デルタの羊

  • KADOKAWA (2020年10月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784040650647

作品紹介・あらすじ

製作委員会、制作会社、ゲーム、配信、中国、テクノロジー、コロナ後…… これが日本のアニメの“リアル”!

「俺たちはあまりに善人だ」
「誰かが羊飼いにならなきゃ、日本アニメは地盤沈下していく」

アニメ製作プロデューサー・渡瀬智哉は、念願だったSF小説『アルカディアの翼』のテレビアニメ化に着手する。
しかし業界の抱える「課題」が次々と浮き彫りとなり、波乱の状況下、窮地に追い込まれる。
一方、フリーアニメーターの文月隼人は、ある理由から波紋を広げる “前代未聞のアニメ”への参加を決意するが……。

アニメに懸ける男たちの人生が交差するとき、【逆転のシナリオ】が始動する!

みんなの感想まとめ

アニメ業界の裏側を描いた本作では、制作プロデューサーの渡瀬とアニメーターの文月が、夢のアニメ化を目指して奮闘する姿が描かれています。業界の課題や過酷な現実が浮き彫りになる一方、彼らの熱いアニメ愛が困難...

感想・レビュー・書評

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  • 私だって「存在の全てを」を読みたい
    読んで待ちます、塩田さん8作目

    アニメ業界の内幕を描く
    アニメの制作過程とか、制作委員会系の話とか

    内幕と共に 過去のアニメ作品がぱらぱら登場
    会話にもアニオタっぽさ満載

    アニメに人生をかけていた(結局賭け続けた)男達が 最初に描いた夢をーアニメ化したい“アルカディアの翼”作中作品ー紆余曲折しながら叶えていく

    構成を工夫しすぎていて読みにくい
    再読すると たぶんすっきりすると思う

    そして、あとは読まずに待ちます「存在の全てを」

    • みんみんさん
      わたしが読んだ塩田作品は3つ…
      何故か静か?な作品を選んでたみたい笑
      将棋の話は面白かったし(゚-゚*;)(;*゚-゚)
      わたしが読んだ塩田作品は3つ…
      何故か静か?な作品を選んでたみたい笑
      将棋の話は面白かったし(゚-゚*;)(;*゚-゚)
      2024/08/04
    • ultraman719さん
      私、12作品も読んでました。
      「罪の声」は、近所にグリコの工場あったんで、親近感タップリです!
      私、12作品も読んでました。
      「罪の声」は、近所にグリコの工場あったんで、親近感タップリです!
      2024/08/04
    • 1Q84O1さん
      私は2作品だけ…
      そこまで相性はよくないかもです…(^.^;
      私は2作品だけ…
      そこまで相性はよくないかもです…(^.^;
      2024/08/05
  • アニメの制作現場とプロデューサー、制作委員会にまつわるあれこれのストーリー。

    これまで現場スタッフの好きなアニメの仕事ができるという《やりがい搾取》の中でそれでも成長し続けてきたジャパニーズアニメ。

    忙しさを誇る幼さをなんとかしなくてはならん、とあれこれプロデューサーは奮闘する。

    〜いつまで昭和を引きずるんだ。阪神のクリーンナップは、バース、掛布、岡田じゃないんだぜ。
    には笑ってしまったが大きく頷いた。

    新しい技術を取り入れ、現場スタッフの地位を向上させ新たなる作品を生み出す。

    50代の自分は子どもの頃から大量のテレビアニメ、アメリカのハンナバーベラを楽しんだ。

    《さらば宇宙戦艦ヤマト》を映画館で観た時の絵の緻密さは子ども心に衝撃だった。

    そういった過程を経て日本のアニメは素晴らしい進化をした。
    しっかりした原作、しなやかな動き、美しい絵、個性的な声、感情を揺さぶる音楽、どれをとっても超一流だ。
    もはやピクサーと同等以上だろう。

    自分はこの作品で初めて《文字でアニメを堪能する経験》をした。
    ワクワクドキドキして、作中のアニメを見終わった(読み終わった)時は感動以外の言葉が見つからなかった。


    日本のこのコンテンツは歌舞伎同様、国宝だ。

  • ファンタジーの名作「アルカディアの翼」をアニメ化したい。オタク系アニメ制作プロデューサー渡瀬と、迷える凄腕アニメーター文月、二人の熱烈なアルカディストが、挫折を乗り越えて悲願を達成するまでを描く、アニメ業界内幕系エンタメ小説。

    アニメ業界のブラックさが赤裸々に描かれる一方、熱烈なアニメ愛で修羅場を乗り越えてしまうアニメーターたちの圧倒的なパワーも強調されている。(本書が、今のアニメ業界を正確に描いているとしてだが)薄給で過酷な労働に耐えるアニメーターに支えられている脆弱な日本のアニメ業界、これでいいのか? まあ、デジタル化やCG技術の進化などによってアニメ制作の手間はだいぶ軽減されてきているんだろうけど。

    「中国ビジネスの不安定さと制作委員会方式の脆弱性、ゲーム会社による元請け制作の買収、制作会社の後継者問題、配信外資の制作費後払いに声優の炎上……」、本書で描かれているアニメ業界のリスク、どの程度リアリティあるのかな?

    何気なく流し見するアニメ作品にも様々な苦労と工夫が隠されているのだとすると、もっとじっくり味わわないといけないかな。

    という訳で、ノンフィクションのレビューのような感想になってしまった。もちろん、物語は単純に楽しめた。前半は入れ子構造にもなっていて、作中作かと思った。

    観覧車内での渡瀬(長さん)と小河(狭さん)のオタク会話が衝撃的。これで会話成り立ってんのかな(笑)。

  • のっけから文明退化時代の壮大なファンタジーではじまり、アニメ業界のお仕事小説なのかと思ったら、劇中劇ってやつなのかってなるも、ひとつの世界に集約してくのは結構面白かった。
    内容的には、戦国時代の下克上みたいなテイストもあり、結局人とのつながりみたいな美談にも感じられた。
    コロナ禍が作中に出てくる話で今年書かれた本だと思うと、直後にきめつ映画でまたアニメ業界の情勢変わったところもあるだろうなぁ。
    主要人物が男メインのせいなのか、ちょっとひと昔前のような感じもするけど、コロナ後なんだよな…

  • 作中作とわかったところでまず納得。それがノンフィクションと判明してまた腹落ち。後半になるにつれて没入感が増した。そういえばタイトルの意味は何だったのか未だにわからない。

  • 最初の部分は自分は要らないような気がします。
    少し戸惑ってしまいました。
    アニメに対して知らない事を知ることが出来ました。
    ただアニメに対する思いが良く分からないですね。
    オタクと言う言葉で片付けたくは無いですけどね。

  • 冒頭からついていけず、、内容が詳しく描かれている分退屈で読む手が進まなかった。。好みではなかった。

  • この作者の作品を何作か読んできて、二番煎じ的な作品が多いなと感じてしまった。本作についてもこれはアニメ「shirobako」の小説版じゃんと思ってしまった。内容もどこか古くこの作品でやってることはとうの昔に京アニがやって来た事じゃないかと思ってしまった。京アニといえば昔手塚プロダクションで働いていた女の子が京都に帰って下請けのアニメの仕事をしながら現在に至ったサクセスストーリーで、この実話を小説にしてくれた方がどれぐらい興味深かったことか。海外資本と手を組む話が出てくるが、どの会社もnetflix等でやってるし、ただしチャイナとだけは組んではいけない、共産国家にいくら投資してもその資本は全て共産党に没取されるのがオチである。最近下請けが朝鮮から中国、そしてベトナムに移っているようだが、朝鮮は色彩が酷かったし作画崩壊もあった、その点ベトナムの仕事はすごくいいように思うのは考えすぎだろうか。

  • 面白い。辻村深月さんの「ハケンアニメ」もそうだったけど、アニメものは愛があるからさわやかでいいよね。本書は現実と創作が混じり合う構成もリーダビリティを高めていて見事。

  • ラストのアニメ描写は読んでるのに映像が見えてくる凄まじさ。
    何故こんな表現が出来るのか不思議で仕方がない。
    毎回塩田さんの作品はシリアスで展開が読めないのにしっかり泣かされる。
    また読めばとことんまで調べ上げたことによる、業界に精通する知識が得られる。
    一冊の本にするまで妥協が無いなと感服する。
    ただ謎なのは表紙の挿絵と、なぜデルタの羊なのかがわからなかった。
    でもそれくらいは謎でいいw

  • この世界にあまり興味のない私でも分かりやすく楽しめました。

  • 文字で、絵で、声で、命を吹き込む人達の物語です。

  • 読書備忘録582号。
    ★★★☆。
    アニメ業界のお話。しっくりこない。作者はいろいろ取材したと思うが、やっぱりしっくりこない。
    アニメ業界はもっともっと進化している・・・。
    物語は「アルカディアの翼」という冒険小説の冒頭で始まる。そしてこの作品をアニメ化したいという十字架を背負った玩具メーカー社員の渡瀬の話になる。アニメは製作委員会方式で作成され、そこにはアニメ制作と周辺ビジネスで商売として成立するんだという構図。グッズ販売で利益を得るのが渡瀬という訳だ。
    渡瀬はアルカディアの原作者近藤との長年の交渉でやっとアニメ化の許可を得る。しかし、メインの声優の不祥事で計画は頓挫する。渡瀬は玩具メーカーを去る・・・。
    場面は変わり、トータル・リポートというドキュメンタリーアニメを制作しようとしているアニメーターの文月の物語になる。なんとトータル・リポートはアルカディアの企画から挫折までを描いたノンフィクションアニメとして制作される計画。そして、トータル・リポートも制作途中に社員が起こした煽り運転事故の結果、頓挫する。制作会社も解散し、文月も無職となる。
    そして渡瀬と文月が再び手を組み、アルカディアの翼を世に送り出す!
    というサクセスストーリーです。
    ですが!登場人物を躍らせることで、イチイチくどいくらいアニメ業界を業界!業界!業界!としつこく表現する作風にちょっとイラついてしまう私。笑
    個人的にアニメは、私の人格形成の半分ほどを占めるくらい重要なアイテムなのでイライラ感が半端なかった。
    夢を追う男たちとそれをサポートする女という構図もイライラを増長させる。笑
    辻村深月さんの傑作「ハケンアニメ!」には足元にも及ばない。
    どうもこの作家は相性が悪い。

  • 小説『アルカディアの翼』を渡瀬がアニメ化しようとする第1章、文月が1アニメーターとして働く第2章、第2章の最後に『トータル・レポート』として渡瀬の失敗の物語をアニメ化しようとしていることが書かれる。全てが同テクスト上で書かれるため、どこまでがフィクションで作品なのか、序盤は判別できない点は面白い書き方だと思った。
    物語の要所や結果の部分は空白にしたまま、時間が飛び次の章が始まる書き方には好みが分かれるだろう。加え、後半は文月視点で展開されるため、実は渡瀬が奔走しており、アニメーターの繋がりの良さをアピールする終盤に、その実感が欠けてしまっているように感じた。
    コーヒーを飲む休憩室、卓球、PUB、観覧車などリフとして機能する場所とそれに付随する内容の書き方は効果的に作用していると感じた。

  • 文字ならではのトリック


    今描かれているのはアニメの中の話なのか、それとも現実世界の話なのか、文章だけでは判断がつかない。それをうまく利用して作り上げたストーリーだった。

    文章は創作物の中でも自由度が高い。
    実写で表現するには場所や物を用意する必要があり、アニメーションの場合は表現できる人物が要る。だからこそ卓越した表現が芸術になる。

    文章の場合は少し違う。
    ほお、と読者を唸らせるためには巧みな言葉選びや予測不可能な展開が必要となる。
    『デルタの羊』は作者が知らないジャンルを精一杯調べて書いた感がビシビシと伝わってくる。

    一体どこが評価されているのかいまいち伝わってこない"神アニメーター"や唯一無二の色合いを出す背景屋。「すごい」と文字で表現するのは簡単だ。何がどうすごいかを具体的に伝えることができないジャンルでは余計にこういった形容は避けた方が良い。
    表現としては、ドカッ!バキッ!ドドドドド!強い・・強すぎる!と何ら変わらなくなってしまう

  • 「アルカディアの翼」のアニメ化のため,原作者に食い込んだ渡瀬が……という話かと思いきや,「えっ!」……という展開に終始翻弄されて,しかも後味もいい。

  • アニメ制作の話。
    制作のシステムとか社会的背景とか技術的なこととかの専門的な内容は難しくてしっかり理解できなかったかもしれず、これ無理かな?と思った瞬間もありましたが、観覧車の中でのオタク的な会話がものすごくツボで、職場の昼休みなのにニヤニヤを止めることが出来ませんでした。エヴァンゲリオン万歳と思い、エヴァ好きにぜひ読んでと奨めました。奇しくもエヴァの映画の延期が昨日判明しましたが…。
    アニメ制作に携わる人たちの大変さを少しは共有できたかな…。読みながら熱くなりました。

  • 集中して読んだらもっとおもしろかったのかも。

  • これはめちゃくちゃ面白かった!!
    まず本の構成が神かっ!
    冒頭から始まるSFの様な話。
    そこから飛んで、実はその冒頭に出てきたアルカディアと言う神作品をアニメ化しようと奮闘している主人公とその周りの人達が書かれ、中盤からもう1人の主人公アニメーターが出てくる。
    これはどう言う繋がりが…
    と思いつつ読み進めて行った後の真実と展開がもう凄い!
    構成が神だけでなく現在抱えている日本アニメ界の現状問題や、日本の座を狙う中国やアメリカ…
    アニメが好きじゃなくてもビジネス小説としても楽しめる。
    何かを徹底的に好きで好きで好きで、自分が抱いた夢を絶対に諦めない執念の塊をぶつけて人と人を繋いでいく展開にドキドキが止まらなかった。

  • アニメーションに情熱かける人達がいた。手塩をかけて作った作品を映像化し沢山の人に認知してもらう。その為には色んな人の協力が必要である。そして、準備が確実に整うのだった。話の着地も良いと思った。星2つです。

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著者プロフィール

1979年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業後、神戸新聞社に入社。
2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、小説家としてデビュー。同作は第23回将棋ペンクラブ大賞文芸部門大賞も受賞した。2012年神戸新聞社を退社し、専業作家に。
2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞、2017年本屋大賞は3位に輝き、2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位となった。2019年には『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2023年『存在のすべてを』が2024年本屋大賞3位に輝き、2025年には『踊りつかれて』が第173回直木賞候補作となった。複数の作品が映画化されている。
その他の著書に『女神のタクト』『崩壊』『騙し絵の牙』『デルタの羊』『朱色の化身』など。

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