきて、ますます本好きになりました。
若い方も多い中で、ちょっと気後れしていましたが、年齢が近いと嬉しくなります。
こちらこそ これからもよろしくおねがいします。2022/09/26
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fukayanegiさん こんばんは!
お子息の「金曜日の砂糖ちゃん」の真似で目を瞑って仰向け姿
想像すると可愛らしいことと言ったら...fukayanegiさん こんばんは!
お子息の「金曜日の砂糖ちゃん」の真似で目を瞑って仰向け姿
想像すると可愛らしいことと言ったら!
平和な時間のお福分けありがとうございまーす2022/09/18 -
ベルガモットさん
コメントありがとうございます!
いや、もうほんと、親バカもいいとこなんですけど、あのやりとりは自分のベストシーンに...ベルガモットさん
コメントありがとうございます!
いや、もうほんと、親バカもいいとこなんですけど、あのやりとりは自分のベストシーンに入る場面でした。
子どもってほんと楽しいです。2022/09/19
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酒井駒子さんの絵が好き。
この本は詩集のようだ。
特に、草のオルガンが好き。むしゃくしゃした少年のちょっとした冒険。
小さな少年だが、なんだか凛々しい。酒井さんの絵がとにかく素敵だ。
私がもし、超売れっ子の小説家なら、ある2人の画家に表紙を描いて欲しいと夢想しているうちの1人が酒井駒子さん。
素敵な絵だなぁ。 -
図書館で子どものために借りにいった本の隣の棚にあり、偶然手にとった本。
ダークな詩のような短いお話が3編、とても素敵な絵とともに収められています。
めーちゃくちゃ素敵だった。私だけの大きな本棚を作ったら絶対並べたい本。サイズ感もかわいらしくてよい。 -
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mofuさん、こんにちは。
なんともふしぎな読後感の一冊ですよね。
特にラストの作品では胸がドキドキしたのを覚えています。
私もしょっ...mofuさん、こんにちは。
なんともふしぎな読後感の一冊ですよね。
特にラストの作品では胸がドキドキしたのを覚えています。
私もしょっちゅう夢うつつの子どもでしたが、自分の家にいられて良かったです。。
いえ、それとも不思議の国への切符をなくしたのかな?2018/01/12 -
nejidonさん、こんにちは。
ラストの物語は何とも言えない余韻が漂いますね。その展開にはちょっと驚きました。
子供の世界の掴み所のな...nejidonさん、こんにちは。
ラストの物語は何とも言えない余韻が漂いますね。その展開にはちょっと驚きました。
子供の世界の掴み所のなさにハラハラしますね。「不思議の国の切符」は私も残念ながらなくしたみたい(^-^;
絵一つ一つは可愛いのに、酒井さんは単なるイラストレーターではない手強さを感じます。
もっと酒井さんの世界観を見てみたくなりました(*^^*)2018/01/12
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何度目かの再読。時々こうして頁を開く。砂糖ちゃんがすやすやと眠る姿を見にくる蝶やバッタや鳥たち。さきほど、ちょうど庭にたんぽぽが生えていて小さなバッタを見かけたばかり。春だ。さみしいこと、かなしいことがあるとひとつでも心を慰めたくなる。ちょっと帰り道を変えるだけですてきな出会いがあったりする。ヘビに会えたらさらによかったのに。夜と夜のあいだに、とてもしっくりくるすてきな言葉。よく夜と夜のあいだに目を覚ます。朝の足音を聴くように目を閉じているといつの間にかまた寝てしまっている。今度昏い夜へ出てみようか。
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うつくしいとかわいいとほんのすこしの毒っ気が丁寧に織り込まれた上等な天鵞絨にくるまれたような気持ちになりました。
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小さな小さな砂糖菓子ようなの世界。
暖かいお日様の光の下か
あるいは夜に紛れて一人でそっと読みたい。
時々取り出して
眺めて、またそっと本棚に仕舞っている一冊。 -
2003年発表。
花や鳥や虫たちでいっぱいの庭で
お昼寝するのは
金曜日の砂糖ちゃんと呼ばれている
小さな女の子。
時間はいつもより
ゆっくりと流れていて
時計の針は
3時から4時までを指している。
女の子の眠りが
邪魔されないように
それを見守るカマキリ…。
(金曜日の砂糖ちゃん)
オレンジ色に染まる空。
時刻は5時を過ぎている。
ランドセルを背負った男の子が
いつもと違う帰り道で出会った
音の出ないオルガン。
それでも
蝶やバッタやカラスがやってきて…。
(草のオルガン)
ふと目覚めると
それは夜と夜の間の魔の刻。
時計の振り子は
斜めな角度になったまま
ピクリとも動かない。
何かに誘われるように、
大人のいる世界から決別するかのように、
女の子は夜の闇へと消えていく…。
(夜と夜のあいだに)
子供が一人でいる時間を
幻想的に描いた、
3つの話からなる
絵画的な絵本(^_^)
しかし、なんて甘美な絵本なんだろう。
どの話にも
目には見えない
死の影が漂っていて
ドキリとさせられます。
余計なものを削ぎ落とした
想像力を掻き立てられるストーリーと、
やさしくて
繊細で
どこか物悲しくて
官能的でさえある
酒井さんの
芳醇で美しい絵の魅力にも
(黒の使い方が絶妙!)
ドンドン引き込まれていきます。
読む者を無意識の世界へ誘う
ダークで幻想的な
異世界への扉。
それは純粋無垢な子供たちだけが
たどり着くことができる、
残酷なまでに美しい世界。
いろんな解釈のできる
寓話的なお話なので、
(ホラーよりゾッとする話もあります!)
どちらかと言えば
成熟した大人にこそ読んで欲しい
美しすぎる絵本です♪
2005年ブラティスラヴァ世界絵本原画展で
金牌受賞作★ -
花冠を頭に乗せた少女の表紙。
花の上には鳥や蝶までいます。
これを眺めるところから、プロローグ。
180mm×135mmの小さな本には3つのお話が入っています。
表題作の「金曜日の砂糖ちゃん」と、「草のオルガン」「夜と夜のあいだに」の3つです。
「金曜日の砂糖ちゃん」と呼ばれる小さな女の子。
すやすやと眠っているところから、始まります。
どの絵も黒と白と、ほんの少しの赤で描かれています。
とても可愛らしいと評判のこの女の子を、鳥や虫たちと一緒に草の陰から見守っているような気分になる、そんな絵。
本から風など吹いてくるはずはないのに、さやさやと吹いてくるような気がしてくる、不思議な空間があります。
小さな子がお昼寝するのだから、たぶん午後2時か3時頃のお話。
ふたつ目の「草のオルガン」は、さみしいいことがあったからと、うつむいて歩く小さな男の子が出て来ます。
鞄を背負っているので、小学校の低学年か中学年くらいかな、たぶん。水色の空や草原の緑が目に沁みて、音のでないオルガンを弾くと、草のなかから小さな生き物たちがやってきます。
カラスがタンポポをくわえて傍に来たとき、この子の表情がふっと柔らかくなるのです。
このお話だけは男の子が語り手。
下校中のことなので、午後4時か5時頃のことでしょうか。
さて、みっつ目はと言うと…
昨年の暮れ、いつも行く「町の絵本屋さん」で、このみっつ目のお話を立ち読みしたのでした。
最後の1ページで「してやられた」感があったわたしは、どうしても気になってこの本を買ってしまったというわけです。
そんな「夜と夜のあいだに」は、これも小さな女の子が出て来ます。
反則と知りつつ、最後からふたつ目の絵のことを。
犬たちが迎えに来ています。
ちょっと変わった格好の犬たち。
女の子も、変な格好をしています。
夜と夜のあいだに目をさました子は、母親のシュミーズを着て、いつもは触ってはいけないと言われている針箱から針と糸とボタンをひとつかみしてクッキーの缶に入れ、髪をとかし、鳥かごの戸を開け、そして、家の扉を開けました。そして…
こんなぞくぞくする最後が用意されていたなんて、今でも悔しい(笑
酒井さんには参りました。
静かな静かな、そして少し妖しい幻想的な世界をぜひ味わって下さい。
黒を基調にしたマットな画面。ざくざくした、かすれた絵の具のタッチ。
子供の愛らしい顔を描くのが、何て上手なひとでしょうね。
でも寂しい顔も描けるし、妖しい表情も描けるのです。
どれもちょっぴり秘密めいた、子供たちだけの特別なお話。
帯には江國香織さんの美しい紹介文が書かれています。
手に入れてから、毎日毎日開いては眺める、そんな一冊。
酒井駒子さんの絵が好きで、この方の作品はよく読むのですが、一番手元に置いておきたい作品です。-
2010/12/14
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kikiさん、2010年の12月にコメントをいただいていたのに、今頃お返事して申し訳ありません。
実は・・・お返事の仕方が分からなかったので...kikiさん、2010年の12月にコメントをいただいていたのに、今頃お返事して申し訳ありません。
実は・・・お返事の仕方が分からなかったのです、ええ、本当なんです。
てっきり「返信」という文字がどこかにあるものと。。。
そのまま「コメント」というところに書き込めばお返事になるなんて、つい最近知りました。
本当に本当に申し訳ありませんでした。
ところで、酒井駒子さんの作品は最近何か読まれましたか?
金曜日の砂糖ちゃんのような不思議さも好きですが、「はんなちゃんがめをさましたら」のような、ただただ可愛いのも良いですよね!2013/03/08
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何かを伝えたいことはわかる
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
酒井駒子の作品
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