変態王子と笑わない猫。8 (MF文庫J)

著者 :
制作 : カントク 
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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本棚登録 : 147
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040663890

作品紹介・あらすじ

ブタヒツジ戦争も一応の終結を迎えた真冬日、いよいよパーティーの開幕だ。そう、我らが月子ちゃんの誕生日パーティーだね!桃色天国ツイスターゲームにメイドさんとのお医者さんごっこ、そして『いちにち自由にできる券』!楽しく幸せな日常のさなか、密かに迫るは黒い影。彼に手を引っ張られ、ぼくは憧れのヒーローとなる。「-結婚しよ?」「…えっ」「子どもも、たくさん作ろう?」「ふぁっ!?」彼女にプロポーズもしたし、あらゆる揉めごとも解決したし、もうなにも怖くない。大人気爽やか系変態ラブコメ第8弾!『横寺陽人』の本質がついに明らかに-?

感想・レビュー・書評

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  • 登録番号:11168 分類番号:913.6サ(8)

  • 誰かのヒーローであることを願い、「最大多数の最大幸福」を目指して自分を見失っていく横寺陽人の巻。自分のことを後回しにして、誰も彼もを助けようとして、大好きだった陸上を忘れかけて。自分より立派な自分に自分を譲ってこれで良いと思って。やりきれない気持ちになった。そんな横寺に気付き、思いを伝えてくれた子がいる。そのままの君でいいんだよ、そのままの君がいいんだよと言ってくれる子がいる。なにもしなくていい、なにもかもを救おうとしなくていい、ありのままの君が好きなんだと(そこまで言ってないか)これは前巻までの筒隠月子へのアンチテーゼなのだろうか。無理に変わろうとしなくていい。嫉妬していじわるしてちょっぴり子どもっぽいところもあって無表情だけど感情豊かな君がいいんだ。小豆梓と張り合って大人になろうとしなくていいんだ。そんな君が好きなんだから。
    小豆梓が押し出してくる目一杯の大好きと信頼は嬉しいものだけれど、全肯定というのは危ういのでは、と思った。道を外れそうになった時、地獄まで一緒についてきてくれるよりも、目を覚まさせてくれる子の方がきっと尊い。

    横寺陽人の家庭環境と子どもの頃が気になる。なぜ一軒家に高校生が一人で済んでいるのか?なぜ両親は電話越しにしか登場しないのか?ほとんど愛情を注いでもらったことがないのでは?横寺陽人を構成する要素が気になる。今まで筒隠家の事情は何度も出てきたけれど、彼が地の文で自らの家庭環境と比べたことは一度もなかったような。

    彼女の母親を思い出させるようなラストシーン。鋼鉄さんはいつまでも年上なのだ、という言葉が彼女が年上であることを思い出させて良かった。月子大好きラブリー月子なシスコンで勉強が苦手な面が目立っているが、母亡きあとの筒隠家を長女として守ってきたのは彼女なのだ。このラストシーンから実は嘘でしたみたいな展開にはなって欲しくないが、どう転んでも一筋縄ではいかない気がする。次巻も読む。

  • 各章サブタイトルがことごとく有名な辞世の句で、しかも四章までは全て自殺前。神曲の地獄篇の引用もあり異様にダークネスな展開を想定するも、最後は結局ハッピーエンド(次巻へのネタフリを除く)。袋小路に陥った主人公が積み上げて行った黒くて陰鬱なものが、張り詰めていた糸がプツンと切れるように瓦解してカタルシスって展開までは完璧だと感じたのだけど、そこから先がご都合主義でちょっと拍子抜け。自己と他者の幸福の天秤の問題について、前巻では非常に大きく扱われたエゴの問題と正反対側、ベンサムの功利主義に基づいた最大多数の最大幸福の中での自己の欠落がメインテーマ。出来ればそれをもう少しシビアに突き詰めて欲しかったけどやっぱりそれはラノベの域を出るのかもしれないのかもなとか。
    鋼鉄さん可愛すぎるどうしようって感じだ。最後の不穏な咳は今後の物語の不穏な展開を象徴するものであって決して鋼鉄さんがつかささんと同じ病気にだとかそう言う話ではないと信じたい気持ちしかない。

  • 人は変わるよ、変わるよ人はー
    どこか文学的というか哲学的なんだよなぁ。そして明らかになる横寺陽人の本質。やはり王子は王子だったということでいいのかな。
    月子と小豆梓が結んだ協定も気になるけど、鋼鉄さんは『横寺弟』の正体に気づいているのかいないのか。
    前巻同様不吉な暗示で終わってるので重い展開になりそうだけどどうなることやら。

  • 割とシリアス巻。背景が芥川龍之介やスティーブンソンの匂いがする。

  • 横寺くん(?)大活躍の巻。エミ父っぽい何かとの会話で出たヒーローになりたい願望からおかしなモノに憑かれて意識とは別の言動を。小豆ちゃんとデートもあったけど、月子がやっぱりヒロインですなぁ。シリアスな中にも真・横寺の変態的思考は相変わらずで、それを考え付く作者の変態レベルの高さに感服します(笑)私的にはほんわかさまの挿絵があって満足。

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著者プロフィール

ライトノベル作家。東京都在住。
2010年、『変態王子と笑わない猫。』で、第6回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞を受賞し、デビュー。
趣味は将棋。

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