ナイトガーデン (フルール文庫 ブルーライン)

著者 :
制作 : 竹美家 らら 
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
4.21
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本棚登録 : 246
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040669052

作品紹介・あらすじ

静かな山の中で祖父と暮らす石蕗柊のもとに、祖父の昔の教え子だという男・藤澤和章が訪ねてくる。このまま一生山を出ずに生きていく、そう思っていた自分はなんて狭い世界しか知らなかったんだろう…生まれてはじめて触れた人の肌の熱さに和章への想いを自覚する柊。だが彼の瞳はいつも柊ではない"誰か"を見ていた…。「ふったらどしゃぶりWhen it rains,it pours」から一年、消えない傷を抱えた和章の愛と再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • はー、やっぱり一穂さん好きだわ…。
    前作ありきのスピンオフものだけど、前作とはまた違う雰囲気を醸し出しているのはさすがといったところ。
    恋を失って傷ついた和章と、祖父と二人暮らしをする柊が出会い、惹かれあう。野生児のような柊と、人との関わりを嫌い都会で生きていた和章がどうやって恋に落ちていくのか、そして何を知っていくのか。恋物語であると同時に喪失と再生の物語でもある稀有な作品。一穂さんを好きで良かったと実感できます。

  • 読後自分の中で色んな気持ちが駆けめぐって、それをうまく論理立てて説明する自信がない。
    一言でいえば、それはとてつもない安堵かもしれない。自分を許さない和章をちゃんと許してくれる人が現れたことに。
    罪悪感に苛まれながら、それでも手放すこともできなくて、幼なじみの整を囲い込むことでしか愛せなかった和章。愛しているのに受け入れられない矛盾。いびつな関係が破綻してどこかほっとした一方で、すべてを失ってしまった喪失感に絶望する。
    そんな和章の心に整の別れの言葉が抜けない棘のように突き刺さる。大切な中味を失った空っぽの入れ物みたいな自分に。
    そんな和章の前に文字通り降ってきた一条の光。山奥で隠遁生活をしている祖父と共に暮らす柊。あらぬ誤解、父母すらも100%の力で自分を信じてくれなかった事に傷ついて、逃げるように祖父の元にやってきた。
    逃げるのも闘い方のひとつだと鷹揚に見守ってくれる祖父もまた心に深い傷を抱えている。
    それぞれ過去を引きずりながらもひっそりと過ぎていくやさしい時間。それが、ずっと前に進めずにいた和章をやがて再生していく。
    和章はつくづく不器用な人間なのだと思う。でもこんなにもやさしさと情熱を内に秘めていたのか…とも。
    一見とりつく島もないように見える冷静さは、心にない事は言えない誠実さだ。
    整は整でちゃんと幸せになっている。自分も幸せになっていい。そう想える相手に和章が出会えて本当に良かった。
    『ふったらどしゃぶり』と対の作品として、ぜひともセットで読んでもらいたい。

  • インテリアデザイナー×植物園職員(バイト)
    とは言え和章は全然デザイナーしてませんが。休職中。
    元大学教授の祖父と暮らす柊。そこへ書架の整理にやってきた元教え子の和章。
    花を美しいとも思わない、和章と感性でのみ突っ走る柊。違いすぎる二人が違うのに惹かれあうのが、不自然じゃないお話になってるなーと思う話でした。
    和章にも柊にも祖父にも過去に暗い経験があるせいか、どこか「ナイトガーデン」というタイトルにふさわしい、パっと明るくはない雰囲気が物語に漂っているのだけど、そういうのをあからさまではなく、上手く表現できる一穂ミチさんの描写力って本当にすごいと思わされる作品。

  • まるで夜の底にいるような、静かで綺麗な物語。
    いつもルチルとかディアプラスとかキャラ文庫とかメインでした。サイトで覗いていたけどフルールのブルーを買って最初から読むのは初めてだったので、一穂さんなのに作品の雰囲気の違いに驚いた。(出版社は関係ないかもしれないけど…)

    和章の囲い込むような過保護っぷりは置いといて、おじいちゃんっ子だったので、つい感情が入ってしまいました。表紙も好きだし控えめで重めの世界観も好き。同じく植物系の『藍より甘く』がものすごく好みだったので、自分の好みが少しわかってきたような気がした。一部志緒要素を含む柊が健気で可愛らしかった。

    『ふったらどしゃぶり』を読まずしてスピンオフから読んで大丈夫か?と思ったけど、描写が親切なので本編を読んでいなくても付いてゆくことができてありがたかったです。

  • 前作では不憫な役回りでしたが、
    ようやく幸せをつかめたようでよかったです。
    スランプだった仕事もきっと順調にこなすでしょうし
    ちょっと重いくらいの愛情を持っている和章だけれど
    柊ならそれも受け止められる素敵なカップルだと思います。

  • 星が足りない…

    前作「ふったら〜」がとても良くて、
    こちらも買ったらまさかの前作を超えるなんて…

    好きなシーンが多すぎて困る。
    セリフも覚えてしまった。

    攻めの人柄の描き方も、
    受けの目が離せない不安定さも
    大好きでたまらない作品。

    最後ちゃんと幸せになって、本当に良かった。

  • 『ふったらどしゃぶり』のスピン、整の想い人だった・和章✕祖父と暮らし植物園でバイトしている・柊。一年たっても自分を責めトゲが刺さったままの和章が、少しずつ柊に惹かれて恋に落ちていく様子がたまらなかった。前にも後ろにも行けなかった和章をゆっくりと溶かしていく柊… 彼にも色々と過去があるけど本当に素直な良い子で… 和章の相手が柊で本当に良かったと思った。お祖父さんの事はあまりにも不意打ちでちょっと辛かったです…

  • もう毎回一穂さんの作品を読むと同じことを書いている気がするのですが、毎回毎回こうも訴えかけてくるラブストーリー(男同士ですが)を書けるのかなぁと感心と感動させられます。
    ゆっくりとじっくりと世界に入れる文章に、それぞれの人生にもがいて苦しむ柊と和章がほどけるように近づいていく姿に思わず切なくて嬉しくて涙してしまいました。

    これは別作品「ふったらどしゃぶり」に登場していた藤澤和章と中卒で植物園でアルバイトをしている石蕗柊のお話です。
    感情の見えない和章とはつらつとして真っ直ぐな柊。二人はタイプが全く違うんですが、柊の実直さが前作の整とのことで閉じこもっていた和章の殻をそっとめくっていく感じに切なくてときめきました。

    それにしても和章は恋仲になると、あんなに優しくてデレデレになるんですね。思わぬギャップにこっちがどうにかなりそうでした。

  • 間違っていてもいいんだ、と言ってくれる人がいれば、あるいはそれを認めることができれば、とても救われるとは思うけど、現実にそれをするのはとても難しいよね、と思いました。

  • 和章幸せになれてよかった。

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