人魚姫の弟 (フルール文庫 ブルーライン)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040669861

作品紹介・あらすじ

イルカ族の血を引く人魚のリトは、人間の王子グレンに恋をしている。イルカの姿で友達になれただけでも幸せだったが、嵐の夜に海へ落ちた彼を助けたことをきっかけに、どんな犠牲払っても傍にいたいと願う。報われない恋と知りながら美しい瞳とひきかえに魔女の薬で少年へと変身するが…。表題作のほか、ユリアスとテオの美人兄弟それぞれの初恋を描く「輪」シリーズを収録。濃密エロスで贈る童話世界の匂いやかな恋愛譚!

感想・レビュー・書評

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  • WEBマガジン掲載作品。表題作は人魚姫、「輪」シリーズはヘンゼルとグレーテルを題材にしたBL童話でした。
    「暴君竜」に引き続き笠井あゆみセンセとの最強タッグが、エロスばかりではなく童話らしいロマンティックな仕上がりにもなっていてステキでした。

    「輪」シリーズは、ユリアスとテオの美形兄弟が酷い継母から逃れようとして青鬚の悪魔が棲む家に迷い込み、おいしそうな食事をうっかり食べてしまい…というドキドキ展開。
    ユリアスの思い込みゆえの片恋に切なくさせられ、フェルナンのストレートな愛情に嬉しくなります。
    フェルナンはとても好感度高い攻でした。
    世間知らずなテオの初恋も甘くてよかったです。貞操の危機にはハラハラさせられたけど、そこへグッドタイミングで現れる王子…ってのはまさにおとぎ話の醍醐味。
    お兄ちゃんたちのベッドを修理しなくちゃ!と考えたテオがとってもかわいかったです…w

    表題作は、甘い雰囲気の中にも人魚姫の原作の、あの切なさが再現されていて引き込まれました。
    すれ違いや誤解があっても二人の気持ちがブレることがなかったのがすごくよかったです。
    童話では王子様は他のお姫様のことを好きになってしまいますが、ちゃんと真実に気づいてほしかったな~と切実に思っていたので、この展開にはほっとさせられました。
    とは言え、二人とも愛の代償としていろんな苦難を強いられそれらを乗り越えています。
    そんな中、どんなに酷い悪意に妨げられてもリトに一途だった王子はカッコよかったです!
    めでたしめでたしの結末には、現実主義的にはツッコミはいりそうですが、なにしろおとぎばなしなので!
    エロ的には人魚Hが新鮮でした…妄想しまくり。
    イラストがほんとにきれいでぴったりで、作品を格上げしています。

  • おとぎ話をモチーフにした短編小説。ヘンゼルとグレーテルのはそう言われなければ分からなかったかも。
    兄のお相手は熊男でした。文面の人物描写以上に笠井先生タッチは熊でした、毛が…(笑)一方弟も純粋で賢くて可愛かった。またそれが嫌味じゃなくスーッと心に染み込む純さでした。王子が速攻唾つける気持ちも痛いほどよくわかる(笑)そして王子のやせ我慢?にニヨニヨ。あっちが立ってりゃこちらが立たぬという(^q^)そして挿絵の王子の股関が如実に語る…笠井先生GJ2度目です!この王子と弟の続きがほしいっ。
    表題作の人魚BL、イルカの姿で王子の悩み相談を受けている受けがこれまた健気で可愛かった~(*^^*)ウン、犬飼先生なら人魚のまましちゃうと思った♪期待を裏切らない!満足でした。

  • 童話モチーフでBL小説というとても素敵な設定
    ヘンゼルとグレーテル、美女と野獣が題材のユリアスのお話は、辛い過去をフェルナンが癒し、暗い世界に穏やかな色をつけるようで良かったです。テオの幼い恋の続きが欲しいです!
    人魚姫の弟 は真実の愛が正義なお話ですが、そこに到達するまでが波乱万丈で、え?どうまとまるの?と最後まで気が抜けない面白さがありました。幸せになって愛でたしなので良かったです。
    笠井あゆみ 先生の描く人魚の美しさ!素晴らしいです。

  • 童話のパロBLの短編集。切ない系を求めて読んでみたけど、攻めの周り(母親とか婚約者)が障害になるパターンの話だった。攻めはずっと受が好きだから安心して読める。切ないというよりは最後の方の怒涛の展開に読みながら振り回されて面白かった。死んだり生き返ったりがすごい。

  • しっかりとしたモチーフがあるせいか、展開もよく、読み応えもあって、最終的にちゃんとハッピーだったのが好み!

  • 犬飼のの先生の文章が大好きです。
    そして、笠井あゆみ先生のイラストが大好きです。

    絵画のような表紙が美しく、細部まで描き込まれているので、ついつい表紙をピンチしてズームアップしたくなりますが、もちろん紙媒体なのでできません。残念。

    表題作のほかに、ヘンゼルとグレーテルをモチーフにした連作短編が3つおさまっていて、どっぷりとファンタジーの世界に浸かれるのが楽しいです。

    輪シリーズの方の攻が、青髭公みたいな大男で、彼が登場する一枚目の挿絵が、毛むくじゃらの脚が大盤振る舞いされていて大変興奮しました。笠井先生の耽美なイラストで見る「モサモサ攻」はインパクトがすごくて、一気にフェルナンのことが好きになってしまいます。
    フェルナンとユリウスは、お互いを思いやってる切なく健気で可愛らしいカップルですが、3作目の腕輪に出てくるユリウスの弟のお話が一番好きでした。あの時点でテオは一体何歳だったのか…。テオとジークが再会してからのお話も読みたいです。

    人魚姫の方は、中編といった長さだったので、展開がスピーディーで、でもなにかを端折った印象をまったく与えないのが犬飼先生のすごいところです。おとぎ話をベースにしているからか、台詞回しが文学調で、それも大変素敵でした。

    最後の最後、人魚姿の受と足のある人魚姿の攻との肌色シーンがあって、尾ひれついてるのにどうやってするんだろう?とか大きなお世話なことを思ったりしてたんですが、読みながら、人魚の体ってそんな風になってたんですねー!と納得してしまいました。

    そして今気づきましたが、表紙のイラストが裏表紙にもつながっていて、カバーを外して広げると、それはそれは美しいリトとグレンの姿が拝めます。美しい。

  • ちゃっちいおとぎ話仕立てボーイズラブ。
    途中で何度も読むの挫けそうになった。

  • 大好きな犬飼のの先生が書く、人魚姫BL。基本的には悲恋な人魚姫の物語ベースなので、設定がちょこちょこ変えられていても、いつバッドエンドになるか…とヒヤヒヤしてしまう。魔女がただの人魚族の敵ではなく、ある意味お互い持ちつ持たれつ利用しあっている面があるのが、なかなかおもしろかった。

  • 童話BL(2種類)
    ヘンゼルとグレーテルだったんですね!お菓子の家がなかったので気づきませんでしたw
    もう一つが表題作。悲恋モチーフなので、どうなるかな?と思いつつ読みました。二つともサラッと読める感じの話で読みやすかったです。

  • 童話BL。前半は『ヘンゼルとグレーテル』をモチーフにした三部作。フェルナンのモサぶりが堪らなく素敵♡ サクサク読めたけど最後の話は再会後も読んでみたいと思っていたら特典ペーパーですか… 後半は『人魚姫』がモチーフ、人間の王子・グレン✕人魚の王子・リト。2人の想いがとても一途で切なく、ハラハラさせられる展開に一気読みでした。幸せになれてホント良かっです… しかし笠井さんのイラストは最高! もさもさが堪らんかったです!

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著者プロフィール

『不夜城のシンデレラ』がホワイトハート初作品。
現代ものからファンタジーまで幅広いジャンルを書き分ける。
竹書房、プランタン出版などで活躍。

「2013年 『料理男子の愛情レシピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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