デルタの羊

著者 :
  • KADOKAWA
3.53
  • (21)
  • (62)
  • (57)
  • (13)
  • (4)
本棚登録 : 503
レビュー : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040650647

作品紹介・あらすじ

製作委員会、制作会社、ゲーム、配信、中国、テクノロジー、コロナ後…… これが日本のアニメの“リアル”!

「俺たちはあまりに善人だ」
「誰かが羊飼いにならなきゃ、日本アニメは地盤沈下していく」

アニメ製作プロデューサー・渡瀬智哉は、念願だったSF小説『アルカディアの翼』のテレビアニメ化に着手する。
しかし業界の抱える「課題」が次々と浮き彫りとなり、波乱の状況下、窮地に追い込まれる。
一方、フリーアニメーターの文月隼人は、ある理由から波紋を広げる “前代未聞のアニメ"への参加を決意するが……。

アニメに懸ける男たちの人生が交差するとき、【逆転のシナリオ】が始動する!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • のっけから文明退化時代の壮大なファンタジーではじまり、アニメ業界のお仕事小説なのかと思ったら、劇中劇ってやつなのかってなるも、ひとつの世界に集約してくのは結構面白かった。
    内容的には、戦国時代の下克上みたいなテイストもあり、結局人とのつながりみたいな美談にも感じられた。
    コロナ禍が作中に出てくる話で今年書かれた本だと思うと、直後にきめつ映画でまたアニメ業界の情勢変わったところもあるだろうなぁ。
    主要人物が男メインのせいなのか、ちょっとひと昔前のような感じもするけど、コロナ後なんだよな…

  • 作中作とわかったところでまず納得。それがノンフィクションと判明してまた腹落ち。後半になるにつれて没入感が増した。そういえばタイトルの意味は何だったのか未だにわからない。

  • 最初の部分は自分は要らないような気がします。
    少し戸惑ってしまいました。
    アニメに対して知らない事を知ることが出来ました。
    ただアニメに対する思いが良く分からないですね。
    オタクと言う言葉で片付けたくは無いですけどね。

  • この作者の作品を何作か読んできて、二番煎じ的な作品が多いなと感じてしまった。本作についてもこれはアニメ「shirobako」の小説版じゃんと思ってしまった。内容もどこか古くこの作品でやってることはとうの昔に京アニがやって来た事じゃないかと思ってしまった。京アニといえば昔手塚プロダクションで働いていた女の子が京都に帰って下請けのアニメの仕事をしながら現在に至ったサクセスストーリーで、この実話を小説にしてくれた方がどれぐらい興味深かったことか。海外資本と手を組む話が出てくるが、どの会社もnetflix等でやってるし、ただしチャイナとだけは組んではいけない、共産国家にいくら投資してもその資本は全て共産党に没取されるのがオチである。最近下請けが朝鮮から中国、そしてベトナムに移っているようだが、朝鮮は色彩が酷かったし作画崩壊もあった、その点ベトナムの仕事はすごくいいように思うのは考えすぎだろうか。

  • 面白い。辻村深月さんの「ハケンアニメ」もそうだったけど、アニメものは愛があるからさわやかでいいよね。本書は現実と創作が混じり合う構成もリーダビリティを高めていて見事。

  • 小説『アルカディアの翼』を渡瀬がアニメ化しようとする第1章、文月が1アニメーターとして働く第2章、第2章の最後に『トータル・レポート』として渡瀬の失敗の物語をアニメ化しようとしていることが書かれる。全てが同テクスト上で書かれるため、どこまでがフィクションで作品なのか、序盤は判別できない点は面白い書き方だと思った。
    物語の要所や結果の部分は空白にしたまま、時間が飛び次の章が始まる書き方には好みが分かれるだろう。加え、後半は文月視点で展開されるため、実は渡瀬が奔走しており、アニメーターの繋がりの良さをアピールする終盤に、その実感が欠けてしまっているように感じた。
    コーヒーを飲む休憩室、卓球、PUB、観覧車などリフとして機能する場所とそれに付随する内容の書き方は効果的に作用していると感じた。

  • 「アルカディアの翼」のアニメ化のため,原作者に食い込んだ渡瀬が……という話かと思いきや,「えっ!」……という展開に終始翻弄されて,しかも後味もいい。

  • アニメ制作の話。
    制作のシステムとか社会的背景とか技術的なこととかの専門的な内容は難しくてしっかり理解できなかったかもしれず、これ無理かな?と思った瞬間もありましたが、観覧車の中でのオタク的な会話がものすごくツボで、職場の昼休みなのにニヤニヤを止めることが出来ませんでした。エヴァンゲリオン万歳と思い、エヴァ好きにぜひ読んでと奨めました。奇しくもエヴァの映画の延期が昨日判明しましたが…。
    アニメ制作に携わる人たちの大変さを少しは共有できたかな…。読みながら熱くなりました。

  • 集中して読んだらもっとおもしろかったのかも。

  • これはめちゃくちゃ面白かった!!
    まず本の構成が神かっ!
    冒頭から始まるSFの様な話。
    そこから飛んで、実はその冒頭に出てきたアルカディアと言う神作品をアニメ化しようと奮闘している主人公とその周りの人達が書かれ、中盤からもう1人の主人公アニメーターが出てくる。
    これはどう言う繋がりが…
    と思いつつ読み進めて行った後の真実と展開がもう凄い!
    構成が神だけでなく現在抱えている日本アニメ界の現状問題や、日本の座を狙う中国やアメリカ…
    アニメが好きじゃなくてもビジネス小説としても楽しめる。
    何かを徹底的に好きで好きで好きで、自分が抱いた夢を絶対に諦めない執念の塊をぶつけて人と人を繋いでいく展開にドキドキが止まらなかった。

全69件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年は『罪の声』『騙し絵の牙』と映画が続々公開。

「2020年 『デルタの羊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

塩田武士の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

デルタの羊を本棚に登録しているひと

ツイートする
×