- Amazon.co.jp ・本 (52ページ)
- / ISBN・EAN: 9784039671707
感想・レビュー・書評
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「リトル・グレイ・ラビット」(評論社は「グレー・ラビット」)シリーズは、灰色うさぎの「グレイ・ラビット」と、大うさぎの「ヘア」、りすの「スクィレル」を中心とした、電気やガスが無くても、自然の恵みと皆の絆で楽しく暮らすことができる、マーガレット・テンペストの描くシルバニアファミリーみたいな可愛らしい見た目も魅力的な、イギリスの児童文学作家アリソン・アトリーによる物語です。
タイトルからも分かるように、今回の主役のめんどり母さん「スペックルディ」は、もうすぐ生まれる子どもたちのために、いつもの騒がしい農場でない、一人で暮らすのに快適な家を見つけ、やっと住み始めたものの、それをきつねが見つけて、隙あらば食べてやろうとするから、出るに出られなくなってしまい、さあ大変!
一方その頃、グレイ・ラビットは、春の花を使ったケーキを作ろうと思ったが、スペックルディの卵が一つ必要なことに気付き、その時、牛乳配達に訪れたはりねずみの「ヘッジホッグ」から、スペックルディがいなくなったと聞いたので心配していたら、やがて茂みに引っかかっていた、彼女のボンネットが見つかったことで、いよいよきつねの存在が彼女を脅かしていると予想し、どうすればいいかと皆で相談し・・・。
マーガレット・テンペストの描く、ひよこのあまりの可愛さに、これは絶対に守らねばと感じさせる中、今回はフクロウ博士の知恵を借りたものの、珍しくグレイ・ラビットでも出来ない難問に差しかかってしまい、いったいどうすればと思った中、意外なあのキャラの勇気を見せた大活躍が、とても印象に残り、なるほど知識を得る大切さというのは、こういうときに痛感するのだなと納得いたしました。
そして意外性といえば、今回はヘアが予言者めいた役割であったり、あのスキィレルが泣いてしまう場面もあったりと、これまで読んできたファンにとって楽しめる要素もあり、特にスキィレルは、あんたにそんな感性もあったんだねと、改めて人間性(動物だけども)の奥深さを感じました。
全8冊ある偕成社のこのシリーズは、最終巻が、評論社の「旅のはりねずみ」と同じ話のため、これで一応の完読となり、いよいよ残すは評論社の4作品のみとなりました。
ちなみに次回はヘアが主役なので、いったいどうなることやら、楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示